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歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~  作者: なつきいろ
第7章 躍進 -乙女豹アルテミス編-
304/349

第246歩目 はじめての傘下!


 前回までのあらすじ


 私がぶどーを教えてあげよっかー?((⊂(´゜ω゜`∩)



 あれから更に20日が経った。

 目的のダンジョンもクリアしたことだし、旅の準備を始めるとする。


 と、そんな時、モートマ伯爵より「大至急来て欲しい」との呼び出しが───。


「急に呼び出したりして悪いですな、竜殺し殿」

「いえ。それでお話というのはなんでしょう?」


 大至急というから、「再び魔物の襲来が!」みたいな一大事かと思った。

 しかし、良い意味で俺の期待を裏切るような笑顔で出迎えてくれたモートマ伯爵。


 となると、呼び出された用件はあれしかないだろう。

 

「お喜びくだされ! 『りゅっころ団』設立の許可が下りましたぞ!」

「「「「「おおおおお!」」」」」

「あッ。正式名称は『りゅっころ団』で決まりなんですね......」


 沸き上がるギャラリーを他所に、俺は独りごちた。


「それにしても、いくらなんでも早すぎませんか? まだたった20日程度ですよ?」

「国家プロジェクトですからなぁ。国が一丸となって動きましたから」

「いや、それにしてもですよ。あまりにも早すぎます」


 日本では到底ありえないことだ。

 ましてや、個人の騎士団保有は前代未聞の案件だというから尚更である。


 第一、こう言ってはモートマ伯爵には悪いが......。


 俺達が滞在中の間に、ある程度の成果が出るだなんてちっとも思ってはいなかった。

 結果は冒険者ギルドを介して連絡してくれたら良いとさえ思っていたぐらいだ。


(あまりにも腰が軽すぎないか? それとも、この世界ではこれが普通なのか?)


 しかし、モートマ伯爵からは別の答えが返ってきた。


「竜殺し殿が疑問に思われるのも仕方がありません。こういう案件は最低でも半年、通常なら一年をかけて決議されるものですからな」


「ですよね? 俺もそういう認識でいたんですが......」


 俺だって全てを把握している訳ではない。

 ただ、騎士団立ち上げには『全勇者特別機構』の許可がいるとは聞いている。


 そう、勇者の総本山である『シンフォニア共和国』の許可が───。


 となると、国の意見をまとめて、それを全勇者特別機構に提出する。

 それを受け取った全勇者特別機構が、審議に審議を重ねた結果判断を下す。

 下された結果を国に伝える。その際、諸注意なんかも色々と言われることだろう。


 今考えられる大筋の流れはこんな感じだろうか。

 さすがに、これだけのことをたった20日で行えるとは到底思えない。


「それがまた、なんでこんなに早く決まったんですか?」

「それがですな、たまたま王のもとに勇者姫様が訪れていたとか。いやぁ、竜殺し殿は運も良いのですな」

「勇者姫様? 誰ですか、それは?」

「「「「「えぇ!?」」」」」


 一斉に「え? マジ?」みたいな眼差しを向けてくるギャラリー。

 どうやら俺は、またしてもやらかしてしまったらしい。


「ないわー(´・ω・`)」

「......じゃあ聞くが、アテナは知っているのか?」

「知るわけないじゃーん! 興味ないもーんヽ(o・`3・o)ノ」

「いやいやいや! せめて興味だけは持っておけよ! お前の世界だろ!?」


 駄女神は放っておいて、その『勇者姫様』とやらのことを詳しく尋ねる。

 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥の精神だ。


「勇者姫様とは、シンフォニア共和国の建国者にして総帥、十傑においては第一席次な上、全勇者特別機構の議長でもあらせられるお方です。この世界では知らぬ者などいない最も尊きお方ですぞ」


「は、はぁ......そうですか」


 鼻息荒く興奮気味に説明してくるモートマ伯爵に、俺は若干引き気味だ。


 ともかく、その勇者姫様とやらがたまたま訪問中だったから早く決まったとのこと。

 それは大変ありがたいし、嬉しいことでもあるのだが......。


「議長とはいえ、権力を持たせ過ぎでは? ほぼ独断で決めてますよね、それ?」

「国には国のやり方がありますからなぁ。シンフォニア共和国ではそれが普通なのでしょう」

「それだと全勇者特別機構の組織自体が要らないんじゃ......」

「それにですな、聖女様もその場に同席していたとか。ならば、何の問題もないのでしょう」

「聖女様?」


 また初めて聞く単語が出てきた。

 恐らく、勇者関連でのお偉い人だというのは容易に想像がつく。


(それにしても......勇者姫に、聖女ときたか。大物中の大物だよな、これ?)


