死神って言ったって普通なやつが一人もいない訳じゃない。
こんばんは。やっと書き終わりました…
前の話の共魂記述法なんですけど、理科の上方置換法みたいでカッコいいなってノリでつけたんですよね…というか前回の魔法、大体ネタのような気がする…
今回も楽しんでいただけたら嬉しいです!
俺たちは、地界の役所へと来ていた。
「職業名死神。元亡者、志賀実藤真。三級昇格です。おめでとうございます」
「あざす…」
素っ気ない!つらい!ぴえん!
「ミノ…アスカ…受付の人が素っ気ない…気まずすぎて泣きそう…うるさいのが恋しくなる…」
「しょーがないよ。あれはガワなんだから。ほら、接客ロボットってあるでしょ?あれみたいに人間の見た目に雰囲気で人外パーツつけて疑似の魂をつっこんで出来上がり。調教された対応しかしないから当然だよ」
接客ロボとの共通点とか雰囲気とか調教とか何を言いたいのか全くわからないが、わかったことにしておこう。
「あとはうるさいのが恋しいんだね!いいよ!
もしかしてそんなこともわかんないのー?
ざーこ、ざーこ!義務教育の敗北者ー!」
…俺が頼んだのは事実だけどさ。ミノにラリアットかけてもいいかな?いいよね?いや、炎上不可避?いやいやいや…
「申請、終わった…死ぬってあれは…」
お、来たか!知り合いと書いてコミュ障よ!!
知らない人と話すだけで噛みまくって挙動不審になる生粋のコミュニケーション下手!自ら表情を険しくして元々の隈とツリ目をさらに酷くさせる威圧感の塊!
「おい。今お前死ぬほど失礼なこと考えてただろ」
肩に手を置かれたと思ったら凄み100%の声がした。死神の体の構造なんてわかったもんじゃないが、今の俺からは絶対冷や汗が出てると思う。
イツキはもちろん、これまで色々な人に向かって失礼極まりないことを考えていたが、彼は何が起きるかわからないという点で一番怖い。例えばミノなら格闘技の技をかけてくるだろう。閻魔大王ならおそらくあのバットが飛んでくるだろう。アスカは…うーん、あんまり怒んないもんなぁ…
ともかく、イツキに対しても、実験を手伝わされるかもしれないなと見当はつく。それでも彼には、他とは一味違う不気味さが…あれ?これもすごく失礼だな。
「…なぁお前、読心術って知ってるか?」
ギクリ!
「さ、さぁ……?あれだろ?心を読むぞ!的な…」
「地界の読心術は本当に心を読むからな。
…そこだけ、覚えておいてくれ」
え?え?地雷踏んだ!?
「ごめんイツキ!!悪気はない!どこらへんが嫌だった!?」
「…」
かけ寄って聞いてみようとしたが、彼は沈黙を破らなかった。まずいぞこれは。
「もー、イツキ、そんなに機嫌悪くしないでよー。二級になったらさ、僕とバディなってくれるんでしょ!ね?」
アスカが、空気を読んでくれたのかノリなのか知らないが、彼に話しかけてくれたので死ぬほど助かった。気まずいの解消。さて。イツキのキャラ崩壊が楽しみだな…
『二級死神、白羽明澄架、三級死神、志賀実藤真に通達します。ただちにデスストリート西門前へ向かってください。繰り返します。白羽明澄架と志賀実藤真はただちにデスストリート西門前へと向かってください』
オ、オヨビダシ。お呼び出しと言えば、基本全てに対して終わりの象徴だ。いや、アスカもいるし大丈夫か?いやでもな…
「トウマくん、大丈夫だよー!これね、新しい死神が来たときに、最初の指導役的な感じで呼ばれるやつだから」
「えっ、あ、そうなんだ…よかった…じゃあ行ってみる方がいいよな?」
「うんうん!さ!走るぞー!」
「ちょっと待て!デスストリートってどこだよ!置いてくなー!!」
嵐のような勢いで去っていった二人を見ながら、残されたミノとイツキは呟き合う。
「あの人たち、絶対主人公タイプだよね…」
「ああ。アスカは月刊誌の少年漫画系、トウマはラノベのコミカライズ系だな…」
「そうそう…ってイツキ、漫画読むんだ!?」
「人並みには…」
ーーーーーーーーーーーーー
「はぁ、はぁ…アスカ、速いって…」
俺は息を切らしながらなんとかアスカに追いついた。アスカ、足速いし力強いのにこんなに細いとか、やばいやつやん。絶対なんかあるよ。
「身体強化常にかけてたらこんくらいなるよ〜」
また読心術?!?!
