表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/349

第9歩目 はじめての宿屋!

10/9 改稿しました。

   改稿内容は会話の括弧を統一しただけで、話の内容じたいは変更ありません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


前回までのあらすじ


疲れたので宿屋に向かう



「ではこちらが今回の報酬と冒険者カードとなります」


受付嬢さんから一枚の紙とカードを渡された


カードは黒色の冒険者カード

そして紙には、【4000ルクアを冒険者カードに登録しました】との文字が書かれていた


なるほど。渡されたのは収紙か

確か冒険者カードが財布代わりになるんだったな


そんなことを考えていたら、


「歩~!疲れたー!休みたーい!」

「・・・」

「・・・」


アテナが駄々っ子のようにわがままを言い出した


お前さっきまで寝てただろ!というツッコミは置いといて、俺も色々あって疲れた。少し休みたい


ただ所持金が4000ルクアしかない

身分証を作るのに2000ルクアもかかったことを考えれば、あまり贅沢は望めないだろう


「ご覧の通りでして.....この辺りで一番安い宿屋ってどこになりますか?」


俺は受付嬢さんに尋ねながらも、アテナに視線を投げた

俺の視線の意図を汲み取った受付嬢さんは苦笑していた


ありがとうございます。俺は大きな子供を抱えているんです.....


「安くて、ギルドが公認している宿屋となると現在三店舗ですね。それぞれおすすめできる特徴があるのですが、ご希望はありますか?」


一つの町に宿屋が三つもあるというのは多い気もするが、それだけ人の出入りが激しいのかもしれない


とりあえず、選択肢がたくさんあることはいいことだ

ないよりは全然いい


ただ急に希望と言われても.....すぐには思い付かない


「アテナはなんか希望あるか?」

「ご飯が美味しいところがいいー!」


アテナがきらきらした目で見上げてきた

旅行中のアテナからしてみれば、ご飯は楽しみの一つなんだろう


「あぁ、なるほど。それは確かにそうだな」

「でしょー!お腹空いたー!」


ただ、俺からしてみれば盲点だった


どこか日本の感覚で考えていたが、ここは異世界だ

地球の食文化に慣れ親しんだ俺からすると、もしかしたら異世界の飯は口に合わない可能性がある

これはある意味、異世界もののお約束なのかもしれない


だったら、少しでも美味いと評判の店を選びたい!


アテナは当たり前のことを当たり前のように言っただけだろう

でも、そのことに気付かせてくれたアテナには感謝したい


だから.....


───ぽふっ。ぽんぽん


アテナが気に入っている、頭ぽんぽんをしてあげた


「ありがとな」

「にへへー!どうしたのー?歩、変なのー?」


そこにはいつものにぱー☆とした可愛らしい笑顔があった


本当、ちゃんとしてれば可愛いんだよなぁ。胸大きいし


□□□□


さて、アテナの希望を採用しよう

俺もアテナ同様、美味いご飯が食べたい!


「では、ご飯の美味い宿屋でお願いします」

「でしたら、【小鳥のさえずり亭】となります。お二人なら一泊4000ルクアですね」


え?たかくね!?

一晩泊まるだけで、稼ぎが全部ふっ飛ぶんだが.....


「宿としては少々高めですが、朝食と夕食に、昼のお弁当がつきます」


あぁ、なるほど。それならむしろ、安いかもしれない

コボルト討伐だけで2000ルクア稼げる世界だしな


宿屋は【小鳥のさえずり亭】でいいだろう


ただ宿屋が三つもある町だ

町じたいがある程度の規模だと思った方がいい

【小鳥のさえずり亭】を探すのも一苦労だろう


だから俺は受付嬢さんに【小鳥のさえずり亭】の地図を貰おうとしたのだが.....


「【小鳥のさえずり亭】ね!分かったー!先に行ってるねー!」

「先に行ってるって、場所わか.....」


バカがお約束のように飛び出して行ってしまった


「・・・」

「・・・」

「苦労されてるんですね.....」

「HAHAHA」


俺はただただ笑うことしかできなかった


この後、宿屋の場所が分からず、すごすごと戻ってきたアテナの頬を引っ張りながら【小鳥のさえずり亭】に向かった


□□□□


小鳥のさえずり亭


地図に従い歩くこと数分、【小鳥のさえずり亭】に着いた


外観は民宿のそれに近い感じといったところだろうか

高級感はないが、こざっぱりとした落ち着く感じだ

中に入ると食堂らしきテーブルがいくつか置かれていた


「いらっしゃい。初めて見る顔ね」


カウンターに向かうと奥から声がかかった


出てきたのは恰幅のいいおばちゃんだ

にこにこしていて、優しそうな雰囲気を醸し出している


「はい。今日この町にやってきました。よろしくお願いします」

「あいよ。ごひいきにしておくれ」


おばちゃんは微笑みながらもアテナをちらっと見た

そしてなにやらニマニマし始めた


な、なんだろう。すごく気になるな.....


