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死神って言ったって無力感に浸るしか無い時間がない訳じゃない。

クソほどめちゃくちゃマジで遅れてすみませんでした!真夜中超えて朝超えて昼超えて夕方ッ!

結局三分の一くらいイツキ回なのでめんどかったら飛ばしてやってください。

イツキに残された選択肢は三つ。消えるか、耐えるか、防ぐかだ。範囲が広すぎて避けれないし、今更結界に入れてもらうのは、距離的に難しい。


(いや、ちょっと待て?ワンチャンあるぞ…)


まだ渡っていなかったテープボール。それに水晶をくっつけて、合わせて、球状にする。ここまでかかった時間は二秒。光がこちらへ届くまで、ギリギリだった。


結果は成功だ。水晶テープボール…の中の黒朝は天界のモノ。【崇光】は、そちら側に吸い込まれていったのだ。


(やっぱりだ!天界のやつに吸い込ませれば、それはただの回復になるから、あとは水晶に魔力を注ぎ続けて、復活できないようにすればいい!)


あとは、このままゆっくり後ろへ行き、結界に戻る。負けを認めずに足掻き続けても消えるだけ。それなら、今回は諦めて、後からもっと頑張って、リベンジしたほうがマシだ。


イツキはそう思って結界の中へと入った。それと同時に、テープボールは投げる。


「ビビリチキンはそっちじゃん。ちょこっと本気出しただけで、戻っちゃってさ…まぁいいや。…来たるいつの日か、僕たちは地界へ侵攻する!今回は、それを言うためにここへ来た!さ、帰ろ帰ろ」


不機嫌そうにしたかと思いきや言いたいことだけ大声で言って、さっさと帰っていく。


「いつの日かっていつなのじゃーーーー!もっとまともな使者よこせーー!」


ごもっともなツッコミが聞こえるが、今はそれどころじゃないほどにどうすれば良いかわからない。


(そう言えば、これクソほど目立つんじゃ…ってみんないねーじゃん!普通ああいう宣言ってたくさんいるところでやるよね?!てか俺ダッサ!!!)


頭を抱えながら悶えていると、メリザから同情の目が向けられた。


「言いたいことは山々だろうが、勘弁してくれ。余とて民の前で全力で結界を出し続けるのは疲れるのじゃ。わかるか?このプレッシャー」


「わかりませんよ……閻魔大王陛下のお気遣いを賜ったと思っておきます」


言ったあとにやべ、言い方崩れたと思ったが、このメリザもそれくらいで怒るタイプではないのでもう気にしない。


「やめるのじゃ。変に敬語を使われる方が嫌だ」


「お言葉ですが、陛下。流石に慣れないと主として舐められるのでは?」


そうは言っても流石にタメはいけないだろう。イツキの発言はクソほどマジでごもっともなのだが、このロリババアにそれが通じる訳なかった。


「余の実力と血に勝てるものがいるか?」


「いや、そういうわけでもないのですが…」


「なら良いのじゃ!大切な命令だけ聞いといてくれれば十分じゃ!」


やばいこの人アホなのかなとか主の自覚ないのかなとか意外に良いこと言ったかもしれないなとか色々考えていると、「帰るぞ」と言われて閻魔城に転移した。


ーーーーーーーーーーーーー


「メリザ、来ないなぁ…ボク、嫌われちゃったかなぁ…」


テーブルに突っ伏した彼に、露草色の髪をした女性が優しく歩み寄る。


「大丈夫ですよ。きっと、もうすぐお越しになりますから。ほら、立派な『(つの)』が折れてしまいますよ。ラズリ様」


半泣きで顔を上げたその姿は、人間と捉えるには整いすぎていた。巫女服を纏い、空色の髪をみずらに結い、前髪は編み込んでいる。

メリザが紅玉の瞳と言われるならこちらは紫水晶の瞳の持ち主だ。眉は太い麻呂眉なのに野暮ったさの欠片もないのは、長いまつ毛に縁取られた垂れ目と涙黒子のせいだろう。

だが、一番目を引くのは角だ。額の真ん中に生えたそれは一角獣のようで、色は神々しささえ感じる真珠色。隣にいた女性にも群青色の鹿のような角が生えているが、その神秘的な魅力も、彼の前では霞む。女にも男にも見えるが、どちらでもない。彼は神なのだから。


そのとき、シャンシャンと鈴の音がした。見てみれば、鳥かごの中に入ったくまのぬいぐるみがその音の主だった。


「どうしたの?マリン。メリザかな?」


ラズリに取り出された瞬間、ぬいぐるみに埋め込まれたアクアマリンの瞳がちかりと光り、マリンと呼ばれたくまは喋りだした。


「ラズリよ。すまない。急用ができてしまった。しかし、これがとても恐ろしいことなのじゃ。今から向かうから待っていてくれ」


聞き慣れた甘い声には、焦りと不安が混じっていた。


ーーーーーーーーーーーーー


「天国主が、ねぇ…」


ラズリは紅茶を啜って呟いた。紅茶は好きではないが、メリザのお土産ということでありがたく頂いているのだ。


「ああ。あそこまで大胆に出るとは思わなかったのじゃ。…三人、【崇光】の近くにいたものがいてな。そのうちの一人など直当たりで、今も消えるか否かを彷徨っておる」


メリザは癒知護(いちご)大福を齧ってそう零した。和菓子よりも洋菓子の方が好きではあるのだが、折角ラズリが用意してくれたものだし、天界の癒知護は地界の逝血誤(いちご)よりも甘くて柔らかいから、文句は言わずに食べているのだ。


「せめて、天国主に奪われた名があれば…」


「ヒントは近くにある、あやつはそう言っていたが…」


普段は自信満々のメリザさえも不安そうな顔で考えているので、元から少しネガティブだったラズリの目にはたちまち涙が浮かぶ。


「怖いよぉ…ボクどうすればいいのぉぉお!」


とうとう大粒の涙をボロボロ流してテーブルに勢いよく突っ伏したラズリ。

…テーブルが真っ二つに割れた。


ラズリの袴は紅茶でビショビショになり、メリザのジャンパースカートには大福の中身がベッタリついた。


というわけで、二人でギャン泣きしてそれぞれの側近に慰められながら、お茶会はお開きとなった。


ーーーーーーーーーーーーー


「お前ら、よく無事だったな」


「「無事じゃない。重症だわ」」


手当てだけされて薬もらって自分の足で帰ってくることができるのに、何が無事じゃないんだよ。こっちのことも考えてくれよ。そんな言葉をすんでのところで飲み込んだ。

ミノは【崇光】を大量に浴びて、今も助かるかどうかさえわからない。意識もないし、俺の将来もこれからどうなるのかわからない。バディがいないときは一人でやれば良いんだろうか。


「よっ、お前も災難だったな」


「やほやほ、トウマくん!」


この声は…


「よくいるニキのカツヒコさんと今回なんにもしてないニキのアスカ!」

今回は展開切り替えまくりでしたので、だいぶ読みにくかったと思います。

さて、ラズリちゃんのお名前ですが、ちょっと考えれば思いつくぐらいの低知能な謎なので、よければ考えてみてください。ヒントは色です。

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