2話 ゴブリン・エンカウント
描いてたら長くなってしまいました。
やっとゴブリン出てきます。
俺は今、王都から少しはなれた所にある森に来ています。
あの後
「ま、まぁ、まずはゴブリンをテイムしないと!そこからだって遅くはないわよ!オージャー君♪」
と言いついでに薬草採取のクエストを進められた俺は今ここにいる。
ってか遅くないってなんだよ、若干やめる前提で話をしているのがムカつく
すでに依頼分の薬草を採取した俺は、新しい皮の防具と腰にある普通の剣にしてはやや短いが俺のサイズに合う剣をみる。
これは俺が泣きながら薬草採取に向かうためギルドを出ようとした際に、なぜか入口から入ってきたアニキから貰ったものだ。
曰く
「新人に武器防具を送るのは俺の趣味だ!お前をみてこれがいいなと思い買ってきたんだ」
と満面の笑みでプレゼントをしてくれたアニキに俺は一生の忠誠を誓おうと考えている。
アニキも俺が泣いているのを見て少しびっくりはしていたが、ここで弱音を見せればアニキに落胆されと思い、派手に足の小指をぶつけたと苦しい言い訳をして来たのである。
結局一度も振るうことがなかった剣を見ながらやや残念に思い王都へ帰ろうとしたとき、自分の背後の茂みからトサッと何かが落ちるような音がした。
とっさに剣を抜こうとするが慣れていなかった為かうまく抜けず、ゆっくりと抜いた。
しばらく剣を構えるが特に何の反応も無し…
ゆっくりと茂みに近づき覗くと、大怪我と一瞬で見て取れる傷をおったゴブリンを見た。
真っ先に思ったのは2つ
此奴ずっとこの近くにいたのか?そして、此奴にこんな傷をつける生き物が近くにいるのか?
そう考えてからの行動は我ながら早かったっと思う。
逃げよう
わき目も降らず周りに警戒しながら一気に逃げようそう思った。
振り返り一歩を踏み出した時
「ゴブッ…」
それは、ゴブリンの鳴き声にしてはあまりにも弱々しく、生き物が死ぬ前に出す最後の声に聞こえた。
そしてそれが嫌に耳に残り俺の逃走のための二歩目を止めた。
その時なんでそうしたのかはよく分からないし、こんな近くに敵意むき出しかもしれない生き物がいるかもしれない状況であったが俺は「なんとなく」というという変な衝動にかられた。
結果として俺は今このどこぞの誰かからやられたゴブリンを抱えて走っている。
走りながら
(もしかしたら、冒険者から逃げてきた)
と一瞬思ったが、なぜかはわからないがそれは違う気がすると今にも消えてしまいそうな息遣いのゴブリンを見て思う。
……
………
森の入口まで走った俺の大量は弱々しい息をしているこのゴブリンとは正反対レベルで息も絶え絶えである。
とりあえず、もう大丈夫であろうと願いを込めつつもゴブリンを地面に横たわられる。
傷は大きいだがゴブリンの命はまだ尽きる様子は無いようだ、さすがゴブリン!その意地汚いまでの生命力に感心する。
此奴を見ていると案外ゴブリンもタフなんじゃね?いけんじぇね?とっと思っていた時思いつく…
今ならテイム出来るかも…
テイムには大きく分けて二種類の方法がある。
まず、友好型
これはテイムしたい生き物と心を通わす事で信頼の下で行う方法。
そしてもう一つが隷属型
テイムしたい生き物を力でねじ伏せ一方的に行う方法である。
この二種の違いはテイム後の行動である。
前者は一緒に戦う際などで自立し行動を行う。
後者はテイマー側からの、命令、で行動を行う。
後者も自我が無いわけではないが一方的に契約してきたやつのためになぜ動かなければいけないのか、という心理である。
そして、今回俺が行うのは後者だ。
まぁ前者だとしてもゴブリン…所謂、魔物という生き物は意思疎通がとり辛く前者での方法があまり出来ないのである。まぁ中には人の言葉を理解し話す魔物もいるそうだが、そんな化け物クラスの魔物などそうそう居てたまるかという話である。
そんな事を思いつつ俺はまだ息のあるゴブリンの額に手を置こうとして気づく
「なんか頭に丸い…石?宝石か?なんかくっついてんな~・・・」
まあいいか、そう思い俺は気にせずゴブリンの額に手を置き
「我汝の主にて共に歩むものなり」
そう俺が言い終わるとゴブリンに光がともり、俺の手の甲に黒い二重丸が出来た。
「よし!完了!あとは・・・いきなり死なれるのもあれだし・・・まぁちょっと多めにとったのもあるしな」
俺は採取した薬草をゴブリンの傷に塗り込んだ。
(ゴブリンの生命力ならいけるかな?まぁ最悪ダメでも次のゴブリンを探せばいいや)
とてつもなく楽観的に思っていると、目の前で目を疑うことが起きた。傷が塞がり始めたのだ。
傷自体が消えるわけではなく、傷口から見えていた赤い体の内側が見えなくなり古傷のような様子で傷がふさがった…
しばらく呆けていると
「ゴブッ」
と先ほどより生気のある声を出しゴブリンが目を覚ました。
ゴブリンは体を少し起こすと自分の傷をじっと見て、そして俺に視線を移す。
「ゴブッ!」
お礼なのか先ほどよりもやや強めな声を出したゴブリンを見つつ俺は
(なんかわからんがいい拾い物をした気がする・・・テイムしたんだ・・・なら此奴は俺の下僕にでもしよう)
っと根暗来るものなのか、テ
イマーとして悪い方だと思える思考をしつつ、粘っこい笑顔で性根の腐りきった考えをしたのであった。
もうすでに誰かに読まれている事実にびっくりし
すでにしてしまった、誤字を見られてしまったという事実に悶々とするこの頃
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次は、ゴブリン視点でのお話をしたいと思います。どんなゴブリンなんですかね~(適当)




