8話 綺麗な花はアレだが漢は偉大
急いで投稿!
あの後、俺は何回かに分けてこの最強下僕君に指示を伝えた。
まとめると
倒すのはいいけど、素材が欲しい、部位だけは残してね!
っというものである。
その後、指示を理解してくれたようで牙だけを綺麗に残して倒してくれた。
その光景はウルフの牙以外が消えていき、トサっと落ちた牙だけがそこにウルフが居たと証明する唯一の手掛かりの様で、恐怖こそ無くなったが何とも奇妙な光景であった。
毛皮とかも欲しかったけど、それはどうやら無理な相談であったようだ
「ゴブゴブ」
っと首を振る姿に、ちょっと残念に思った俺は牙だけでも多く持ち帰ろうとして、現在七本目の牙を拾い上げた。
「こんなもんでいいかな~」
俺は牙を皮袋に入れるとどこかすっきりした顔の下僕君に“帰るよ”と指示を出した。
此奴といて分かったことがある。
1つ、あの力は結構緻密に操作できてるっぽい、使う際には腕を向ける必要があるようだ。
2つ、此奴はこの力以外に特に能力があるわけでもなさそう
3つ、ある程度俺の指示で動いてくれる、友好契約じゃなかったはずだが、まぁ良しとする。
4つ、この力が無くても身体能力が結構高い
今わかることはこんなところだろう・・・
うちの下僕君超優秀~♪
これ俺の天下きたよ!無双できちゃうよ!モッテモテ来ちゃうかも!
にやけた顔をした友人を横目にゴブリンはとても穏やかな達成感を得られていた。
友人と共に成し遂げ、友人のために力を使っている、この事が今まで生きてきた時間を忘れてしまうのではと言うほどに充実していた。
「ゴブ♪」
つられて自分も笑った・・・
笑顔の1人と1匹は森を後にし、王都のギルドへと向かうのであった。
「あら~♪いっぱいじゃない!すごいわ♪」
提出したウルフの牙に、ゴライアスさんが声を上げる。
「コイツが頑張ってくれたんですよ」
「ゴブ!」
元気に声をはるゴブにゴライアスさんは、うんうんと頷く。
「これなら大丈夫そうね!はい、報酬と追加の分ね♪」
牙と引き換えにオージャーは報酬2100Gを受け取った。
「あ、ありがとうございます!」
薬草採取の時よりも多い報酬に笑顔がこぼれる、今日は豪勢に行こうじゃないか!
そう思い俺はギルドを出ようとカウンターから引き返すと
「おう!新人!頑張ってるか~!」
こ、この声は!!!
入り口付近から聞こえた声に俺は、はっとした
そこにはイカツイ風貌ながらもその優しさがオーラとして出ているその人に声を掛けた
「アニキ!」
「ア、アニキ?・・・まぁいいや、見るに依頼はこなせてる様だな?どうだ?」
アニキのまぶしい笑顔に俺は横にいるゴブを紹介することにした。
「俺ゴブリンテイマーってのになったんです!そんで今は此奴と一緒に頑張ってます!今日もウルフを七匹も狩って来たんです!」
「ゴブッ!」
アニキはゴブをじっと見つめてた、え?何ですか?まさか!ゴブリンがお嫌い?
「ゴブリンテイマー?初めて聞いたな・・・それに、これは・・・なんだ?見たことねぇ種類だな・・・」
アニキは真剣な、射貫くような眼差しでゴブを見ていた。
ゴブは何か反応するわけでもなくただアニキを見つめ返していた
「まぁいいや!やっていけそうなら問題ねぇ!これからも期待してるぜ!」
俺とゴブにまた眩しい笑顔を向けてくれるアニキに俺がキュンキュンしていると
「ねぇ、バリー何してんの?・・・え?ゴブリン?」
若い女性の声が聞こえた、アニキの後ろから
正式には入口から入ってきたのは2人の女性だった。
1人は鮮やかな赤い髪をポニーテールでまとめた少し気の強そうな顔をした少女だった。
体格は細身で服装は軽装だが所々にプレートをして、腰にはロングソードを吊るしていた。
もう一人は金色の髪を肩まで伸ばした清楚で物静かそうな少女、服装はローブで体を覆った姿をした少女。
手には杖を握っており、そしてそれ以上に目を引く彼女の耳
それは少し尖り大きい物であり、彼女がエルフであるしょうめいであった。
「きったない!なんでこんなところにいるのよ!」
甲高く声を上げたのは赤い髪の少女であり、先ほどの声は彼女であった
「マジであり得ない!なんで誰も気にしないのよ!シスもそう思うでしょ?」
シスと呼ばれたエルフの少女はゆっくりと答えた
「うん、不潔」
え?何この人たち・・・失礼過ぎない?
俺が呆けているとアニキが声を荒げた
「ルト!シス!お前ら酷いぞ!此奴は新人でゴブリンテイマーっていうジョブだ!テイムした魔物が居ても不思議じゃないだろ!」
アニキ俺のために・・・
「っ・・・ちょっとあんた!」
急にこっちに話をふってきた・・・やだなぁ・・・
「ゴブリンテイマーだか何だか知らないけど、私たちの前には顔出さないで!不愉快なのよ!!」
一気に叫び終わるとルトと呼ばれた少女は俺たちの横を通り過ぎていった
それに続きシスと呼ばれたエルフも後に続く、すれ違いざまに
「不潔、消えて・・・」
っとボソッと言われた・・・
俺が呆けていると、アニキがバツの悪そうな顔で
「すまねぇな・・・あいつら実力はあるんだがやや傲慢で、自己中心っていうかな・・・」
はっ!アニキが困っていらっしゃる!確かにあいつらはムカつくがアニキにこんな状態になってほしくないのだ!
俺はゴブに目線を落とす、気にもしないという雰囲気である・・・そう見えるだけか?
まぁいい、俺はぎこちない笑顔で
「大丈夫ですよ、気になんてしてないです!」
と答えて見せた。
キャラがこっから増えてくる予定ですね~
ストーリーも進展させていきたいと思っています。
お読みいただき光栄です・・・
果たして本当に読んでくれている人がいるのか・・・唐突に描き始めたものですが、気になってくる所存です・・・
何が言いたいかって言うと、酷評でもいいので評価が欲しいって話です、はい。