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死神って言ったってツッコミ以外何もできないときがない訳じゃない。

今回は地味に長いです。

関係ないけど、冬の駄作の一つ目を出してみましたので是非。

「【施錠ロック】!!」


少女の持つ鍵がひときわ強く光った。ガシャン、と大きな鍵が閉まるような音がした。


「は?!」


「やばっ」


「あちゃー…」


 三人の体に鎖が巻き付き、手錠と足錠がついた。そのまま地面に叩きつけられるミノとツヅリとアスカ。痛そうだけど…まあ、あの三人なら大して心配するほどでもないか。


「あ、イツキくん、水鉄砲さ、ミライにちょうだい」


 相変わらず唐突だなミライは…。水鉄砲ってあの白い光が出るやつか。でもあれ、効果あんのか?というか、何で知ってんだよ…そもそもイツキが渡すわけないだろうし…


「は?やだよ。アスカからの貰いもんだし」


「ちょーだいってば!」


 流石問題児。ミライはイツキの腰ベルトから水鉄砲をかすめ取った。


「【天女の羽衣】」


 ミライが出したのは美しい羽衣。…を、帯みたいにちょうちょ結びにしてしまった。羽衣って何だっけ?


「…で、竒ちゃん、だっけ?なんもしてこないの?」


「あ、えっと、邪魔したらだめかなぁって…」


え、なにそれ。めちゃくちゃ舐められてる?それとも単なる行き過ぎたお人好し?


「えっと、えっと、もういいよね!【施錠ロック】!」


やべ、俺らも拘束され…


「【魅了引力チャーム】!」


「【藁人形劇パペットショー】」


 いきなり鎖が夜宵の方に向かったかと思いきや、直後に出てきたくまのぬいぐるみに絡みついた。そして、最後の手錠がぬいぐるみの腕にかかると、ぬいぐるみは藁人形に変わってしまった。残念。ぬいぐるみの方が可愛かった。


「こーんな簡単なのしか出せないなんて、雑魚だねぇ。スッカスカなのは体だけじゃなくて頭もってことかぁ〜!かわいそぉ〜」


 あああああああまずいまずいまずい、はやく夜宵のメスガキ語を止めないと…怒ったらやばいタイプだろこの人…


「夜宵、そろそろ止めるにゃ…にゃ?!は?!」


 どんどん騒がしくなってくじゃん…ほんと恨むぞ閻魔大王。


「うるさいからテープでも貼っとけよ。そんで、【凩や海に夕日を吹き落す】!」


 イツキが以不輝の口にテープを貼りながら呪文を唱えた。赤く燃える矢の雨が竒に降り注いだ。竒は崇光を大量に出してほとんどの矢を消したように見えたが、残った一本が竒の手に当たり、ジュッと音を立てて肌が焦げた。彼女は少し涙目になりながらイツキを睨んだ。

 ちなみに以不輝に貼られたテープは、見た感じ白いくちばしのお店系統ではなく、普通のテープのようだ。よかったよかった。


「…」


 以不輝は黙ってバン!と地面に手を叩きつけた。そこから真っ黒な激キモ生物が現れるのはもう知っていること…知っている…え?は?でかい黒猫?!以不輝が猫化したから?黒朝だったっけ?あいつも猫化したのか!

 ぶっちゃけずっとそのままでいいよと思ったのは言わないでおこう。黒猫は竒に飛びかかったが、秒で拘束されてしまった。


「よっし、準備かんりょー!」


 と、ここでミライが装備を終えたらしい。軽く何回かジャンプして、そのあと勢いよく飛び上がる。羽衣の力で舞い上がり、鳥のように飛び回って竒を撹乱して……天女の羽衣ってそんなにアクティブな道具だっけ?


「【トキメキ♡トゥインクルラブショット】!ばきゅーん!」


 イツキのときは月のような白色だったが、今回はピンクのハートのビームが水鉄砲から出てきた。それにしてもこの独特の可愛さのある呪文。ほぼ魔法少女じゃないか。


「【施錠ロック】!」


「ざーんねん。効かないよ」


 ミライはあざとく舌を出し、 追ってくる鎖をひらりと躱す。ハートは、竒の長い三つ編みの片方を焼き切った。


「三つ編み、天国主様が、可愛いって言ってくれたのに…」


「うーん、そういうこと言うのは、いろんなヘアアレ試してからにしようよ。ふわふわツインとか似合うと思うけどなあ。…【ぴかりん☆シューティングスター】!」


 うわ、今度は黄色の星の攻撃。まさかあれ即興なのか?途中でただのおしゃれ女子に覚醒した瞬間あったし、ミライってなんかすごいんだな…今更だけど。


「あなたには…わからないでしょ!お友達がいて、たとえ一人でもいろんなことができるあなたに、天国主様がいないと何もできない私のこと、わかるわけがない!」


「じゃあミライが友達になってあげよっか?」


 これまた唐突に手を差し出したミライ。こっから和解とか正気か?