 とりあえず、興味がないと言えば嘘になるが、今は一旦置いておこう。


「正式な認可は全勇者特別機構の議会に(はか)られてからでしょう」

「一応、議会には諮られるんですね」

「とはいえ、議長である勇者姫様がお認めになられたのです。もはや本決まりと言っても過言ではないでしょうな」

「なるほど。だから、こんなに早く認められたんですね」


 過程はどうあれ、大変ありがたいことだ。

 モートマ伯爵の言う通り、俺は運が良かったと思うべきだろう。



 こうして、俺だけが保有する騎士団『りゅっころ団』が勇者姫様のお墨付きを得て、晴れてこの世界に産声を上げたのだった。



 ※※※※※



「竜殺し様、おめでとうございます!」

「騎士団誕生の瞬間に巡り会えた奇跡に感謝ですな」

「おめでとう! なんだかあたしもホッとした気分さ」

「......おめでとう。頑張って」

「良かったねぇ、あんた」


「ありがとうございます」


 モートマ伯爵邸からの帰り道、いまだ興奮覚めやらぬといった感じで盛り上がる『紅蓮の蒼き戦斧』のメンバーとインカローズ。


 俺もどこか夢見心地というかふわふわしている。

 嬉しさ半分恥ずかしさ半分といったところか。


(......いや、今は浮かれている場合じゃないよな)


 騎士団が認められた以上、やらねばならないことがあるはずだ。

 名ばかりの騎士団では立ち上げた意味がないのだから。


 となると、相談するにはうってつけの人物達がここに居る。


「騎士団というからには、それなりの体裁を保つ必要が出てきますよね?」

「でしょうね。その辺りは規模に関わらず、私達のようなPTと似ているでしょう」

「他はどうか知らないが、あたいの義賊団でもそうだったからねぇ」

「ふむふむ」


 餅は餅屋。

 相談するなら団体を率いているリーダーに相談するのが一番だ。


「まずはどんなことをしたら良いでしょうか?」

「差し迫っては規律......と言いたいところですが、竜殺し様の騎士団員は皆奴隷ですからね。あまり必要性がないかもしれません」

「いや、それはやはり必要でしょう」


 命令で縛るのではなく、自主性で規律で自分を律して欲しい。

 いくら奴隷とはいえ、俺は女山賊達(みんな)を一人の人間として見ているのだから。


「規律はドールに相談するとして、他には何かありますか?」

「隊長を決めるべきだね。あんた以外にも指示を出せる隊長をさ」

「あぁ、それはそうだな。俺もずっとここに居る訳じゃないしな」

「はいはーい! じゃー、私がなるよー(`・ω・´)」

「却下」

「なんでー Σ(・ω・*ノ)ノ」

「これは遊びじゃないんだよ! 騎士団ごっこは後にしろ!」

「ぶー(´-ε -`)」


 ごっこ気分なアテナを一蹴して、俺はあごを摘まんで考える。

 俺の代わりとなるべき人物を選定しながら。


 というか、俺の代わりになると言ったら一人しか思い浮かばない。


「インカローズ、頼まれて───」

「あたいは嫌だね」

「えぇ!?」

「あたいはあんたに付いていく。こんな場所には残らないよ。あんたの考えなんてお見通しさ」

「うッ......」


 キッと睨んでくるインカローズに、俺は言葉を詰まらせてしまった。


 ドールは言わずもがなだが、インカローズも意外と(さと)い。

 俺の考えの裏にある本質に、どうやら気付いているようだ。


 そう、インカローズをこの場に留まらせて、俺への恋を諦めさせようという卑怯な考えを......。


「悪かった悪かった。じゃあ、代わりに総隊長をやってくれ」

「総隊長?」

「今後、騎士団員は全てインカローズに任せる。いちいち俺に指示を仰ぐ必要もない」

「ちょっ!? ほ、本当に良いのかい!?」

「あぁ、良いぞ。俺は名前だけの団長ってことで」


 適材適所というやつだ。


 そもそも、俺はリーダーの器ではないと思う。

 故に、器にあらざる者が上に立つことこそ、下の者にとってこれ以上の地獄はない。

 そういう場面を、営業中に嫌というほど何度も見てきた。


 だから、その器であるインカローズに全部丸投げするのが最も賢い選択となる。


「こ、今後も団員が増える可能性があるんだよ? それはどうするんだい?」

「それも含めて、全てお前の裁量で決めてくれ。俺はお前の全てを信じているから」

「あ、あたいの全てを!?」

「あぁ、引き受けてくれるな?」

「そ、そこまで言われたら、女として断れないね! いいさ! 全部あたいに任せなッ!」

「期待しているぞ」


 SAY・YES(よっしゃあ)!!


