死神って言ったって空気読みが下手な訳じゃない。
とてつもなく久しぶりの投稿となります。
お久しぶりです!!!
しばらく殴ったり蹴ったり。しかし、これが一ミリも効果なしである。
むしろ、俺達がその攻撃を受けているかのようなダメージを受けている。
「………!」
も、もしかして、無敵かコイツ!…遅いな。そうだよ。セルフツッコミもしょーもねえ。
よく見ると、攻撃を受けるときに何かしてるんじゃなくて、バリアっぽい見えない何かに弾かせてる感じがする。
「【すーぱー以下略】じゃオラァ!!!」
めんどくさくなったミノが無口頭魔術を地味にマスターしてきてるから、俺も焦らねばならない。
「お兄さん、ちょっと余裕なくない?」
「あ?お前らみたいなバカ相手してんだ。疲れるだろ」
「そー言わずにさ?ミライ、マッサージ得意だよ?」
ここでミライ、下手に出る作戦だ。
細い指をヤンキーの肩に乗せる。そしてゆっくり力を入れ………
「雑ーーーーーーーー魚!!!!!!!!!」
おおっと!ここで奇策だ!!耳元絶叫で相手の集中を削ぐ作戦でしょうか中々効いている様子です!ミライ、トドメとなるか!
「雑魚はお前だ」
「へぁっ?!」
ミライはぶっ飛ばされた。デジャヴである。
「いーかお前ら。よく聞けえ。俺は一ッ切お前らに優しくする義理は無えんだ。死ぬ気でかかってこい。さもなくば…」
「セリフ長いよお」
アスカが珍しく反抗的だ。こんなときもあざとく頬を膨らませ、腰に手を当てている。もはや彼は、このキャラクターを己に課しているのかもしれない。
「【シンクロヒール】」
また気色の悪い技覚えてるし。
シンクロヒールは、自分と相手を同時に回復させるクソゲー仕様の治癒魔法である。
しかし、思ってたんと違う効果が出た。
「若返り…?」
「弱体化と言え!!」
頭身が低くなった典眞さん。五頭身くらい?
「…ふっ!」
ツヅリが何かを投げたと思えば、それはケーキのケーキだった。大きなお菓子の残骸は、見た目こそ酷いが全回復ポーションと同義である。なんでまだ持ってんだよ。
べしゃっと典眞に当たり溶けたお菓子は、彼の頭身をちょこっと低くした。
「水だ!飲め!」
「【花子系スパゲッティ大盛りチョコマシマシフルーツチョモランマ果肉入りジャム】っ!!!」
「【銀木犀の雫】!最大パワーだ!嗅覚死ね!!」
早く言った順から、ミノ、安定の水、ミライ、相手を甘さで混乱させる魔法、イツキ、秋の魔法少女装備のいい匂いする浄化技だ。
どうやら、癒せば逆効果らしい。
しかし、気付いてから攻撃しても、ワンチャン協力プレイと見なされるかもしれない。
ちょっと別のものを探そうと思っていたら、激甘な匂いに毒された水がバシャっとかかってきた。
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「爆発しろクソが!」
「やなこった!」
死に物狂いでクラウチェとアミステッドと戦った出雲葵は、シオリのところにいた。枕は乙女を召喚するタイミングがつかめず、まだあちらにいる。
突然だが、出雲葵は、だいたいどんなことに関しても突出して出来がいい。何でもできる、天才というやつである。それも、感覚を素早く掴むアスカやセンスと努力のゴリ押しで叩き上げるツヅリとは違い、最初からほぼ完璧にできてしまう。
故に、はたから見れば上位層に位置している今回すら、上手くいっていないと感じていた。誰かに実力で叩きのめされたのは、ほぼ初めての経験だった。
縦横無尽に振り回される鎌、攻撃の隙間を埋め尽くす乱れ打ちの蹴りや魔法。その速いこと強いことと言ったら、何かの国際大会で殿堂入りでもしそうなくらいの勢いである。
無論出雲葵だって素早く動くし、海瑠璃をカウントしなければ攻撃の強さもピカイチである。それでも、今はシオリのパワー戦法を必死で受け流すことしか出来なかった。
「君い、やるねー」
「うぜええええっ!!」
「いや、本当さ」
「んえ?」
シオリはニヤニヤと笑う。
「私今、けっこう本気だよ?普段なら鎌だけで戦うもん」
「ガチ本気じゃなきゃ意味ねえだろバーロー」
「冷たいなあ。褒めてあげてんのに」
「………」
その言葉に出雲葵は攻撃の手を止め、両足の裏を地面に置いた。
「?」
「………」
「え、地雷?」
「……………」
「ちょ、ごめんって…ね?仲直りしてよ」
「隙ありだクソがあああああっ!!!」
「うぉわっ?!」
単純明快、隙を作るためにダメ元で固まってみたのだ。しかし、これが中々上手くいった。
出雲葵渾身のストレート突進は、見事シオリを押し倒すことに成功したのだ。
「……ほんと、やるよね」
「ってことは……?」
「バッチリ倒されちゃったんだもん。合格合格。イロリは中々やばいけど、ガンバレ!」
こうして、出雲葵は次のステージへ行くと思われた。
「あの…私、友達と来てるんで、待っていたいんですけど…」
「あ、そっか。うーん、じゃあ、観光とか?」
「行きたいところあるんですけど、許可ってもらえたり…?」
「ヤバい場所じゃなかったら、特級死神の権限を利用してあげよう」
三人ほどの攻撃をいなしながらシオリは応答する。ぶっちゃけ、こんな強い奴が見に行きたい許可が必要な場所が気になっていた。
「絶滅した最強の戦闘民族、剛力紅蓮兎の集落跡に行きたいんです」