「えっ…?あ、でも、許してくれるかな…」


アンタもそこで考えるとか大丈夫そ?


「うぅ…怒られちゃうから、ないしょにしてほしいなぁ…だめかなぁ?」


「いーよ」


「いいんかい!!」


 びっくりしすぎて口をついて出てしまった。いや、誰でもそうなる…よね?


「なんで?ミライは友達になろって言っただけだよ?」


「い、いや、アイツ天使だし、敵だし、馴れ合っていいわけないだろ…」


「ほ、ほんとだ……ごめんなさい…あの、やっぱりお友達、やめよう!【施錠ロック】!」


 あ、やべ…俺、状況悪化させた?泥試合にした犯人、俺…だよね?あ、ミライにも手錠ついちゃった…


「こんっっっのバカああああああ!!」


「バカじゃんっっ!!もーだめじゃん!ミノちゃん、ツヅリちゃん、足場出すから行って!」


 ミノの絶叫とアスカの嘆きと魔法陣の発動音が一斉に聞こえた。ミノとツヅリは、アスカが出した大量の魔法陣をトランポリンのようにジャンプ台にして、手と足を拘束されたまま竒へと近付いていく。


「もう一回死ねやあぁぁぁっ!」


「出直して来い被害者面ぁぁぁっ!」


 ミノが両足で竒を踏み落とし、ツヅリが落下して勢いをつけたダブルグーパンをお見舞いした。


「ッ…」


 竒は苦悶の表情を浮かべたあと、ゆらりと立ち上がった。


「あなたたちこそ被害者面でしょ…この自己管理不足。殺人犯。何をしても、しょせん悪い人たち。今さらどう思ったって、どう償ったって、やったことは変わらないのにね」


 おもむろに鍵を握りしめ、キッとこちらを睨みつける竒。


「【閉鎖ロッ…」


『竒、一旦帰っておいで』


 誰?!?!天国主とかいうやつかな?!


「でもっ!まだ誰も倒せてなくてっ…!」


『いいんだよ。今回は牽制も兼ねてる。それに、裏切り者よりも竒のほうが大切だからね。ああ、拘束は解いてあげて。ずっとそのままでも竒が辛いだけだ』


「…わかりました。竒は、あなたの御心のままに」


 御心のままに?!そんな、神みたいな…いや、実質あの子にとっては神なんだろうけど…


「天国主様が仰ったから、体についているものは取ってあげる。でも、魔法の封印は取らないからね。あと、竒はいくつ鍵をかけても辛くないし…」


 そう言いながら竒が鍵を握ると、手錠や足錠はパッと消えた。


「じゃあね、ミライちゃん」


「ばいばい!竒ちゃん!」


あっ、俺ら、フル無視ですか…


ーーーーーーーーーーーーー


「トウマ、私はあんたに言いたいことがある」


「はあ…」


「今回、この戦いでトウマは何をした?」


「戦って…ないな。ええっと…」


「私からのサインを受け取っておきながら加勢もせず、出した技もショボく、その後も見ているだけで何もせず、助けを呼びに行ったりサポートをしたりすることもなかった!しかも、代わりに変なところに口を挟んで戦況を悪化させた!お前はそれでも死神か?!それでも私の相棒か?!ハッキリ言って失望だよ!」


「え、あ、ごめん…」


 返す言葉もない。嘘違のときも、その前の牛頭鬼のときもこんな感じだったし。


「いや、でも、禍煉さんとか以不輝とかも…」


 そんなに戦ってなかったじゃないかと言い終わる前に、バチン!と頬を叩かれた。ジン、と熱い痛みが徐々に広がっていく。


「あんたの一番ダメなところ、そこだよ!自分よりも悪い人を探して、自分が一番まともだと思い込んで、なんとか責任を逃れようとする!そんなんだから、何回ひどい目にあっても懲りないんだよ!」


「…」


「あと、あんたが見てなかっただけで、カレンちゃんは嘘偽ちゃんの目を治したり、アスカの魔法をサポートしたりしてた。以不輝はこれから情報を吐いてくれる。あんたには出せる情報も、縁の下の力持ち的な能力もない」


「それは…たしかに」


 まあ、そんなに言わなくてもいいかなぁとも思わなくもないけど…


「今のトウマとは、一緒に行動したくもない。ただ、この状態じゃ後味悪いし、私にも悪かったところはある。だから、条件を設けたい」


 な、なんだろう。入れ替え?一旦解雇?


「明日からみんなで修行を受けよう。そんで、別のバディに入れてもらったりして、私よりも早く二級になって。できなかったらこのバディは終わりにしよう」


 ミノは鳳魚のときに昇格したのが最後で、三級。俺は、三級だったけど嘘違のときに下がって今は四級である。つまり、ミノが一個昇格する前に二個昇格しないといけない。

 そんな無理難題をこなさないと許されないくらい、俺はミノに不信感を抱かれていた。

次回から修行編かなあ…ミノちゃん、だいぶご立腹でしたね。トウマは信頼関係を回復させることができるのか?!乞うご期待!

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