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死神って言ったって絶望しない訳じゃない。

なんか今回、だるい回かも。展開がのろいっていうか…すんません。宿題に追い詰められてるんです。許してください。

水鉄砲の口から、月白が溢れる。以不輝はそれを、手の一振りで消した。


「ふーん。やっぱ、そんなもんなんだね」


「うるさい!まだこれからだ!」


(絶望的かもしれない。油断も隙もある相手だけど…その前に、俺、あいつのことが怖いんだし)


以不輝はくすくすと笑うと、黒朝を向かわせた。


「【凍結崩落アイスクラッシュ】!」


見るのも嫌なくらい気色悪かった黒朝が氷になって消えたのを見て、イツキは少し安心した。

次の瞬間だった。


「黒朝。今のコピーして」


透き通った、氷でできたクソキモ物体。見た目は違えど、紛れもなく黒朝だった。再生?そもそも消えてなかった?そんなことを考える間もなく、無口頭魔法、【凍結崩落アイスクラッシュ】が、イツキのもとへ飛んだ。


「【色は匂えど散りぬるを】」


相手の術を黒く朽ちさせ、花のように散らす魔法。まだ数回しか使っていないが、前回まで、少なくとも効果はあった。


(これで、一旦はしのげたか…?)


ホッとしかけたときだった。


激痛が走った。


わけもわからぬまま、自分の腹から垂れる真黒な液体を見ていた。血ではない、液状化した魔力を。氷が刺さっていた。それだけはわかった。視界が歪む。


「全然だめだったね。つまんないの。じゃーね」


以不輝の姿が、溶けていく。

憎たらしい笑顔を浮かべて。


(やば…意識が途切れ……………たら勝てねぇよ!二級死神の称号が泣くわ!)


「やる気!元気!負けん気!強気!」


キャラ崩壊だのダサいだの、知ったこっちゃない。とりあえず今は気持ちがあればいい。死神って言ったって無敵な訳じゃない。でも、それでいい。立て直せばいい。


「来いよ!サイコ皮被りチキンのイブキ!そんなもんとかつまんないとか散々言ってくれたなぁ!そんなに口にテープ貼って欲しいのか?!」


イブキは少し黙った後、にやりと笑った。


「貼れるもんなら貼ってみなよ」


もう一度出てくると、彼は黒朝を呼び出した。でも、もうイツキはそれをキモいとさえ思わない。というか、それどころじゃない。魔力は抑えない。勘とテンションに任せる。毎日のように図書館に籠もったから、魔法式も、魔法の効果も、特徴や効果の一つ一つも、使用魔力量も、頭と体が覚えている。それなら、気分次第でいい。ここまで来たら、色々考える方が愚かだ。


「【蛍花火・大輪】」


無数の光の粒が、生きているかのように黒朝を追う。邪魔はさせない。以不輝が出す障壁は、壊して躱せばいい。

そして、光が全て集まったとき、それは打ち上げ花火と化した。比喩ではない。蛍火が重なって、炎となって、黒朝ごと上に上がっていくのだ。


「もう一押しいっとくか。【微強星光圧スターライト】!」


イツキは気分がノッたので、『花火玉』をさらに上へと押し上げた。


「さぁ、開花だ。しっかり見とけよ、イブキ」


「調子乗らないでよ!!!」


足元から、針山のように棘が生えてくる。イツキはそれをせせら笑って、手の一振りで消した。


「やっぱお前も、そんなもんなんだな」


さっき言われたこととそっくりそのまま同じ言葉。それに爆発音が重なる。

鮮血色あかい火花が、そこら中に飛び散る。


「どうした?まさか、変わりがいないなんてこと無いよな?」


「いや。生憎僕の相棒は不滅なんでね。そっちこそ、まさか勝ったなんて思ってないよね?」


「さぁどうだか」


水鉄砲から、再び月白が溢れた。一番大きい残骸に一斉に向かった光は、さらにそれを押し潰した。


「不滅なら、封印すれば良いんだよ」


カッコつけてたらやられる…なんてこともあるかもしれないが、それは対策済み。ただバリアを張れば良いのだから。破られる直前に張り直せば、重ねすぎて弱くなることもない。当たり前のことだった。


「さて、ここで選択肢を二つ」


「どっちが消えるか?」


以不輝に、完全な消滅は無い。何か諦めたような、開き直ったような顔で聞いた。


「超不正解。…苦羅負執クラフトテープか、火煮留ビニールテープ、どっちが良いかだ!」


「は?」


「苦蘿負執テープは何があっても執着パワーでくっついてくる粘着タイプ、火煮留テープは熱で溶かしながらくっついてくる激アツタイプだ。苦蘿負執テープのメリットは…」


「もういい!苦蘿負執テープで!」


混乱の極みに追いやられ、以不輝はヤケクソで答えたが…それが仇となった。

普通のクラフトテープやビニールテープは、非常にベトベトしているのが特徴。そして苦蘿負執テープはさらに粘着力マシマシで、地界製商品だから、さらに悪質になっている。


なんと、なんと、どう頑張っても剥がれない。


火煮留テープの場合、ぬるま湯につけてから雷系の魔法をかけまくるとベトベトまでとれるのだが、この苦蘿負執テープは生き物ではないくせに自我(?)はあるバケモノなので、永遠にくっついてくるのだ。

時間を戻そうとしてもその執着は凄まじく、一年後にテープミイラになる呪いがかかってしまう。呪いを解くには、一年間毎日イルミネーションを見ながら、苦蘿負執テープへ向けての愛を語らなくてはならない。さらにそれを実行しても、全身に『苦蘿負執テープ愛』というタトゥーを刻む羽目になるオマケ付き。

とても恐ろしく、今は白いくちばしマークのお店でしか変えない商品だ。買うのにも、『悪戯の天才☆しょ〜め〜しょ』、または『地界危険魔道具等処理資格』が必要な危険物。ちなみにイツキは後者である。


「じゃあ、これで、『黒朝INテープボール』を作ることにするよ。ちなみに、伝説の刃なんてちゃちな物じゃ切れないからな」


「チーズINハンバーグみたいなイントネーションやめて!もう帰る!イツキなんか変だよ!キモい!不気味だよ!」


「…流石の減らず口だな。地雷だわ。ほら、お土産。転売禁止な!」


いつの間にやら魔法でテープボールを作って、無駄に爽やかな笑顔でそれを手渡すイツキ。そう、これを戦略的ツンデレ名演技と言う。ちなみにこれのインパクトを強くするためだけに、魔法少女アニメのように、隈を消して顔色を多少良くする魔法を素早くかけた。これこそ、丁寧な嫌がらせである。

それに対し、顔を引き攣らせながらも、なぜか以不輝は余裕を見せた。


「…転売する前に、イツキが終わるから大丈夫。じゃ、僕帰るから」


ここでイツキは、自分が忘れていた最も大切なことに気がつく。死神の、絶対的な弱点、『崇光』を、イブキは使えることに。


(そうじゃないか。結局、天界にいるやつは天国主以外全員天使なんだから、あの着ぐるみを脱いだってだめじゃないか。あーやばい。調子乗ってテープボールとか作ってた時間巻き戻したい…)


一見は神々しい光。それが今、毒となってイツキに襲いかかった。

はい、唐突な胸糞で終わりました()

なんだかんだイツキ回二連チャン。三連チャンはしないように頑張ります。ちなみに、メリザがロリババアならイツキはショタジジイだと思います。テープのネタ、自分では頑張ったつもりです。このまま過去回でまたもう一話使うとかはしないから安心してください。次は頑張ります。多分おそらくきっと。

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