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彼は友達、此奴は下僕~ゴブリンと人間の最強タッグ~  作者: ピッグハット
始まりはここから
14/25

13話 人の優しさ人の欲

ため込むのはいけないってことが、色んなことで最近分かった!忙し忙し!



「いや、なんでこんなのに入れてるんですか!」

俺が驚いて聞き返すと、優しい笑顔を崩さないままゴライアスさんは話し始めた。

「私ね・・・見た目がこんなんでしょ?だから、あんまり私のカウンターに人って来ないの、来たとしてもそれっきり・・・みんな他のカウンターに行っちゃう」

そう語るゴライアスさんの顔には少し寂しさが見えた

「私ね、いろいろあってこの仕事してるけど、好きでやってるのよ!でも、他のカウンターで常連になっていく冒険者を見てると、なんだか寂しく思えてくる時があったの・・・そんな時オージャー君、あなたが私のカウンターに来てくれた、最初は新人くんか~また別のカウンターで受付すんだろうな~って思っていたんだけど、次も来てくれた!嬉しかったわ~・・・」

確かに最初は流れるがままゴライアスさんのカウンターに来てしまった、二回目もなんとなくだ・・・けど、なんだか自分を知ってくれているという安心感は、こんな女装をしたおっさんにも湧いてくるわけで、王都に来て頼れる人があんまり居ないから、ついこの人のカウンターへ来てしまう。

それはこんななりだが、この人がいい人であるってことがわかったからでもあった。

「私の所にくる冒険者なんて少数よ、その中で新人で何度も来てくれたのはオージャーが初めてだったの・・・だから、コレは私からの感謝とお祝いね♪」

パチッとウィンクを決めたおっさんに俺は、心がグッと熱くなった・・・

「ありがとうございます、ゴライアスさん!これからもよろしくお願いします!」

俺がそう言うとニコッと笑うゴライアスさん

「あ、ちなみに換金結果は700万Gね!」


その一言を言った瞬間

ギルド内の俺を見る目の雰囲気が一気に変わった。



俺はカバンを抱えながらギルドの端っこの椅子に座っていた

700万・・・700万だと!!人生でこれほどの金を手にすることになる日が来るとは!!!

驚きでなんか感動が吹っ飛んだわ・・・


少しは田舎の親へ送るとして残りは・・・いろいろ使えそうだな~♪

俺がへらへらしていると横でゴブが見ているのに気が付いた

「ゴブ」

「大丈夫!お前にもなんか買ってやるからさ~♪」

下僕君にもしっかりと気配りが出来る俺!・・・ってかこの金の元は此奴なんだよな~

なんて思っていると


「おい、急に金持ちになったからって浮かれてんじゃねぇぞ~ゴブリンに使うぐらいなら俺が貰ってやるよ」

そんなことを言いながら近寄って来たのは、槍を携えた一人の男だった。

その後ろではニヤニヤしながら見ている数人の冒険者

ほほぅ・・・これは、大金をゲットした新人から巻き上げようとしているんですね~

周りを見てみると、哀れんだような視線、見世物を見るかのようなの視線など様々な視線が俺たちに向いていた。

ゴライアスさんだけはこちらを睨んでいた・・・いや怖いよ!


「新人君はさ~お金の使い方よく分かんないでしょ?この俺が使い方ってのを教えてあげるからさ~」

完全に舐められている・・・だが、俺も新人とは言え冒険者!ここは一発かましてやりますか!





「や、やれるもんなら・・・やってみろよ」

それはか細く俺の口から出た言葉であった。

いや、やっぱ思ってたより俺ビビってたみたい・・・・


だが、そんな言葉でも子の冒険者を激怒させるには十分であったらしい

「おまえ・・・ちょっと浮かれすぎだな~・・・」

男はスッと背中から槍を抜き構えた

「ちょっと痛い目みとこっか!」

ざわついたギルド内を気にしないかのように、男は俺の方に目掛け槍を突き出した。



俺には秘策がある・・・おれのジョブはゴブリンテイマーだが、サブは防壁士!

見せるぜ!俺の盾魔法!

「シールド!!」

俺がそう唱えると俺と男の間に盾が生まれた、一見たたの板のように見えるこの魔法は使用者の魔力で具現化される。

俺の魔力の殆どを持って行ったその盾は、男の槍の一撃を見事はじいたので会った。

周りからはおぉ!という歓声が上がる。

「ちっ・・・盾かよ」

男が槍を構えなおす、とっさに出来たが俺の魔力はもう無い・・・どうやら俺のシールドは一回が限界の様だ、少し情けない気もするが俺には頼もしい下僕君がいる

そして、もう指示は送ってあるのだ!



「今度はどうかな~」

不敵に笑いながら突き出される男の槍

だが突き出された槍の違和感に真っ先に気付きたのは男であった

次に周りも異変に気が付きギルド内がざわつき始める。

原因は男が突き出した槍・・・その中間から先が無くなっていたためである。


「なっ!んだよこれ!!!」


男が驚愕で声を上げる。外野の冒険者たちも驚いているようだ

そしてみんなの視線は俺・・・の横で手を前に突き出しているこの下僕君へと向かうのであった。


誰も俺を見ていない・・・




人前で力をひけらかしたくなるタイプの人!


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