死神って言ったって平静さを欠いて良い訳じゃない。
「〜訳じゃない」構文がきつくなってきたぞ!
夏休みが終わっちまいますね。
「馬鹿野郎!なんで初手加速魔法なんだよ!」
「お前が急かすからおかしくなるんだろ!」
「…ね〜え〜〜!これって僕たちに勝たせる気あるの?!」
「自分で考えれば?」
「ふっざけんな!!!!!!ぶちのめす!!!ねえ!聞いてんのかっつってんだろ!!!!!!!!おい!!!!」
「…るっせえなァ。顔面タコ殴りにすんぞ」
三者三様?十人十色?違う違う。全員ピキり方が違うだけ。個性じゃない。
「あ、あの…今の雨、不思議な薬だから…えっと、感情をものすごい揺さぶる。ペアとの絆、壊さないように…ね?」
「「「✕✕✕✕✕✕✕✕✕!!!!!」」」
ヘイトは一気にセンカへ向いた。俺?俺は語ってるだけ冷静って?んなわけねえだろ。ポエム気質で悪いか?魂奪うぞ。
「あと…これは、ペアじゃなくてもいいからね?」
「は?」
「え?」
「あぁ?」
それを早く言え!!!
「おいイツキ…」
「…………」
「おい、落ち着けよ。これは薬だ、理性が試されてるだけ…」
「そのセリフ、同人誌クセぇな。何で学んだ?何年生?夏?冬?それともネットか?」
コイツ、俺の一度抑え込んだイライラを解放しようとしてくれてる!!いや、俺こそ落ち着け。ここは俺が大人の対応でペア崩壊を防がないとだろ…。
「いいか?俺とお前じゃ到底アイツに敵わない。戦略的協力だ。冷やかしたり煽ったりしないから、アスカたちかミノたちに頼もう?」
「…ん」
「おし!決まり!」
さあ、どっちかにしようと思ったが、どっちもの方がお得である。まず近いのはミノたちか。…いや、あの雰囲気、戦力が少ない状態で声をかけるのは得策とは言えない。まずはアスカとツヅリに頼もう。
「アスカーっ!」
「なにーっ?」
「戦略的に協力し」
「望むところーっ!」
早いな返事が!もう少し交渉されるかと思ったわ!
「んで…随分ご機嫌な様子ですけど…」
「いーい?変な薬には気合い!つまり必要なのは?」
「鋼の理性か!」
「いやおかしいだろ!理性云々でどうにかなる問題じゃないんだよこれは!」
イツキが何かまくし立てているが、実際その通りである。これは気合いで止められる問題なのだ。
「……いる?」
「ツヅリ何か持ってるのか?…サンドバッグ?!?!?!」
いらねえ!!!
こんなやり取りをするだけでもイライラするので、神経質にならないようにしたい。が、病むと時々推しの力が通じなくなるように、無理なものは無理である。
「なにか愉快なものを見たいな…」
「まっかせなさい!とーっておきの秘策があるよ!」
「いやにテンション高えなアスカ」
「いやマジ見てて、トウマくんだったらこの愉快さ分かってくれるはず」
意味不なことを言って、アスカはミノたちの方へ走っていった。
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「ねえねえ!」
「あ゙?」
「なんっだようるせぇな!!!」
既にだいぶ険悪な雰囲気ですけど大丈夫そう?アスカもこんな対応されちゃやべえだろ…
「うう…ごめんねぇっ…」
「「?!」」
「自分たちの都合でっ…ミノちゃんとミライちゃんにっ、…嫌な想いさせちゃったぁ…」
なんという演技力。アレは魔法使ってんな。ガチ涙流してるもん。
「い、いや、ごめんごめん、ちょーっとこの人にムカついてただけだから!」
「そーそー!ミライたち、アスカに怒ってる訳じゃないよぉ!」
なるほど。その手があったか。俺達は無理矢理感情を抑えることで対処したが、そういえばこの雨の性質があった。
そして手のひら返しはいつ見ても愉快である。よって俺、ニコニコしながら考察を始める。
この雨もとい薬は、感情を揺さぶりやすくする恐ろしい特性を持つ。つまり…
「罪悪感で怒りを塗り替えるのか…」
今イツキが言ってた感じである。
「えー、泣き落としにかかったのは誠に遺憾だが、協力は引き受けよう」
「ミライを騙そうとしたこと罪は大きいが、引き受けてたてまつってやる」
ハイハイ。ありがとね。アスカもありがとう。もう何も言わないよ。考えるだけイライラだからね。
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「地獄めぐりどうよ?堕天使共」
「割と楽しい」
「生きてるって感じ」
「あ、そう」
お久しぶりの天使軍団は、語尾も挙動も髪色もその他もろもろも直り、地獄めぐりを何故か楽しんでいた。
地獄めぐりでは、自分のした悪と定められていることを散々される。簡単にイメージできるものでいうと、DV気質な彼女にボコられまくる体験をするDV彼氏の構図であろうか。だから、メンタル爆死状態になる者がほとんどだ。そして罪の重さを自覚する、と。そこまで簡単に改心するかと言われれば微妙だが、今のシステムはこれである。
時々「こんなことされるとゾクゾクくる」だの「私が作りたかったのはこんな世界なのだから問題ない」だのと言う奴もいるが、そんなときは鬼がぶちのめすから無問題である。ちなみに、暴力さえ悦びとするやべ〜奴は魂ごと病ませる半ばいじめなやり方によって処される。
「いやいやいや、待ってよ、なんで元気なのあんたら」
シオリは閻魔城を抜け出して堕天使共を嘲笑ってやろうとここに来たのだが、疑問を隠せない。あったりまえだ。
「いや、反省はしたよ?したんだけど…」
「今も若干病んではいるっちゃいるんだけど…」
「そりゃあ印象良くするために反射的に楽しいとか言っちゃった部分も否めないんだけど…」
「周囲にモノがあるってだけで、幸せです」
「ほぁ?」
聞いてみれば天国は何っにもないだだっ広い空間があるだけらしい。天国主さえも小さな木の椅子にちょこんと座っているのだとか。
「…なんかごめん」
「いや謝られると傷付くんで…ん?なにこれ?」
禍煉たちの足元に、紙が落ちてきた。
『嘘の主への信用を捨てよ。炎と空は虹へ飲みこまれん』
まあつまり、閻魔も神も嘘つきのやべえ奴だからさっさと捨てなってことである。




