1-5 合格
無機質な階段の裏を見ながら
石の階段を降りる。
大体会社4階分は降りたころ
ナオは全く疲れている様子がない、
部屋に出る
まず目につくのは
部屋の端に置いてある装備
いや、装備と一緒に置いてあった
自分に似合いそうな女装服だった。
そこは地下と言うには広く分厚く重く
天井も体育館ぐらいある
そこの中には自分以外は四人しかいなかった
「試験を受けるのは四人だけか、ふん少ないな」
傲慢そうな女性が鮮やかな赤い鎧を
鳴らしながら目の前に立つ
「私が試験官の連鎖のレダン冒険者ランクはA
私に甘さは無いぞ!全員一度に面倒見てやる」
(喋りにくい空気だでも言わなきゃだ)
「すいません、試験管
オイガーさんの名を
言えと言われてきました。」
「ほう貴様がか、変わらん全員一度に来い
そこに置いてある装備を使いたいやつは使え」
(え、あの服着てもいいのかな)
ナオは服に飛びつき手に取ったその時
「服じゃなく、装備を取れと言ったんだ」
「すいません。」
一通り見て、自分の装備では持っていなかった
胴回りの装備を取る。
その装備を体につけると、
紫色のモヤが出て体に合う様に伸縮する。
「スゴイ。」
「決まった様だな!」
レダンは大槍を取り出し、一振りして暴風を作り
戦闘体制を取る
「まずは俺からだ!」
盾を持った太り気味男が突っ込む、まるで肉団子
槍の一振りで、盾を切り裂き吹き飛ばされる
残りは三人
一人はフードを目元まで被った女性
二人目は騎士装備の男
「一人ずつ行くな!」
騎士装備の男が声を上げる
「相手は一人三人で協力すれば倒せる!
指揮は俺が、コルナが取る!」
「ハイお願いします」
「ウン協力する。」
即興でも協力する方が最善だと思い
コルナ、フード、ナオ
は戦闘体制を取る
コルナは右手に盾を
左手に片手杖を持つ
フードはレイピアを抜き
体の前に構える
ナオは腰に装備していた
短剣逆手で持つ
「近接武器は前に行って俺は少し魔法が使える
隙を作るから少し時間を稼いでくれ」
「キミは魂使える?」
「え、魂衣だけなら」
「十分」
ナオはもう一度
テレスさんとの訓練を思い出して
「魂衣!」
「了解」
「わかりました」
その瞬間、脳に映像が流れる
目の前から槍で貫かれる、
映像の直後にナオは
体を捻りつつ飛んで槍を避け、
上から相手を斬りつける
が槍の柄で防がれ、
柄で殴られ吹き飛ばされる
フードは
横からレイピアで顔を狙い貫く
それを読まれていたのか、
顔を少し引くだけで避けられ
足で蹴られて飛ばされる
「ほういいじゃ無いか即興の連携にしては」
「あと少しだけ耐えてくれ」
「…そんなに強い魔法なら見てみたいが、
試験だからな!貴様からだ!」
レダンは大槍を指揮男に投げつける
「届く!そこだったら届く!」
コルナの体を貫く寸前でナオは大槍を短剣で弾く
魂で強化されていたナオは
吹き飛ばされた時から力を溜めて
すぐ未来を見て相手の、槍の狙いを見抜いていた
(強い!でもテレスさんの攻撃と比べれば)
「助かった」
「まだだ!」
ナオは弾いた槍を持ち
全身の魂が消えていき
大槍に集中して、もう一度魂衣を纏うと
大槍が眩く光り始めた
「テレスさんの時ほどは出てないけど」
「他人の武器に魂衣が出来るか。」
(キミ合わしてくれ!)
頭の中に声が聞こえてくる
(槍に魔法をぶつけるそれで倒せるはずだ)
ナオは無言で頷き
槍を持ち上げ、足を大きく開き、息を整えて
投げる!
(今だ!)
大槍は空中を一閃の光になり飛ぶ、
後ろから追う炎の塊が槍に触れた時、
槍をまるで弾丸の様に吹き飛ばす、
速度も威力もより加速されて、
空間すら貫く槍と成る。
「これは!ッ無理だ全開で防御しか出来ない!」
腕を体の前で組み腰を落とす
その姿勢で魂が腕から吹き出す
槍が赤い魂の内に入り、轟音が鳴る
腕で受けていたレダンだが
あまりの威力に体が受けきれず
壁まで押されていた、
槍の威力が落ちてきたことで、
上に弾くことが出来て、
壁に槍が深々と刺さる。
煙の中からヨロヨロとレダンが出てくる
その瞬間レダンの首筋に
レイピアが突き付けられる
「もういい全員合格だ、
だから武器を納めろ"二人とも"」
武器は二つあった一つ目は
煙に隠れて狙っていたフードと
槍を投げた直後から走り、
飛び込んで今首に突きつけているナオ
「ハイ…分かりました」
足から力が抜けて床に座り込む
「やっと終わったんですね。」
「もう何もしたくない」
二人も床に顔を付けて倒れていた
「全員疲労しているな、まあ私もだがな」
少しすると
二人の方から寝息の様な音が聞こえる
「フー…ナオ貴様はまだ余裕そうだな
そっちに転がっている女を抱えて来い」
「え、僕も疲れてるんですけど」
ナオは渋々フードの女性を抱えようとした時
「抱えなくて大丈夫。」
驚く気力もないのか淡々と話す
「起きてたんですかフードさん」
「…アンナ・ピアース私の名前、
フードでもいいけど」
フードを取り、長い金髪と金色の眼が露わになる
綺麗だけど何かに違和感を覚えた
アンナが立とうと手をつこうとすると
力が入らず、頭から床に突っ込む
ガツッと鈍い音がした。
「アンナさん肩貸しますよ」
「…ありがとう」
階段を登り、重い扉を開ける
そこには大勢の冒険者が、
称賛の音が鳴り響いていた
「お嬢ちゃん達すげーな」
「レダンを倒すなんて、あのAランクだぞ」
前にいたレダンさんがキレて周りの冒険者に
担いでいたコルナを投げつける
「黙れ!合格者の三人だ一人は実力不足」
来た時案内してくれた
耳の長い群青色パッツンの受付嬢が出てきて、
「レダンさん!まずは怪我の治療から、
あっ鈴木ナオさん合格したんですね、
おめでとうございます。」
純粋な目で笑いかけてくれた
その笑顔に心の中の中年サラリーマンが
照れていた。
バトルシーンにかなり時間使いました
投稿ペースを早くする努力中です。
今回も読んでいただきありがとうございます。
投稿ペースは遅いですが、
楽しみに待っていただけたら幸いです。