身体強化…しよっかな。魔力地味に使うけど。
「あ、あれじゃないかな?」
アスカの指差す先に、人影が見えた。彼がさらに加速するものだから、俺は焦って躓きかける。初っ端からかなりダサいが、これは不慮の事故ということで。
「おまたせー!君が新入りさんで合ってるかな?」
「あ、あぁ。そうですね。あたしが新死神で間違いないです」
クリーム色の髪を三つ編みにして、薔薇の飾りをつけた少女。同年代か、少し年上くらいか。少なくとも俺じゃこんなに早く話しかけられないから、アスカがいて良かった。
「良かった!僕はアスカ。こっちはトウマくんでーす!」
「…露無 綴です。よろしくお願いします。アスカさん、トウマさん」
な、なんか、敬称つきで呼ばれるとムズムズする…ミノがうつったか?それはアスカも同じらしく、「もー、さん付けなんてやめてよー!気軽に話そ!」と言ったので、ツヅリは少し軽い口調で話すようになった。
初任務への付き添いが命じられてしまったので、エレベーターへ向かいながら話す。なんでも、最近少し人手(死神手か?)が足りないらしい。
「あたし、死んでからこうなるって思わなかったんだけど…二人はこの、なんていうか、ちょっと幸せそうなっていうか、充実した地獄…あ、地界を見て、最初はどう思ったの?」
そんなん俺も聞きたい…ストレートでいっか。
「驚きすぎて地獄ってなんだっけって思ったな。俺も新入りに近いから、偉そうなことは言えないけどさ」
「…僕も、こんなに不自由なく地界ライフ過ごしていいの?って思ったなー。悪人判定されて地獄みたいなとこに来るんだよね?あれ?って一回疑うの、すごいわかるよ」
「だよね…なんか、テキスト買うために本屋に行った…まぁ、本屋がある事自体驚きなんだけど、そのときにレジにいた鬼の店員さん、すごいニコニコしてて、レジ打ちも速いし、すごいな〜って。定食屋のオークさんも気前いいわバイトさせてくれるわで優しいし。雑貨屋のゴブリンさんは全然ずる賢くないし。なにこの優しい世界って感じ」
「「わかるわぁ〜」」
エレベーターに着いてから、俺は少し期待でワクワクしている。何をって?決まってる。ツヅリがエレベーターの発券機に嫌われるかもしれないってことだ!
『ウィーン、ガシャッガシャッ、ピーッ』
………
「これでいいの?」
「うんうん、ばっちり!」
…発券、おめでとう。
「あ、ほら、ここじゃない?今日はふつーに悪い人だね!」
「ほんとだ。じゃあ行ってきまーす」
ツヅリはさっさと侵入する。
「え、あ、一人で行くタイプ?」
思わず声が出る。ここでヤバくなったら俺らの責任だしね。
「大丈夫大丈夫。あたしだって試験合格した身なんだから。…下手すると逆に巻き込まれるよ」
き、強キャラ感…
ツヅリは何も言わずに片手で三連撃すると、魂を掴んだ。それはほんの一瞬で、簡単な作業みたいに行われた。でも、同じ死神の立場から言わせてもらう。
…あの鎌、10キロ弱の重さあるからな?!
そんで、ツヅリはまだ素人のはずだからな?!
アスカやミノですら両手持ちだからな?!
「すごいすごい!!ツヅリちゃんめっちゃ魂取るの早いね!僕も片手持ちでここまではできないよ!」
アスカはパチパチと拍手しながら飛び跳ねて喜んでいる。一見すればゲームの萌えキャラ並みに可愛いのだが、一応言っておこう。
彼は、おそらく中学生から高校生の、男である。精神年齢なら、ワンチャン二十代を超えているのである。
「あ…魂、バリア無理なら早く持っていったほうがいいと思うぞ…」
ドン引きと脳内ツッコミにより、一人で疲れた俺は、ツヅリにアドバイスにも入らない助言をしておいた。
「あ、イツキからテレパシー来た!申請通ったから二級になるってー」
脳内会話、念話、テレパシーなどと呼ばれるこの術には、正式な名前がついていない。
「なんの申請?」
「新しい魔法だよ!魂を狩る魔法!!」
「魔法式、ある?」
「うんうん!あるよー!はいどーぞ」
「ありがとう……なにこのめちゃくちゃな構成…でも、成立してる。なるほどね。うん。めっちゃ新しいけど…できる。すごい!」
ツヅリはブツブツ呟き始めた。その姿がイツキと重なって見える。
「これを作った人に会いたい!話したい!!まだ進化できるよ!!これ!」
こいつも、変なやつだったのか。はぁ…
タイトルを裏切る変人ぶり…というほどでもない気もしますが、ツヅリも変人でしたね!文章ぐちゃぐちゃだったらごめんなさい。
誤字報告、感想待ってます。読んでくれてありがとうございました!




