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死神って言ったってナンパが好きな訳じゃない。

20分遅れ…!ノーカンにして……!

「そこのお嬢さん、ボクとお茶でもどうかな?」


「キッショ触んな」


 ミノは間髪入れないどころか被せるようにそう言って手を払った。誰だこんなキモいことミノにほざいたやつ…と思って振り向くと、見たことのない奴がいるではないか。

 整った目鼻立ちに、肩にかからないくらいの銀髪と大きなエメラルドのような目。かっこいい寄りの顔で背もそれなりに高いが、体つきは女性的で、男か女かわからない。声も中性的だった。


「ああ、申し遅れたね。ボクは夜宵。キミの名前は?」


「私はミノ。嫌いなのはテメェみたいなタイプだよ。よろしくな」


「いいね、その態度、すごくそそるよ。ますますキミのことが気になってきた」


 何コイツキッショ。顔がいいからって何でも許されると思うなよ。顔面至上主義反対!ナンパ反対!…俺はなんで熱くなってんだろ。

 ん?あれ?ヤヨイ?夜宵…?


「プライド激高女天使の夜宵?!確かにプライド激高だしキショいなあ…」


「プライド激高女天使だなんて。せめてナルシストイケメン天使ぐらいで勘弁して欲しいね」


「そういうとこがキモいんだよ…」


 俺もミノもけっこうボロクソに言ったが、夜宵にはまるで効いていないようだ。


「へえ。よく見たらキミもきれいめな顔してるじゃん。女装したら相手してあげてもいいよ」


「キッショ!!!!!キッモ!!!!!近寄るなぁぁぁあ!」


 なんで標的がミノか俺に移る?!ミノは黙っていれば美少女だが、俺は黙ってても清潔男がいいところだぞ?!


「なんしてんの、アンタ達」 


「「姉貴!!」」


「姉貴じゃないってば。ミライもいるし」


 いやいや。困っているときに颯爽と現れるのは姉貴ポジションの奴しかできないことですよ、ツヅリさん。


「そんで、夜宵って言ったっけ?天使らしいじゃない。いきなりその距離感はやめといた方が身のためだと思うけど」


「これは失礼。では麗しいお姉さん。ボクとお茶でも…」


「ねー、お兄さん?ミライさ、のど乾いちゃった。アフタヌーンティーいこーよ」


 あ、これミライだわ。ミライが一番適任だ。棒読みにならず、あざとく腕を掴み、そして楽しんでいる。恐ろしい子だ。


「これはこれは可愛らしいお嬢さん。そちらのお姉さんが凛とした百合の花なら、あなたは可憐な霞草のようだ。アフタヌーンティー、行くかい?」


「うん!行こぉ」


 やっべぇ。女を長ったらしく花に例えるやつはキショいって法則があるのはなんとなくわかるが、本物はあそこまでキショいものなのか。


「しまったな。相手するだけで手柄になるなら愛想よくしときゃよかった」


「んもー!二度と来んなアイツ!」


 それぞれの感想が飛ぶ中、俺は夜宵の言葉に少し違和感を感じていた。


(ミライはどこからどう見ても可憐な霞草じゃないだろ…ガーベラとかそっち系だろ…)


 女を花に例えるやつはキショい奴が多いという法則がある。さっきそう思ったばかりだ。


ーーーーーーーーーーーーー


「以不輝。地界に行こう。今ならまだ逃げられる」


 嘘違たちから事情を聞いた二人の意見は真っ二つに割れていた。禍煉の言葉に、以不輝は首を横に振る。両者の顔には焦りと不安があった。


「だって、天国主様は絶対に消してくるけど、お兄さんは頑張って説得すれば助けてくれるかもしれないんでしょ?そんなの、可能性が少しでもある方に賭けたほうがいいじゃない」


「でも…」


「ねえ以不輝。本当に時間がないの。天国主様があなたに入れた目玉、私の幻覚術がバレるのも時間の問題だよ」


「イツキと会うの、すごい気まずいし…」


「じゃあ、このままお兄さんはもちろん、お姉さんにも二度と謝れないよ?それでいいの?そのまま消えちゃうんだよ?」


「…」


「気まずいとか、嫌いとか、そんなこと言ってられないの。私もこれから、自分がいじめてた子に会いに行く。しかも、相手は私がいじめをしてたなんて知らない上でね。お願い。一緒に、地界に行こう。あっちで過ごそうよ。罰を受けたほうが安心するかもしれないし、そうじゃなくても、仲間は多いはず」


「…それでも行きたくない」


「じゃあ無理矢理にでも連れて行く!何があっても、これ以上誰も見捨てたくないから」


 禍煉は以不輝をいとも簡単に抱き上げ、走り出した。


ーーーーーーーーーーーーー


「アスカ。俺、イブキに何か言われたとき、どうすれば良いんだろう」


「わかんないけど…イツキが思う通りに答えればいいと思うよ。僕たちは絶対味方するからさ、何言っちゃっても大丈夫」


「事情も知らないのに軽々しく言うなよ…」


 頭を抱えるイツキの背をアスカは苦笑しながら撫でた。


「事情を知らなくても、イツキの思ってることはわかるもん。イツキは、ほんとは以不輝くんのこと、好きなんじゃない?大事な弟だと思ってるんでしょ?」


「さあな。まあ、傷つけたくはないけど…」


「それを、大事って言うんだよ。ちゃんと話そう」


 アスカがそう言った丁度そのとき、嘘違たちもまた、今度は四人になって地界に戻ってきたのだった。

ツヅリとヤヨイ絡ませるとカップリングがカオスになるのでやめました。

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