16話 宴の開幕
いまさらながら「王国」と「王都」の違いがはっきりしてきました
多分この話通してごっちゃになってますね~すみません
軽い気持ちで読んでください
その日の朝は町の雰囲気がいつもより明るかった。
俺らが宿屋を出ると朝だというのに、多くの人が町を歩いていた
あるものは花を売りながら歌い
あるものは道端で大道芸を
あるものは露店を開き客を招いていた
建国祭初日
すでにこの国は朝から祭ムード一色であった
「凄いなこの活気・・・いつも賑わってると思っていたが、比べもんにならん」
「ゴブ!」
俺と同じ感想だったのか、朝一の下僕君もいい返事をいい返事を返してくれた。
ギルドへと到着した俺らはいつも以上にバカ騒ぎをするギルド内に少し気圧された
「おぉ!オージャーじゃねぇか!今日は飲むぞ~!」
朝っぱらからジョッキを片手に声を掛けてくれたのはアニキであった
もうすっかり出来上がってるのか、やや顔が赤い
「げ、ゴブリン」
声の方を見るとそこにはルトとシスがいた
「なんでこんなめでたい日の朝っぱらからゴブリンなんて見ないといけないのよ~!あ~あ最悪」
「同意、不愉快」
こ、こいつら・・・
とりあえず今日は祭だ、こんなのに関わってたらこっちまで萎える
俺も適当な席に着く周りからは
「オージャーおはよ~」「ゴブちんおは~」など明るい声が聞こえて来た。
俺も一杯いただこうかと注文をしようとすると、目の前に二つジョッキがおかれた
見上げるとゴライアスさんがパチッとウィンクをして
「これはサービス♪」
と言い去っていった
俺は1つのジョッキをゴブに手渡す、俺は下僕にも分け隔てなく接する聖人なのです
カコンっと音をならし乾杯をした俺たちはジョッキの中身を一気に飲み干した
「うま~♪」
「ゴブ~♪」
俺たちの声はハモり、周りからは笑いが生まれた
いいねぇ建国祭最高!
朝からそう思える日だった。
ここは王都の中心にある城
その王の間である。
「ハハハ!めでたい日!いいぞ!祭の熱気がここからでも感じ取れるわ!!!」
大声で嬉しそうに笑うこの筋肉隆々とした男こそこの国の国王
カンジール王その人である。
「大臣よ!パレードの準備はどうなっている」
「はっ!西側から順に巡り日暮れまでには城へと戻ってこれる手はずになっています。夜には城から魔法弾を打ち上げ照らす算段となっております。」
「派手でよろしいな!祭はこうでなくては!お前らもそう思うであろう!」
「ええ父上この国の繁栄を象徴するにふさわしい試みかと!」
「美しい城を国民に見ていただく事が、国全土の一体感を感じられるものになるといいです」
答えるのは細身で整った顔立ち、精錬という言葉が当てはまるような青年
この国の第一王子ラウル
もう一人はこちらも整った容姿に細く美しい姿、慈愛という言葉が似合いそうな少女
第一王女リーン
2人の子の答えに満足いったのかまたも豪快に笑うカンジール
「ハハハ!子の成長は不意に感じるものだな、嬉しいものだ!亡き妻にもこの場を見せてやりたかったものだ・・・」
少ししんみりした空気がその場に漂った、しかしそれを自らかき消し叫んだ
「この歓声が天まで届くよう!この建国祭を盛り上げていこうではないか!」
「ええ!」
「はい!」
子らの力ある答え、この場にいる臣下たちの暖かな眼差し
カンジールは心の底から感謝を送っていた。
「では、その亡き妻に己が醜態を晒すがよい」
しがれた声が王の間に不気味に響いた
その声を合図としてか異変は王都全土で起こった
王都の至る所から黒い閃光が空へ延びる
それを見た民衆は最初、何かの余興かと見ていたが直ぐに違うことに気付く
その閃光の中から生まれた大量のそれを見たとき歓声は悲鳴へと変わった
閃光より現れ王都に落とされたそれは、この場にいる生者とは真逆の存在
死者、動く死者
アンデットの軍勢であった
【サモンアンデット】
それがこの王都で同時に4つ使用された。
しがれた声は告げた
「カンジールよ・・・終わりの開幕だ」
初めての感想をもらえ心がポカポカの私です。
嬉しいですね~
そんなこんなで、読んでいただきありがとうございます。
駆け足で話は進んでいきます。