表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/43

むかしむかし、ある所に

複数の物語とリンクしながら進んで行きます。


 その昔、邪悪なる者が存在した。その者は、身から瘴気を撒き散らした。そして瘴気からは、怪物が産まれた。また怪物は、その身に瘴気を宿していた。

 作物は枯れ、大地からは緑が消えた。瘴気にあてられた動物は、怪物へと変化を遂げた。

 人間は飢えで死ぬか、怪物の餌になるしかなかった。


 そんな時、世界を救おうとする、勇敢なる者達が現れた。彼らは、果敢に怪物へ立ち向かい、人間を守った、

 そして長い戦いの末、怪物を駆逐し、邪悪なる者に戦いを挑んだ。


 しかし、邪悪なる者の力は、強大だった。数多の怪物を倒した勇敢なる者達でさえ、抗う事は出来なかった。そんな状況を見かねた神は、勇敢なる者達へ聖なる武器を与えた。

 勇敢なる者達は、手にした武器で邪悪なる者を浄化し、世界を平和に導いた。

 これが、語り継がれてきた英雄譚。


 しかし、人間達は知らない。何故、邪悪なる者が産まれたのか。何故、それに立ち向かう者達が現れたのか。

 そして、邪悪なる者は何処に行ったのか。人間達は知らない、世界が何者によって動かされているのか。


 仮初の平和を享受し、安穏と暮らす中で、危機感は薄れていく。かつての騒乱は単なる物語となり、その真意を誰もが忘れ去る。

 だから誰も気が付かない、脅威が消えた訳では無い事に。人間は愚かだと、嘲笑う者がいる事に。

 勇気も愛も命でさえも、借物である事に。


 むかしむかし、更にそのむかし。ある所に、お爺さんとお婆さんがいました。

 お爺さんは、土をこねて人形を作りました。お婆さんは、人形に命という魔法を吹き込みました。

 お爺さんとお婆さんは、人形に言いました。


「これから、庭を作るよ」

「お前の庭だよ。好きに遊びなさい」


 人形は喜びました。しかし庭が出来た後、お爺さんとお婆さんは姿を消しました。

 人形は、お爺さんとお婆さんに言われるままに遊びました。ずっと、ずっと、ずっと。

 

 風がなぜ吹くのか、水はなぜ水なのか、植物はなぜそこに在るのか、動物はなぜ言葉を話せないのか、人間は何処から来たのか、誰も……誰も……知らない。


 誰も、知る事が許されない事を知らない。なぜなら、教える事を知らないから。言われたのは、遊ぶ事だけだから。


 世界という箱庭の中で、精一杯に生きる人間。そして人間を守ろうとした、勇敢なる者達。その全ては……。

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