 なんてことは少しもおくびにも出さずに、にっこりスマイル。

 その邪な俺の笑顔に、インカローズがうっとりとしている。


 ところで、本当は役割的にもインカローズは副団長でも良かった。しかし───。


「アテナは副団長な?」

「いいのー!? Σ(・ω・*ノ)ノ」

「総隊長よりも副団長のほうが偉いからな。お前にピッタリだろ?」

「にへへー。ありがとー(*´∀`*)」

「ちょろ女神(笑)」


 所詮、俺同様名ばかりの副団長だ。

 不貞腐れていたアテナを祭り上げる為の神輿(ざいりょう)にするにはうってつけだろう。


「だったらさー、私が歩の代わりにだんちょーになってあげるよー( ´∀` )b」

「それはさすがに図々しいぞ?」


 本当、こいつの図々しさだけは団長級だ。



 ※※※※※



 ()()()()()()()()()()()()()を過ぎて、俺達は冒険者ギルド前までやってきた。

 騎士団設立の申請は冒険者ギルドで行うと、モートマ伯爵にそう言われたからだ。


 ゲルゴナでの用事は全て済んでいる。モートマ伯爵へのお礼も併せて。

 となれば、明日にでも旅に出られるよう、さっさと申請を済ませてしまいたい。


「あーははははは( ´∀` )」


 副団長に任命されたことが余程嬉しいのか、いつものようにはしゃぐアテナ。

 子供さながらに「一番乗りー(`・ω・´)」と冒険者ギルドの中へと駆け込んでいく。


 すると───。


───ドンッ!


「きゃ!?」

「ふぎゃ(||゜Д゜)」


 中から出てきた人と盛大にぶつかる始末。

 すってんころりんと転がるその姿は、もはや女神としての威厳はない。


「おっと。危ない」


 そんな駄女神をスルーして、俺はアテナとぶつかってしまった人のほうを支えることに成功した。


 ふんわりと鼻をつく甘く香しい匂いに、先程の若く黄色い声。

 それに、抱き止めた体の華奢さから言っても、ほぼほぼ女性だと思われる。

 女性だと断定できないのは、顔がローブで隠れていて確認できないからだ。


(それにしても......やけに細い体つきだな)


 それに着ている服の上等さ。

 とても一介の冒険者とは思えない。


(まさか......お貴族様か!?)


 だとしたら、変に目を付けられる前にさっさと撤収したい。

 王都では王様との面会という面倒事が控えているだけに、これ以上の厄介事は勘弁だ。


「うちのバカがすいません。大丈夫ですか?」

「こ......」

「こ?」


 なにやら、女性だと思しき人の体がプルプルと震えているような気がする。

 これは相当お怒りだと思ったほうがいいだろう。


 と、その時───。


───パーン!


 小気味良い音ともに、女性だと(おぼ)しき人のビンタが俺の頬に炸裂した。そして───。


「このケダモノーーーーー!!」

「なんで!?」

 

 そう言い残して、女性だと思しき人はそのまま走り去っていってしまった。


「な、なんなんだ一体......」


 なにがなんやら分からず取り残された俺はただただ呆然とする他はない。


 ハッキリと分かるのは、女性だと思しき人からのビンタが全く痛くはなかったこと。

 ビンタされた際に、ローブからチラッと見えたその顔がなかなかに美しかったこと。


 それと───。


「がおー (「・ω・)「 がおー (「・ω・)「」

「あんたさー、女を抱きたいなら、あたいがいつでも相手になってやるよ」

「ないわー。さすがに、白昼堂々往来で、とかはないわー」

「......まさにケダモノ」


「そ、そんな......」


 女性陣からの理不尽とも言えるような無慈悲なバッシングだけだった。



 ※※※※※



 夜。

 

