死神って言ったって必ずしも堅苦しい労働環境って訳じゃない。
更新遅れてすみませんでしたぁぁぁあ!
遅くても読んでくださいね!
更新頻度、基本は週一できるかどうかです…
ごめんなさい。
そんなこんなで初仕事からかなり暗黒だったわけだ。今日は二人狩るって言ってたし、もう一人もあんなんだったら精神が死ぬかも…
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「お前は地獄行きじゃゴルァ!闇の業火に抱かれて燃えつきろ!!!この変態!!!」
そんな心配なかった。もう一人はえっぐい嫁いびりしてたおじいさんだったから。俺が思いっきり鎌を振るうと、ミノは逃げようとする魂を素手で捕まえた。初日にしては中々なチームワークである。
「ふぃー!終わった終わった!さ、早いとこお暇しよう!」
ミノは出てもいない汗を拭うような仕草をした。俺も地界に戻るのには賛成だ。なんとなく、この世ならざるモノはこの世に長く居ちゃいけない気がする。…なんとなくだけどね!!!
そんなこんなで死神業は前途多難。別に眠りにつく必要は無いのだが、精神的にも身体的にも疲れはあったので、次の任務が言い渡されるまで休んでおくことにした。
「トウマ、トウマ!!!」
「んあ……?ミノ?」
「やーっと起きたぁ。永眠したのかと思ったじゃん!」
「えっ?!?!今何時?!?!?!」
遅刻?!それにしてもブラックなジョークだな。
「わかんないけど…カツヒコさんが、もう一人のバディ候補を連れてきたって…。」
「わかんないけど…?」
まぁ、一旦置いておこう。そんで。
「いっけなーい☆遅刻遅刻☆」
「……」
「…行ってくるわ!」
「おうよ!」
スベったら即、話題の転換。できる死神のテクニック。ミノが合わせてくれて助かった。死神になったことにより格段に上がった身体能力を活用し、全力疾走する。まぁ、急いで走ってるだけなんだけど。
「遅れましたぁぁぁっ!!!!!」
「おう!遅かったな!」
「すみません!」
「いや、実はそんなに待ってない」
「あ、そうなんすね」
「まぁそんなわけで、相手ももう少しで来ると思うけどな」
「はは…さっきまでミノで決定だと思ってました」
「…ミノの方が性格はまともだが、今回組んでもらう奴は…まぁ、頑張れよ!俺は行くから!」
「えっ、立ち会ってくれないの………」
泣きそうな気分だ。俺、陰キャなんだからさ。助けて。誰か。
「「君が、トウマ?」」
そっくりな声が二つ。振り向くと、そこには二人の少女がいた。
片方は深紅の短いくせっ毛と猫目、頬に斜めの傷跡があって、もう片方は薄水色の髪を上で一つに結び、藤色のタレ目。
声が似てるということは双子なのだろうか。背中に背負う鎌から、同業者であることがわかった。
「はい、俺がトウマです」
気持ち目上感があったので、ちょっと敬語。
「あ、私達は君のバディ候補を連れてきただけなんだ!気にしないで!」
ポニーテールの死神が言う。紅髪の死神に促され、後ろから誰かがひょこっと姿を現した。
サラサラの金髪を下で結わえていて、空色の目をしていて、頬にはバッテンの傷。アニメのような美少女ってやつ。
何も問題はない。気まずいこと以外は。ハーレムで嬉しいなんて気持ち、微塵もない。俺の人…あ、死神生はモテずに終わりたい。
仕事をして、老後の資金を貯めて、平和な老後を過ごす!それが俺の目標なのだから。
それに、俺は生粋の隠キャ。…しょうがなくない?!?!しょうがないよね?!
なーんて考えてたら。
「あ、私達そろそろ帰るね!」
「あとはごゆっくりどーぞ」
えー。あなたがたも帰るの?
「あ゛ー。俺、トウマ。よろしくな…?」
「ふふっ。固まっちゃってかわいいなー」
「は?」
なんかまた変なやつ来たぞ。カツヒコさん。助けて。いない上司に助けを求める。俺の現実逃避をものともせず、その少女は俺の首に手を回した。
…なーんてな。
もちろん躱す。これでもそれなりの訓練を受けて、試験に合格してるんだから舐めないで欲しい。
「次やったらその手、切り落とすぞ」
容赦はしない!多分!美少女×陰キャの最悪ムードに耐えるにはこれしかない!
「さて。それはどうかなぁ」
「えっ?」
少女は一瞬で俺の目の前まで来てしまった。
「ふふっ。捕まえたよっ!」
ナニモ、ウレシクナイ。ムシロ、シンドイ。
「何する気だよ……」
少女は、俺に顔を近付けた。そして、唇をくっつけて…
……は?え?ちょっと待って。ストップ!!
「おまえ…何してんだよ…」
心臓バックバクだよ。俺のハジメテ奪いやがって。魔法使い超えて賢者超えて大賢者超えて仙人になるつもりだったのに。
「ふふっ。改めまして、僕の名前は明澄架。よろしくね」
何もなかったかのように自己紹介するなよ。
「改めましてじゃごまかせない被害を受けた藤真です。よろしくな」
「なんなのさー。同性相手にドギマギしちゃって。かわいいなー」
「えっ?」
「んー?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!」
えっ。ウソ。コイツ男なん?男の娘?男の子?ショタ?中性?もう何がなんだかわからない。
「もう…なんか…いいや…なんでも…」
「ん?」
「さぁ仕事だぞー」
「うん!トウマくんは、四級だっけ?」
「まぁ。そうだな。」
「僕はね、二級で、もうすぐ一級に届きそうなのにまだバディがいないの」
「さっきの行動が原因だろうな…」
賢者たちからすれば驚きしかないし、元でも今でも好きな人がいるなら罪悪感に苛まれること間違いなしだし、キス魔と言われても否定はできないしね…
因みに、死神は試験ムズいし、階級制度あるし、権力ピラミッド閻魔大王の次くらいだし、履歴検査されるし、極悪人などはいない。
そんなことは置いといて、アスカにバディができない理由は他にも山ほどあると思う。
「まぁまぁ!いいじゃん!ほら、行こう!」
意外に強い力で手を引っ張られた。こんなに白くて華奢な片手でシャトルラン57回できた俺の体を動かせるなんて…。
シャトルラン関係ないけど。…シャトルラン関係ないけど!
読んでくれてありがとうございました!