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死神って言ったって無鉄砲で大失敗することがない訳じゃない。

おまたせしました。本日はもう一話あるので見逃し注意でございます。

「私の正体など、今はどうでも良いこと。さあ、走って!」


 腕を引っ張られて走り出すこの神さまっぽい誰か。意外に力強い定期。この世界には弱そうな人ほど強いという決まりでもあるのだろうか。


「速っ…」


 えげつない速度で走るので、俺は半分引きずられながら進んでいく。そのまま閻魔城裏まで来てしまった。すると、いきなり神様(仮)がしゃがみ込んでしまった。


「大丈夫ですか……?」


「うわぁぁぁぁ…どーしよあの鬼さんたち怒ってるよねぇ…うぇぇ…死んじゃうよぉぉ…ボク、殺されちゃうよ…」


えっ。何いきなり。何があった…?


「あーー…どうされました?」


 キャラ変わりすぎだろ?!?!何があったらそんなに変わるんだよ?!


「あの、それで、貴方って…」


「え、あ…ボクは、一応、神さまって呼ばれてるやつ……ってだめじゃん言ったら!もうやだぁぁ…」


 もうやだはこっちのセリフだよ…何このギャップ萌えとか言えないレベルのキャラ変。多様性ってやつなのかな?


「じゃあ…僕、戻るから…ばいばい…」


 送ってはくれないんかい!追われてるのに…などと言ってしまっても仕方ないので、ここは一度、トウカではなくトウマになってモブな男として帰ろう。

 閻魔城に入っていった神さま…?を見届けてから、盛大なるため息を付いた。ため息をつくと幸せが逃げる、と言うが、個人的には不幸を逃がすためのため息だと思う。

 大体、不幸の権化みたいなイメージの場所で、幸せを感じられてる今がある時点で、地上の常識など通じない。


「ってポエマーみたいなこと考える時間ねえよ!ええと、とりあえずミノに連絡か…?いや、もう転移しちゃおう」


ーーーーーーーーーーーーー


「だるい。むり」


 ミノは絶賛超不機嫌だった。相棒のトウマが女装して鬼たちと出ていったと聞いたからだ。自分だって脳筋の自覚はあるが、彼の行動は無鉄砲にも程がある。


「ツヅリぃ…まぢむり…もうアイツとやっていけないよぉ…」


「私も、未来永劫ミライとは合いそうにないのよね。お互い頑張ろう」


 今まで会った中でも一番の不仲バディと言っていいほど、ツヅリとミライは仲が悪い。それを考えれば、トウマとはまだ仲が良いしマシな方かもしれないとミノは思い直した。

 それでもムカつくものはムカつくので、文句を言いながら石を蹴っ飛ばす。


「ケッ、偉い誰かバレてドチャクソに怒られてしまえ。間抜け脳筋無鉄砲鈍感女装野郎め」


 ちなみにこれはツンデレでもなんでもなく、単にミノの口が悪いだけである。女の子って怖い。


「ミノ…」


 と、ここで聞き慣れた声がした。振り返ると、その間抜け脳筋無鉄砲鈍感女装野郎が、女装なしでぼけっと立っていた。


ーーーーーーーーーーーーー


 なんかすごい失礼極まりないけど間違っていないようなことを言われた気がする。ミノさんは怒り心頭のようだ。って当たり前か。


「ごめん、ミノ。まっっじでごめん。深く反省してます」


「ア゙ァ゙?態度で示せってんだよバーーーカ!!」


「大変申し訳ございません。この通りです。ものすごく反省しております。もうしません」


 こういうときは土下座に限る。体育会系なら尚更だ。土下座こそ最強!…と言っても、今回は全面的に俺が悪いんだからこう謝るのが当然かもしれないんだけど。


「仕方ない。今週中に苦裏夢疎堕(クリームソーダ)を箱で買ってきたら許してやる」


 今週ってもう今日しかないんだけど?!てか鎌研も行かなきゃだめじゃん。あー終わった。やることが終わったらダッシュで酸覇(スーパー)に行ってからの鎌研かな?


「夜は酸覇ようよう軽くなりゆく財布は少し軽くて、苦裏夢疎堕のダースを重く引きずりたる…なーんて…」


「疲れ切った枕草子垂れ流したんじゃねえぞ。しかも真面目につまんねぇし」


 ミノ、怖いなぁ…優しいときと怖いときの差がありすぎて、ギャップ萌えとか言ってられないよ。


ーーーーーーーーーーーーー


「ありがとうございました。有料でカートの貸し出しがございますが、ご利用されますか?」


「あ、はい…おなしゃす…」


 苦裏夢疎堕の一リットルボトル十二本入り。帰りに鎌を取りに行くと思うと憂鬱で、ついカートで運んでしまう。


「はあ…エナドリ飲みたい」


「どしたの?明らか不健康なこと呟いて」


「ピギャッ!アスカ?!」


 けっこう情けない叫び声が出た。恥ずかしい。それはともかくとして、なんでこんなところにアスカが?


「んー、散歩?ほらぁ、最近太っちゃってぇ」


見透かされたのか顔に書いてあったのか。


「っていうかそういうのデブに殺されるんだぞ?」


 話しながら帰ったら鎌研のことをすっかり忘れてしまい、次の日に慌てて取りに行くことになるのをそのときの俺は知らなかった。

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