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死神って言ったって窮地に陥らない訳じゃない。

久しぶりに通常更新できたんじゃない?!

…ごめんなさい。頑張りましたので読んでください。

「さて、トウマのバディとして二人の候補を出した訳だが、ミノとの相性が良かったそうだな。お前がそれでいいなら異論はないが、決定でいいか?」


「はい!…というか、アスカとは実力が離れすぎてますしね。そして何よりイツキが怖いです」


「実力よりそれかよ…。重症だな…」


「カツヒコさんは怖くないんですか?」


「いや、めちゃ怖い。情けないけど、見るたび体が強張るくらい怖い」


「俺より重症……」


「まぁなんだ、じゃあミノで決定だな。これからも頑張れよ」


そう言うとカツヒコさんは姿を消した。転移である。なんだかんだ彼もベテラン死神なのだ。そしてしっかり逃げたな。あの人。


次の日、早速任務が来た。

というか、今日からが正式な任務である。


「久しぶり、ミノ!」


「…久しぶりじゃ、ないよ?」


「えっ?」


「三日ぶりだけど、トウマくん一回異世界トリップして帰ってきたとか?それとも、すっごく長い夢でもみた?」


おお、もうここが異世界なんだけどね。

で、寝ても覚めても異世界なんだけどね。

それでもって、言われた通りなんだけどね。


「き、気を取り直して、どんな任務なんだよ?」


「ふっふっふっ。教えてしんぜよう。わ、け、あ、りっ!だよ!」


ゑ。


「…俺、ちょっと前の毒親ガリ勉ナポレオン女子でお腹いっぱいなんだけど…」


「あの子だって、訳ありの中じゃあ標準より気持ち下ぐらいだよ。基準は年齢によるものもあるから、誤差もあるけどさ。今回は格が、桁が違うんだよね」


終わったじゃんよ。それ。


「安心して!私、三級になったんだから!」


うん!ちょうどギリギリ信用し難い自信だな!


「じゃあ、行きますかね…?ミノさん…」


バタッ!!!


あ。




「ひどいよ!これ、二回目!」


「す、すまん!」


「次は…ありそうだけど、無いようにしてよ。三回目はラリアットからの後ろ回し蹴りして締め上げるって決まってるんだからね」


「はい……はい?」


「ちなみに、救済手段として、美少女の皮を被る腹黒男の娘と、無自覚最強無自覚ハーレムな主人公と、完璧究極ファンサの神なアイドルを一日ずつ演じてもらうこともできるよ!…もちろん仕事の日に!」


「わかった!わかったから!行こ?!ね?!」


「はーい、じゃ、いっきまーす!

【元気と気合でなんとかなるー】!!!」


「ゲンキトキアイデナントカナルー?」


赤い魔法陣。見覚えがある。コレはまさか。

あの気合転移か?!


「ほい、着いた。そんでもって、あそこか。あれ?あそこ?いや、もはやここ?」


相変わらず転移は早い!そしてポンコツ感!安定感!安心する…これが実家感……!


っと。本筋が恋愛と誤解される前にネタ感を。


「俺は地図持ってる…けど、ミノは忘れたのか?」


「…地図なんて」


お?地図忘れたのか?それとも地理が全くできない属性とか?


「地図なんて?」


「地図なんて見てられっかバッッカヤロー!緯度も経度も地図記号もクソもねーよ!私は完全武闘派体力派だーっっ!!!

円周率は3!竹取物語はかぐや姫!元素記号は元素ッッ!」


「わかった、わかったから!!

地図は俺がやるから!あと多分お前イツキと真逆の実技ゴリ押しで合格しただろ!」


ネタ感は出せた。でも俺の仕事が増えた。

欲張ってはいけないのだ。


「あ、ここで合ってるぞ。良かったな。ミノ」


「わー!」


あ、絶対わかってないなこの人。まぁいいや…うん…。

流石に不法侵入という名のすり抜けも慣れた。躊躇なく部屋に入り込む。

遠慮なんていらない。俺ら死神だし。


「えーと、名前は關於 鳳魚(せきの ほうな)…キラッキラネームだね。

職業は大学生。一般家庭、問題なし。大学に問題があるそうな…

今回は、本人が元々ヤバかったんじゃなくて、恨みがエスカレートして復讐の鬼に…って感じなんだね」


「ふへー。なるほどわからん」


「じゃ、とりま魂取っちゃうね」


サクッ!!と躊躇なく鎌を振るう。

が、しかし。俺の目に信じられないことが起こった。

フヨフヨとミノの手の上を漂っていた魂が、一気に巨大化して……そして、黒く燃え上がったのだ。


「ミノ?!?!」


「【超絶上位(すーぱーみらくる)非現実(はいぱーうるとら)気合魔水(きあいうぉーたー)】ッ!トウマくん、たのむ!」


長っ?!そしてそこまでするなら気合もなんか違うやつに変えてやれ?まぁやけどしてないならいいけどさ!


