第15歩目 はじめての試験!Aランク昇格試験①
10/9 改稿しました。
改稿内容は会話の括弧を統一しただけで、話の内容じたいは変更ありません。
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前回までのあらすじ
アテナのせいで大量の女神ポイントを無駄にしてしまった......
女神ポイントを大量に無駄にしてから更に3日が過ぎた
歩くだけでレベルアップする俺は、こんな感じになっていた
ここまでの歩数:約314590歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:792【↑84】
種族:人間
年齢:26
性別:♂
職業:凡人
称号:女神の付き人
体力:802(+792)【↑84】
魔力:792(+792)【↑84】
筋力:797(+792)【↑84】
耐久:797(+792)【↑84】
敏捷:852(+792)【↑84】
技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.2/浄化魔法Lv.2
剣術Lv.2/体術Lv.2/索敵Lv.2/治癒魔法Lv.2
感知Lv.2/隠密Lv.2/偽造Lv.2/捜索Lv.2
吸収Lv.2/物理耐性Lv.2/魔法耐性Lv.2
初級火魔法Lv.1/初級水魔法Lv.1
初級風魔法Lv.1/初級土魔法Lv.1
初級光魔法Lv.1/初級闇魔法Lv.1
状態異常耐性Lv.2
固有:ウォーキングLv.792 557/793
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現状取れるスキルは全部取得したことになる
そして、あれからアテナにはなにもスキルをあげていない
当然あげるつもりもない。ただ無駄になると分かったからだ
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俺は今ギルドに来ている
Aランク昇格試験を受ける予定なのだが......
「う~ん。困りましたね......」
「すいません......」
俺と試験官の女性はほとほと困っていた
困っている原因は当然こいつだ
「いやーーーーー!私も歩と一緒にいくのー!置いてけぼりはいやー!」
「と言われましても、危険な場所ですし......」
「アテナ。ちゃんと帰ってきてやるから大人しく待ってろ」
「いやーーーーー!危険な場所ならなおさら歩と一緒にいくのー!」
アテナはその場で寝転がり駄々っ子のようにジタバタと暴れている
別にアテナが駄女神すぎて連れていきたくないとかではない
Aランク昇格試験はダンジョンで行われる
Aランクになるだけの力があるかどうか見極める目的があるらしい
そしてダンジョンはとても危険な場所らしいので、Aランクの資格を持っていないと立ち入ることができない場所となっている
当然、アテナはAランクの資格を持っていない訳で......
「しかし規則となっていますので......」
「規則なんだってよ。だからわがまま言ってないで......」
「絶対いやーーーーー!歩とはずっと一緒なのー!良い時も悪い時も、裕福な時も貧乏な時も、病気の時も健康な時も、これからもずっと一緒なのー!」
「なに言ってんの!?それ結婚式のセリフだよね!?」
「まぁ......///お二人はそんな関係だったんですね!」
「あんたもなに言ってんの!?」
アテナがまたバカなことを言い出した
そしてそれに悪ノリする試験官さん......悪ノリだよね?
「いっしょに連れてってくれるまでここから動かないからねー!」
どうやらアテナの意思は固いらしい
なんとしても同行するつもりなのだと不動の構えを見せている
「そうか......動かないんだな?分かった。
じゃあ行きましょう、試験官さん」
「「......え?」」
だって動かないんだろ?ならちょうどいい
このままギルドで待っててもらおう
アテナをその場に残し、俺と試験監さんはそのままギルドを出た
「え?え?え?......ほ、本当によろしいんですか?」
「動かないって本人が言ってるんですし、大丈夫でしょう」
「は、はぁ......」
こうして俺と試験監さんはダンジョン目指して歩きだした
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ダンジョンの入り口前に着いた
ダンジョンはうっそうと生い茂る森の奥にあった
洞窟タイプのダンジョンで、入り口前には冒険者らしき人がそれなりにいる
またそれとは別に、入り口横にも冒険者らしき人が控えている
「それではダンジョンと試験内容についての説明を始めますね」
ギルドを出た時はアテナのことを心配していたが、今は淡々と仕事に集中しているようだ
このへんの切り替えの早さは、さすがプロと言うべきだろう
(ただ、そろそろいいだろう.......)
