8話 ギルドで登録
キャティスさんの店を出る。
この後どうしよう。
「ヴェールこれからどうする?」
「うーん、わかんない!」
にかっと眩しい笑顔でそう言われた。
それは当たり前だよねヴェールは妖精で、人間ではないから。
歩いていた人に声をかけて、ギルドはどこにあるのかと聞くと、たくさんのギルドがあり、場所も教えてくれた。親切な人で良かった。
小説だったら、まず身分証の代わりに冒険者ギルドや商業ギルド、魔術ギルドに登録するから私もそうしようか。
道の端でうーんと考え込んでいると、冒険者らしき男の人が声をかけてきた。
「大丈夫かい?」
「あっ、はい。私はこの前田舎からでてきたばっかりで錬金術師なんですけどどこのギルドに所属すればいいのか分からなくて」
「あぁ、そうかい。じゃあ冒険者ギルドがいいよ。商業ギルドでなくともお店は出せるからね」
「そうですか、ありがとうございます!」
ありがとうとお礼をいうと笑顔で街の人混みに消えていった。
今わかったことがある、この街の人はみんな親切だという事だ。
では、早速冒険者ギルドに行こう。
聞いたとおりに行くと、白い外観の市役所?みたいな場所に着いた。きっとここが冒険者ギルドなんだろう。
ドアのない、入口から中に入ると、奥にギルドの人だろう女性がいた。ていうか、ドアがなかったら閉められないんじゃないだろうか。まぁ、魔法があるから大丈夫と決めつける。
つかつかと、ギルドの奥の受付に歩いていくと、受付の女性が話しかけてきた。
「ご要件はなんでしょう?」
「登録したくてきたのですが」
「分かりました、今は登録キャンペーン中なので、無料で登録できますよ」
お、ラッキーキャンペーン中らしい。
女性は受付のさらに奥に行って、黒色の水晶を取ってきた。
「これに手を当ててください」
ここの登録はかなり簡単なようだ。
手を水晶に当てると、文字が浮かびだした。
「手を離しても大丈夫ですよ」
手を離すと、透明のガラス板のようなものが出てきた。それを女性は私に渡した。
「これで、登録は完了です。ありがとうございました」