「一泊二人で4000ルクア。うちはギルド公認店だからね。身分証を確認させてもらうがいいかい?」

「どうぞ」


変な客が入り込まないよう、いちおチェックはするのか

いや、公認店だからこそか。信用に関わるもんな


「食事は入り口横の食堂で取っておくれ。うちは朝食、昼食、夕食の3食付きだよ。昼食は前日に言ってもらえれば、お弁当にすることもできる。時間はそれぞれ朝、昼、夕方の鐘が鳴ってから4つ目の鐘が鳴るまでの間。ラストオーダーは3つ目の鐘が鳴るまでだから気を付けておくれよ」


「わかりました」


アテナから聞いた話だと、


朝の鐘は6時に、昼は12時に、夕方は18時に3回鳴るらしい

そして1時間事に1回、鐘は鳴らされるんだとか


つまり、

朝食は6時~10時

昼食は12時~16時

夕食は18時~22時


ラストオーダーはそれぞれ9時、15時、21時


ということになる


時間が鐘頼りとなると、聞き逃す訳にはいかない

かなり高価だが時計があるらしいので早めに取得したい


「体を拭くお湯がほしい場合は、帰ってきたときに申し出ておくれ。お湯は1人100ルクア。夕食後に部屋まで持っていき、回収は朝に行う。今回は今後もごひいきにってことでサービスしとくよ。カンテラを使う場合は貸し賃が100ルクア。大体一時間分の油が入っている。油を自分で足してもいいが、火の取り扱いには気を付けておくれよ」


「ありがとうございます!」


当然この宿屋にはお風呂なるものはないんだろう

それでもお湯をもらえるのは非常に助かる

だって宿泊料金で無一文になってしまったんだから

優しそうなおばちゃんは優しかった


今後ともここをひいきにしよう


そう思っていたら、


「えー!お風呂入りたかったなー!」


アテナがおばちゃんの厚意を踏みにじる発言をした


「ごめんなさいね。お風呂はお貴族様とかが入るものだからうちにはないんだよ」


申し訳なさそうな顔で謝ってくるおばちゃん

それを見て俺の心が痛んだ。すごく痛んだ


だから.....


「お前ふざけんな!おばちゃんの厚意を台無しにすんな!」

「ふえ~~~ん。ごめんなさーい!」


アテナの頬を思いっきりつねった


「このバカがすみません.....」

「あはは。正直な可愛い彼女さんじゃないか」


.....おばちゃん、今なんて言った?

彼女だと?このバカが?顔と胸しか取り柄のないこいつが?

断固否定する!俺の彼女はニケさんだ!こんなバカじゃない!


「いえ、こいつは彼女なんかじゃないですよ」

「いいから。いいから。照れなくてもいいんだよ」


その後、何度説明しても分かってもらえなかった

それよりおばちゃんがニマニマしていたのがすごく気になる


結局誤解されたまま部屋の鍵を渡された

仕方ないので説得は諦め、俺達は部屋に向かうことにした


部屋は十畳くらいはありそうな縦長長方形のワンルームだった

入ってすぐ横にクローゼット、部屋の奥に机とイスが二つ置いてある

イスの向こう側の壁には木窓がはめられていた


なかなか快適そうな部屋だ


「わーい!大きいベッドだー!」


部屋の中に入ったアテナは一目散に駆け出しベッドにダイブした

そして、きゃっきゃっと楽しそうに飛び跳ねている

本来なら注意すべき行為なのだろうが、俺はしばし魅入っていた

だってアテナのおっぱいがすごく揺れていたのだから!


それはいい、それはすごくいいのだが、気になることがある


「なんでベッドが1つしかないんだよ!!?」



おばちゃんがニマニマしていたのはこれか!なに勘違いしちゃってんの!?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アユムの所持金:0ルクア

冒険者のランク:E(クリア回数:2回)


このお話の歩数:約820歩

ここまでの歩数:約9880歩

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『アユム・マイニチ』 レベル:140【↑6】


種族:人間

年齢:26

性別:♂


職業:凡人

称号:女神の付き人


体力:154(+140)【↑6】

魔力:140(+140)【↑6】

筋力:145(+140)【↑6】

耐久:145(+140)【↑6】

敏捷:204(+140)【↑6】


技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.1


固有:ウォーキングLv.140 10/141

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



次回、魔法やスキルを確認します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