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死神って言ったって人気が命な仕事が無い訳じゃない。

雑で短いという残念セット。誤字報告など待ってます。

「ハーイ!皆さん今日も気合い入れて頑張っていくぞぉ〜!せーの、キャンディーと言ったら〜?」


『炭酸ジュース〜!!!!!』


 何この状況。俺、鬼たちの監督に来たんだよね?アイドルのライブ会場とかじゃないよね?


「チッ…あのゲロ甘モップぶりっ子女が…」


 そう。同じく監督役として、ミライとツヅリもここに来ていたのだ。あの二人、成り行きでバディになってしまったらしい。ご愁傷さま。


「それにしても、なんだよあれ。アイドルごっこって言うにはガチ過ぎるだろ」


「ミライが、こういうのは人気と好感度が命だからって。しかも、イラつくけど、上手くは行ってるの」


 なるほどなあ。確かにミライはああいうの好きそう。でも…いくら上手く行っているとはいえ、ツヅリがこれを止めてないのも不思議な話だ。

 彼女の周りをうろついて何かを期待しているような眼差しを向けているこの鬼たちの顔を見ればわかる。ツヅリも何かやっているのだ。


「あ、あの…ツヅリさん?もしかしてアンタ…」


「いい子にしてたかしら?珊瑚の宮のお魚さんたち?」


『してましたァァァァァ!!!』


 やってんな。ツヅリまでアイドルやってんじゃん。ミライは可愛い系で、ツヅリはクール系か?クール系にしては厨二だけど。


「はんっ、これじゃツンデレ系と元気系がいないじゃん。ねえ【トウカちゃん】?」


「トウカちゃ……?えぇ?」


「みーなさーーん!本日よりお世話になるっす!ミノリっす!おなしゃっす!」


 キャラ変したぁ?!語尾に態度になんなら声色まで。…トウカって多分俺の女装姿だよね。幸運にも俺はあの変身アイテムを持っているし、なんなら昨日解散したときにまたアスカからたくさん変身謎石をもらってしまった。

 よし、いっちょツンデレヒロインに変身するか!


「ドレスアップ・レベルアップ・テンションアップ!チェンジミラー!モード・ヒロイン!」


手鏡に謎石をセット。


「タイプ・ツンデレッ!」


 バラの花みたいな足場をジャンプ。なんか髪の毛の色も変わった気がする。ピンクかな。服はブレザー制服っぽい。もちろんスカートである。


「ハートマークがスペードに?!はじける恋心とトゲトゲ!ツンデレヒロインッ!」


 うーん。どストレート!!でもどうだ?俺、今ぐるぐるのピンクツインテしてると思うし、刺さる人には刺さる見た目になってんじゃない?!


「フンッ!アンタたちなんかに、か、構ってあげることなんて無いんだからねっ?!」


 普通なら鳥肌の立ち過ぎで鳥になりそうな気分になる言葉も、外見が美少女なら何も思わず吐けるものだ。表情筋もよく動く。

 こうして完璧なスタートダッシュを決めた俺たちは、その日の業務を難なく済ませることができた。

 しかしこれからはここに来る前に女装しなければならないのか。これはこれで大変だ。明日からも多分忙しいだろうし…


ーーーーーーーーーーーーー


「なあ、トウカちゃん、知ってるか?今日は神さまが来るんだってよ」


 この青鬼は、最近俺を単推ししてくれるようになったオタク鬼だ。気の良い奴なので俺も丁寧にファンサしている。


「へ、へー!そうなのね!し、知ってたし!…でも、ありがと…」


 知らなかったよ!!!てか神さま誰?!イザナギ系?!キリスト系?!イスラム系?!そもそも一神教?!多神教?!


「そんでさ、俺たち早上がりするんだ。お前も一緒に見に行かないか?」


 これは嬉しい。是非見てみたい。見ても目が潰れなきゃいいんだけど。おっと、ツンデレツンデレ。


「べっべべ別に?私が行きたい訳じゃないんだけどっ?!アンタたちがどーーしてもって言うなら!行ってあげても良いんだけど…」


最後だけはちょっとウジウジして、ホントは行きたい感を強調。我ながら素晴らしいツンデレっぷりだ。


ーーーーーーーーーーーーー


「おいおい、トウカちゃん。まさか本気で行くなんて思ってなかっただろ?」


 これはまずい。かなーりまずい。屈強な鬼たちに囲まれている。いつ男ですって言えば良いんだろう。

 一番やばいのは、この前話してたときに男の娘が一番の癖って言ってた鬼がいることだ。多分こいつにとっては、男ですと白状したところでご褒美だ。


「あ、アンタたち、そんなことをする奴だとは思ってなかったわよ!……あ」


 やべ。カツラ取れた。今日は調子に乗ってメイクとカツラで女装してきたのが仇になった。


「お、おいやめろ!こんなことしてタダで済むと思ってんのか?!おいってば!」


 残念ながら包丁を置いてきてしまっている。大大大ピンチ。しかもその男の娘大好き鬼さん、早くもこっちに手伸ばしてきてる。


「や、やめろっ!おいマジでやってんなオイ!!」


 ああああああヤバイヤバイヤバイ頭真っ白。逃げるに逃げれない。


「やめなさい」


 鈴を転がすような、それでいて芯の通った美しい声。それと同時に水色の扇が飛んだ。…って、え?


 そこにいたのは、男とも女ともつかない麗しい顔と、透き通った青い角を一本持った人っぽい見た目の何かだった。髪はみずらってやつだろうか。何だろう。すごい神々しい。

 え?神々しい…?もしかして…


「神さまって、もしかして貴方様だったりいたします…?」

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