「おうよ!」


勝手に口が返事をした。

俺の体と思考は切り離されてるんだろうか。

…あぁ、思考加速とかかな。死神なら誰でもできたわ。それとも慣れたのか?

それはともかく…っと。


「【閃光流星華鎌(フラッシュシャワー)】!」


無数の光線が飛び、中心部を残して黒炎を刈る。我ながら結構すごいんじゃないか?

この技はアスカの【閃光星華矢(フラッシュ)】の鎌バージョン。初めての独自技術である。…もっとも、これはアスカとイツキの協力によるものが大きいのだが。


「今のは割とダメージでかいんじゃないか?」


「いや…それはないね」


俺の喜びと期待を一蹴し、ミノは魂を睨みつける。


「トウマ、私の言う通り動いて」


「あ、あぁ。わかったよ」


「通常連撃!右三、左前飛び、後ろ、左避け、交互七、上!」


死神バディ行動の基礎、誘導撹乱攻撃。

バディに言われた方向と数を瞬時に理解し、その通り正確に動く。単純だが二人行動の命と言っても良い。当然だが、俺も死神なのでギリギリなんとかではあるが、できることはできる。


「【連交差(スクランブル)鋼鉄銀拳(パンチ・メタリック)】!」


そうやって俺が動き回る間にミノが繰り出したもの。それは銀色のオーラを纏ったパンチだった。しかも武器ではなく、素手で。

一気にたくさん殴ったのは素人目にもわかったが、果たしてダメージは入っているのだろうか。


「え〜〜…けっこう頑張ったのに、そんなに苦しくなさそ…」


確かに、俺たち割と頑張ってるはずなのに効果なさそうだよな…ん?


「おい、あれって…【再受肉】じゃないか?」


思い出したのは、【死にたてでも分かる!死神による死神の死神のためのマニュアル!〜新人だったらかなり詰んでるぞ編〜】の第一章。

『死者の魂が、体に戻って凶暴化することがあるよ!三級までは歯が立たないことの方が多いから、急いで二級以上の人を呼んでね!でも、一人なら死神の方が取り込まれて消滅しちゃうし、二人で逃げたら町一つ余裕で燃えるから、絶望的だね!頑張れ!』


魂がものすごい速さで死体へ入っていった。

いきなりのことで対応が遅れ、何もできなかったが、恐ろしいことが起きそうなことだけはわかった。こんなときの対処法もど忘れした。


「本当に、絶望的な状況だ…」


「ねぇ、トウマ。五分待てば助けてくれる?」


「え?は?」


「救援頼むわ。こう見えても、私は丈夫なんでね。後輩くんに囮頼みにくいし」


「い、いやでもっ、俺が残るから!こっちだって先輩に囮なんて頼めねーって!」


「いいから死亡フラグになる前に行ってこいやぁぁあ!死神はもう死んでるから死なんのじゃ!はよ救援呼べぇ!命令や!」


だったら、もう急ぐしかない!


イツキとアスカによるスパルタ訓練により習得した転移法。あれをやってみよう。

界渡り――上界から地界に移動するのは初めてだけど、やるしかない。


…意識を、心を、体の中まで、どこまでも黒く。


「【影転移】」


視界が黒くなって、次の瞬間には地界にたどり着いていた。


喜ぶのもそこそこに、助けてくれそうな二級以上の死神を探す。

「僕はね、二級で、もうすぐ一級に届きそうなのにまだバディがいないの」

そう言っていた彼のいそうな場所を。

読んでくれてありがとうございます!

そして私学生なので…言いたいことはわかりますね?

そう、テストとかいう現実が迫ってきてるんですよ。なので、しばらく更新できないかも…すみません。とにかく、お疲れ様でした!感想くれたら嬉しいです!

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