「あっ。試験監さん、ちょっと待ってください。
おい、そこに隠れてるんだろ?いい加減出て来いよ」
俺は薄暗い森の茂みに向かって声を放った
ギルドを出てからずっと、俺達のことを尾行する気配には気付いていた
───ガサガサッ
茂みから出てきたのは駄女神アテナだった
まぁ予想の範囲内だ
「......ぐす。い、いっしょに連れてってくれるー?ひっく」
「ええええ!?付いてきちゃったんですか!?」
「みたいですね......」
当然尾行していたのがアテナだとは気付いていた
それでも敢えて気付かないフリをしていた
「う~ん。どうしましょうか?」
「試験官さん、このままだとアテナは中まで付いてくるつもりですよ?」
「それは困りましたね~。ここで待っててもらうっていうのは......」
試験官さんの言葉を聞いたアテナが、俺の服の裾を掴んで首を横に振る
そのしぐさがちょっとかわいい
「恐らく無理でしょうね。ここで待てるようならギルドにいたでしょうし。どうでしょう?俺がアテナを守りますのでいっしょに連れていくっていうのは?」
「それしかなさそうですね。無理はしないようにお願いしますよ?」
「もちろんです。俺だって死にたくないですしね」
どうやらアテナを連れていく許可が下りたみたいだ
俺がホッと一安心していると、
「私もいっしょに行っていいのー?」
アテナが不安げに尋ねてきた
「いいってよ。ちゃんとおとなしくしてろよ?」
「本当にいいのー?さっきみたいに置いて行ったりしないー?」
「本当だよ。置いて行ったりしない」
まぁさっきのは付いてくると思ったから置いていったんだけどな
そのおかげで、こうしてアテナを連れていける許可が下りたんだし
下手な三文芝居が上手くいったみたいだ
「本当に本当ー?」
「本当に本当に本当だよ」
「本当に本当に本当に本当ー?」
(う、うぜぇ......)
アテナは一度寂しがりやモードになると疑心暗鬼になる
正直めんどくさくてかなわない
しかたない......
───ぽふっ。ぽんぽん
「本当に置いて行ったりしない。俺がアテナにウソを言ったことないだろ?」
俺は頭ぽんぽんをしながら、子供を諭すように話しかけた
「にへへー......で、でもさっき置いていったよー?」
「でも今はいっしょにいるぞ」
「......じゃ、じゃあ置いていかないって約束してー?」
「約束?指切りでもすればいいのか?」
「ううんー。ぎゅってしてー。いつもニケがそうしてくれたからー」
え?ぎゅってハグのことか?
約束でハグって聞いたことないんだが?神の間ではそれが普通なのか?
でも今はアテナの言葉に従うしかない
「これでいいか?」
俺はアテナをそっと抱きしめた
抱きしめたアテナからは女の子特有の甘い香りが漂う
そして、強く抱きしめると壊れてしまいそうなほど華奢な体だった
アテナ、こんな細い体だったのか......
「ううんー。もっと強くー!」
抱きしめる腕に少し力を入れる
「こうか?」
「もっとー!もっと強くしてー!」
「も、もっと!?」
もっと力を入れても大丈夫なのか?
俺はアテナを壊してしまうんじゃないかと不安で仕方がなかった
それとも世のカップルはみんなもっと力を入れているものなんだろうか
(まさか年齢=彼女いない歴の弊害がこんなところで出るとは思わなかった!!)
しかし、もっとと言われたからには覚悟を決めるしかない
───ギュッ!!
「こ、これでいいか?痛くないか?」
「えへへー!ありがとー!歩~!」
アテナは俺の胸に埋めていた顔を上げ、にぱー☆といつものように微笑んだ
(ちゃんとしてれば可愛い子なんだけどな~。胸大きいし)
俺が優しくアテナを抱擁していたら......
「まあ......///やはりお二人はそういう関係なんですね!」
「だから、あんた何言ってんの!?」
どうやら試験官さんが妙に盛り上がってしまったようだ
勘弁してくれ......
□□□□
「こほん。では改めてダンジョンと試験の説明をしますね」
「よろしくお願いします」
「はーい!」
アテナはご機嫌だ。
飛びきりいい返事をしたが、恐らく説明は聞かないだろう
なんたってバカだしな
「まずダンジョンは、Aランク以上の資格を持っていないと入ることは許されていません。これはダンジョン内の敵が外の敵よりもはるかに強いため、むやみに冒険者の方の犠牲を増やさないようにするための措置です」
「わかりました」
「あーはははー( ´∀` )」
やっぱり説明聞かないのかよ!