 明日からの旅に備えて鋭気を養っている───具体的には、アテナ達との憩いの時間を過ごしている俺の元に、『紅蓮の蒼き戦斧』のメンバーがやってきた。


 一応、『紅蓮の蒼き戦斧』も王様にお呼ばれされている。

 故に、これまで通り、王都までは一緒に旅をする仲間となる。


「それで、俺に話とはなんでしょう?」


 普段から気さくに話す間柄だが、こう改まっての話は珍しい。

 俺も茶化すことなく真剣に向かい合う。


 すると───。


「竜殺し様にお願いがあります」

「えぇ!?」


 俺が驚いたのは、なにもお願いのことではない。

 今しがた目の前で行われた、『紅蓮の蒼き戦斧』の行動に驚かされた。


 そう、全員がまるで拝謁を賜る時のような仕草をしていることに......。


「ちょっ!? え!? い、いきなりどうしたんですか!?」

「私達を......私達『紅蓮の蒼き戦斧』を、『りゅっころ団』の傘下に加えては頂けないでしょうか?」

「傘下ぁ!?」


 突然のことに声が裏返ってしまった。

 それぐらい予想だにしない申し出だったのだ。


 とりあえず、楽にしてもらって詳しい事情を聞こうとしたのだが───。


「敬意と忠誠、団長に対する礼儀として、こればっかりは譲れません」

「か、固いなぁ。俺、そういうの苦手なんですよ。楽にしてください。じゃないと、話はこれまでです」

「「「「!!」」」」


 いつまでも拝謁のポーズをしている『紅蓮の蒼き戦斧』を強制的に楽にさせる。

 敬意や礼儀はともかく、忠誠とかはドールでもう間に合ってますんで。


「えっと......それで? どういうことですか?」

「率直に申し上げます。団長にとってのカルディア王国のように、私達にとっての団長であって欲しいのです」

「つまり、皆さんの後ろ楯となって欲しい、と?」

「はい。その代わり、私達『紅蓮の蒼き戦斧』は今後、『りゅっころ団』の傘下として活動します」

「ふーん」


 時尾さんの時もそうだったが、こう自分達のメリットとなることを包み隠さず正直に話す姿勢はとても好感が持てる。思わず、にんまりしてしまう。

 

