死神って言ったって異常気象にまで強いわけじゃない。
こんばんは。夏休みですがゆるゆるやっています。久しぶりかつ短いストーリーとなっていますが、読んでいただければ幸いです。
赤暖簾の修業はさっきとあまり変わらず、俺は魔法を頑張り、イツキは青明力を使うことでさっさと終了した。ケーキからの応援を青明力、もしくは強化した魔法でぶちのめすテストだったので、割と簡単だったと言ってもいい。
わざわざ声に出しはしないが、こうしてサクサク修業が進むと、「俺らはやはりエリートなのか!」って感じで自己肯定感が上がるな。ほぼイツキのおかげ?いや俺もバディ解消がかかってるから頑張ってる。
「うむ!やはりおかっぱは筋が良いな!お前も中々魔法のコントロールが上手くなった!改めて、合格だ!何か質問はあるか?!個人的な質問も大歓迎だ!」
個人的って…
「あのお、なんか、海瑠璃の人たちって青モチーフなんじゃないんですか?」
「その通りだ!ケーキは服に青い宝石をつけ、青のカラコンをし、最終ステージを白群色…青っぽい色のモチーフにした!俺からはそういったこだわりを感じないから聞いたんだな?!」
「え、ええ。まあ…」
「ならば答えは簡単だ!俺の使う鬼火聖剣の纏うオーラは青!俺が専門とするのは青明力!これが俺の全ての青だ!」
「あっ、ハイ」
そんなこんなで、レッツラ第四ステージである。
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「雨…?」
「【珊瑚塀】!…なんかこれ、浴びちゃダメな気がする」
「そうかも…」
アスカチームはいち早く第四ステージにたどり着いたが、そこは薄暗く、ジメジメした場所だった。アスカのテンションが下がり、集中力が切れかけたところをツヅリがフォロー。まあまあなチームワークである。
と、二人はフィールドの奥に立つ人影を発見した。見る限り、老人ではなさそうだが…それ以外は何もわからないし見にくい。ここはコミュ強のアスカが行くことになった。
「こんにちは!海瑠璃の方ですか?」
「あっ、はい!えっと、ごめんなさい…」
「いや…何が?」
「ボク、やることなすこと遅くて、この雨も、最初に説明しなきゃいけなくて…」
「もー、まだ最初ですよー!説明って?」
「これ、酸性雨…便宜上そう言ってるけど、ホントはお酢の雨…」
「え?」
「嘘」
「ホントだよ…」
しとしとと雨が降り注ぐ。数秒後、雨はざああっと強くなり…
「死ぬよ?!」
「あっ、あっ、もう、死んでる…か、なあ…」
「「そういうことじゃないです!!!」」
何を言っても雨が止まないので、今度はアスカがバリアを張った。交代制の雨宿り作りである。
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「失礼しまーす…いますか?」
ゲートをくぐったら暗いお部屋?についてしまったので、声をかける。誰もいなかったらやばい。
「ん?雨か?」
イツキがそう口にした。フィールドで雨?…上を見ればわかるだろうか。
「う〜ん……痛っっっっっ!!!」
いっっったい!目にめちゃくちゃしみてる!雨粒ってこんなにしみるの?!
「あっ、えっ、あっ、ご、ごめんなさい!」
あら、同族の気配。
薄暗いままでよく見えなかったが、夜目がきいてくると、倉庫みたいな場所とわかった。例に漏れず、めちゃくちゃでかい、フィールドである。
目は痛いし雨は降り続いているので、鎌と包丁を連ねてバリアを作り、傘にした。流石に鬼ではないので、イツキも入れてあげる。野郎と相合い傘である。
そして見えた猫背で立つ同族は、海瑠璃の人なのだろうか。黒いカッパ。着てるからよく見えないけど、青い耳飾りつけてる。
…話しかけるか。
「すいませーん…」
「二人とも!その雨浴びると死ぬよ!」
聞き慣れた声の主は、今まさに魔法をぶちかましていた。
いや、もう傘さしてるって。
しばらく雨の中突っ立っていると、どうにか全員来れたようだ。今まで猫背で立っていた人が、ちょっと姿勢を直して、拡声器を持った。
「あ…こんにちは…察してるかもだけど、ボクは、海瑠璃の四番目…あっ、名前は、センカ。苗字…は、えーっと、ごめん、あんまり覚えてない。今から、説明をするね」
同族オーラを放っていたので、噛まないかヒヤヒヤしながら聞いてしまった。不敬不敬。
「まず…このステージでは、雨が降ってる。それは、その…水の雨とは、限らなくて、今は、お酢…酢酸?酸性雨?そういう感じの、雨、降らしてます…。あ、でも、しばらくしたら、槍の雨とか、火の雨とか、あとは…毒…は、流石にしないけど、いろんなの、降らすから…それ、どうにかしながら、えっと…ボク、逃げるから、追いかけて…それで…」
セリフ飛んだか?大丈夫か?
「そっ、それで!えと、追いかけて、この紐、レインコートにつけるから…これ、取ったら、合格…で、どうかな?」
ああ、よかった無事に終わった。
ただ、どうかな?と言われてもリアクションしづらい。黙ってたら誰か何か言ってくれ…は、しないよなあ。
「なあイツキ、せーので賛成って言おう?」
「なんで?」
「見ろよあの同族オーラ。ノーリアクションだとそのうち溶けて死ぬぞ?」
「いや、なら一人でやれよ」
「一人は無理。お願いお願いお願い」
「…まあ、どうかな」
「よし、じゃあいくぞ?さんにーいちの、いちの一秒後に言うぞ!さん、にー、いち…」
「さんせーーい!」
絞り出した【俺一人】の大声は、雨の静けさの中、虚しく広く、響き渡った。
「…え?」
この夏の間に色々短編とかも投稿したので、気分が乗れば見てやってください。夏、冬の駄作シリーズをまとめました。