てか、俺の腕にぶら下がるな!
「ダンジョンに入る際は、入り口横にいる係の者にギルドカードを提出してください。それで入場記録がギルドカードを通じてギルドに反映されます。ダンジョンから出る際も同様にお願いします。入退場の記録をチェックすることで、ダンジョンでの行方不明者や遭難者に対して、ギルドで救助隊を編成して差し向けることが可能となります」
「なるほど。気を付けます」
「ねーまだー?そろそろ行こうよー!」
こいつ!
それギルドの時もそうだったよな!!
「......通常ダンジョンはパーティーを組んで攻略するのが普通なのですが、Sランク以上の方は単独で攻略されたりする方もいらっしゃいます。アユムさんもダンジョン攻略を目指すなら、パーティーを検討されてみてはいかがでしょうか?」
「わかりました。考えてみますね」
「私の歩なら大丈夫よー!足引っ張るような仲間なんていらないってー!」
「誰がお前のだ!それに足を引っ張ってるのはお前だろ!」
「ふえーーーーーん!ごめんさなさーい(´;ω;`)」
「・・・」
俺につねられたアテナは喘いだ
足を引っ張ってる自覚がないとか、どんだけ鋼の精神だ
「せ、説明を続けますね。ダンジョンは大方、通路、大部屋、階段の三つで構成されています。ダンジョンごとに外観は違ってもその基本はあまり変わりません。当然例外はありますが、覚えていて損はないでしょう。それと階段以外は魔物が出てきますが、大部屋に出てくる魔物は数が多いことが多いので気を付けてください。所謂、魔物部屋と呼ばれております」
「な、なるほど......怖いですね」
「怖さが分かるということは、無理をされないということでしょう。安心しました」
そういうと、試験官さんはにっこりとほほ笑んだ
しかし、そのほほ笑みには少し陰りがあるように見えた
(きっと無理をしてきたバカが多いんだろうな。そして、試験官さんはその後の顛末も知ってるんだろう......試験官というのも大変だな)
「そして最後となりますが、ダンジョン内で手に入れたものは手に入れた方の所有物となります。それはダンジョン内で亡くなられた方の遺留品や人であってもです」
「遺留品はわかるんですが、人ってなんですか?」
「奴隷とかですね。たまにあるんですよ。主人だけ死んでしまって取り残された奴隷とかが」
奴隷......奴隷か
やはりいるんだな、奴隷が
「奴隷に興味あるんですか?」
「全くないですね。むしろ同情しちゃうんで見たくもないです」
「同情?異世界人の方は変わってますね、ふふ」
変わってる?
そう言えば試験官さんは、さっき奴隷を所有物扱いしてたな
つまりはそういうことか......
「それでは早速試験に参りましょう。試験内容はダンジョンの3階層突破となります。気を引き締めて参りましょう!」
「よろしくお願いします!」
「おー!歩頑張ろうねー!」
アテナはそういうと、にぱー☆とはにかんできた
かわいい
......なんかやる気でた!よし、いっちょやったるか!
こうして俺とアテナは、Aランク昇格試験に挑むことになった
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『アテナ』 レベル:2 危険度:極小
種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀
女神ポイント:1000【↑500】
【一言】ねーねー実はすごいこと発見しちゃったー(`・ω・´)
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アユムの所持金:420000ルクア
冒険者のランク:B(クリア回数:5回)
このお話の歩数:約15060歩
ここまでの歩数:約329650歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:811【↑19】
種族:人間
年齢:26
性別:♂
職業:凡人
称号:女神の付き人
体力:821(+811)【↑19】
魔力:811(+811)【↑19】
筋力:816(+811)【↑19】
耐久:816(+811)【↑19】
敏捷:871(+811)【↑19】
技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.2/浄化魔法Lv.2
剣術Lv.2/体術Lv.2/索敵Lv.2/治癒魔法Lv.2
感知Lv.2/隠密Lv.2/偽造Lv.2/捜索Lv.2
吸収Lv.2/物理耐性Lv.2/魔法耐性Lv.2
初級火魔法Lv.1/初級水魔法Lv.1
初級風魔法Lv.1/初級土魔法Lv.1
初級光魔法Lv.1/初級闇魔法Lv.1
状態異常耐性Lv.2
固有:ウォーキングLv.811 379/812
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次回、Aランク昇格昇格試験②