 俺は聖人君子でもなんでもない。


 だから、人が行動する裏には何かしらの利益が生じるもの。

 はたまた、「利益となるものの為に行動している」と思ってしまうことが多々ある。


 完全なボランティア精神など存在しない。


 そう、思ってしまっている。

 いや、勘違いされると困るので、実際にはあるのかもしれないが......。


 故に、メリットの為に行動すること自体は決して悪いことだとは思わない。

 問題は『お互いに気持ちよくwin-winな関係でいられるかどうか』だ。


「聞きましょう。皆さんが、私の騎士団の傘下に入ることで得られるメリットとやらを」

「やはり、一番のメリットは自由なままで居られることでしょうか」

「ふむふむ」


 そうそう。ちなみに、俺が得られるメリットは聞くに及ばない。

 世界的にも高名なPTである『紅蓮の蒼き戦斧』が俺の騎士団の傘下に入った、それだけでも得られるものは多いからだ。名実ともにな。


「元々、私達はギルドに束縛されるのが嫌で、今の傭兵という地位にいます」

「そう言えば、そんなことを言っていましたね」

「はい。そして、今日団長と総隊長のやり取りを見て「私達の在るべき場所はここではないのか」と、皆と相談した次第です」

「それは分かるんですが......それで何かが変わりますか?」

「団長の名前と騎士団所属であることを伝えることで、一介の傭兵とは思われなくなるかと」

「なるほど。ちゃっかりしてるなぁ」


 本当によく考えられている。

 だって、それは俺の宣伝や名声を高める効果にも繋がるのだから。


 これこそまさに、お互いが気持ちよくwin-winとなれる素晴らしい考えだ。


「ドールはどう思う?」

「良いのではないか。むしろ、こやつらにしては英断だと思うのじゃ」

「「「「ありがとうございます! 総参謀!!」」」」

「誰が総参謀じゃ、誰が!!」


 口ではそう言うドールの尻尾は嬉しそうに振られている。

 素直に喜べばいいのに......。本当、ドールは素直じゃないなぁ。


「そうじゃのぅ。せっかくだし、こやつらが傘下に入ったことを大いに知らしめるのもありじゃな」

「知らしめる?」

「そうなのじゃ。さすれば、他の者共も続々と傘下に加わろう」

「加わるのはいいが、誰がそれを統制するんだ? 俺は嫌だぞ?」

「そんなもの、あの大女に任せれば良い。その為の総隊長であろう?」

「インカローズに? さすがにそれはきついんじゃ───いや、待てよ?」


 案外イケそうな気がする。

 インカローズならきっと上手くやってくれるだろう。


 それも含めての総隊長だ。文句は言わせない。

 きっと彼女もそう認識しているに違いない。うん、きっとそう。HAHAHA。


「ということで、傘下に入るならインカローズの下になりますが、皆さんはそれでも大丈夫ですか?」

「え? 私は別に構いませんが......」

「拙僧も特に異論はありませんが......」

「......異論はない。異論はないけど......」

「というかさ。それ、あたし達に聞くことじゃなくて、ローズに聞くことなんじゃないかい?」


「ごもっとも」


 ケセラさんの言葉に、「うんうん」と頷く一同。


 俺も思わず頷いてしまった。

 これは一本取られてしまったようだ。


「では、最後に団長からではなく、私個人からのお願いを伝えたいと思います」

「竜殺し様のですか?」

「例え傘下に加わろうとも、これまで通り普通に接してもらっていいですか?」

「え? いや、それでは......」

「ずっと思っていたんです。「対等とはいかなくとも、気軽に接してくれる人が居ないというのは案外辛いもんだな」と」

「!!」

「ですので、皆さんに変わられてしまうのは少し残念です」


 俺は、この世界では特別な存在なのかもしれない。

 しかし、俺自身は別に特別な存在でもなんでもない。


 だから、せっかくできた気さくに話せる仲間を失うのは本当に悲しい。


「では、公の場では団長として立てる、ということで宜しいでしょうか?」

「さすがフリーの冒険者。話が早くて助かります」

「まぁ、私達も堅苦しいのは苦手ですから気持ちは分かります」

「では、改めて『紅蓮の蒼き戦斧』の加入を認めます。皆さん、よろしくお願いします」

「「「「よろしくお願いします、団長!!」」」」


 こうして、『りゅっころ団』始動とともに『紅蓮の蒼き戦斧』が傘下として加わることになった。



 そして、この時の俺は思いもしなかった。

 これがまだほんの序章であることに過ぎないとは、この時は少しも───。

 



(20日分の取得品)


①騎士団『りゅっころ団』の設立

②攻略の証1個

③ダンジョンの素材売却          (↑2,000,000)

④ギルドからの特別報酬          (↑3,000,000)

⑤20日分の食費              (↓30,000,000)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アテナ』 レベル:3 危険度:極小


種族:女神

年齢:ーーー

性別:♀


職業:女神

称号:智慧の女神


体力:50

魔力:50

筋力:50

耐久:50

敏捷:50


装備:殺戮の斧


女神ポイント:1,042,090【↑16,000】(20日分) 


【一言】私が副団長だってー! 歩はほーんと私のこと好きだよねー( ´∀` )

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アユムの所持金:653,452,200ルクア【↓25,000,000】(20日分) 

冒険者のランク:SS(クリア回数:35回)


このお話の歩数:約440,000歩(20日分) 

ここまでの歩数:約163,736,700歩


アユムの旅行年:65ヶ月+27日(↑20日)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アユム・マイニチ』 レベル:18095【↑24】


種族:人間

年齢:26

性別:♂


職業:凡人

称号:女神の付き人/竜殺し(ドラゴンスレイヤー)/青い彗星(ダークルーラー)

所有:ヘリオドール/ねこみ/ねここ/インカローズ他29人


体力:18105(+18095)【↑24】

魔力:18095(+18095)【↑24】

筋力:18100(+18095)【↑24】

耐久:18100(+18095)【↑24】

敏捷:20555(+20495)【↑24】


装備:竜墜の剣(ドラゴンキラー)       (敏捷+2400)

   神剣デュランダル   (???)

   魔神槍ゲイ・ヴォルグ (体力&魔力+20000、『青い彗星(ダークルーラー)卿』化)


技能:言語理解/ステータス/詠唱省略


Lv.1:初級光魔法/初級闇魔法


Lv.2:浄化魔法


Lv.3:鑑定/剣術/体術/槍術/索敵/感知/隠密

   偽造/捜索/吸収/治癒魔法/共有

   初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法

   初級土魔法/ 物理耐性/魔法耐性

   状態異常耐性


Lv.4:初級風魔法 (※『竜墜の剣』装備時のみ)


Lv.5:???   (※『神剣デュランダル』装備時のみ)


共有:アイテムボックスLv.3

   パーティー編成Lv.3

   ダンジョンマップLv.3

   検査Lv.3

   造形魔法Lv.3

   奴隷契約Lv.3


待機:申請魔法Lv.3

   ワールドマップLv.3

   マッピングLv.3


加護:『ウォーキング』Lv.18095 13135/18096

   『NTR』   Lv.15540 3395/15541

   『不協和音』  Lv.11161 8954/11162

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