第8歩目 はじめての依頼!
10/9 改稿しました。
改稿内容は会話の括弧を統一しただけで、話の内容じたいは変更ありません。
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前回までのあらすじ
はじめての依頼をやりたいが、アテナが寝てる・・・
仕方ない。アテナを起こさないよう、簡単な依頼にするか.....
冒険者の身分証を作るにはあと200ルクア足りない
いや、身分証だけ作っても意味がない。宿代も確保しないと.....
そこで俺は早速、依頼ボードを見てみることにした
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【薬草採取】 ランク:E
詳細:なるだけ上質の薬草をたくさん求む
報酬:薬草の数×50ルクア(質によって報酬増加)
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【コボルトの討伐】 ランク:E
詳細:コボルトの耳を求む。数は10個
報酬:2000ルクア
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【つのうさぎの討伐】 ランク:E
詳細:つのうさぎの角を求む。数は8個
報酬:2400ルクア
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【ゴブリンの討伐】 ランク:E
詳細:ゴブリンの牙を求む。数は5個
報酬:3000ルクア
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現在俺が受けられるのはEランクの依頼のみだ
とりあえずこれら全部の依頼票を手にし、受付に向かうと.....
「早速依頼をされるんですね。.....あっ」
俺が持ってきた依頼票を見て、しまったという顔をする受付嬢さん
「どうしました?」
「申し訳ありません。説明するのをうっかり忘れていました。依頼は一度につき、2つまでしか受けられないんです」
(あっ。そうなんだ。まぁ説明も毎日たくさんの人にしてるんだろうし、うっかりするぐらいはあるよな)
誰にでもミスはある
そう思い、特に咎めることはしなかった
結局、【薬草採取】と【コボルト討伐】の依頼を受けることにした
そういえば先程、掲示板を見ていて気になることがあったので尋ねてみる
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【薬草採取】 ランク:E
詳細:なるだけ上質の薬草をできるだけ求む
報酬:薬草の数×50ルクア(質によって報酬増加)
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まず、報酬である50ルクアが分からない
アテナからは、硬貨は100ルクアである銅貨からと聞いていた
そうなると、50ルクアとは一体なんだろう?
「?」
受付嬢さんに怪訝な顔をされてしまった
受付嬢さん曰く、実は銭貨というものもあるらしい
銭貨=10ルクア(10円相当)
ちなみに100年ほど前から使われているんだとか
「すぅ.....すぅ.....(^-ω-^)」
「・・・」
俺はアテナを見て思う
(こいつ使えねぇ.....)
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【猫探し】 ランク:E+
詳細:ミーちゃんを探して!
特徴:首輪をした三毛猫
報酬:20000ルクア
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次に、依頼のランクに【+】というものがあった
受付嬢さんの説明にはこんなのなかった気がする
そうなると、この【+】とは一体なんだろう?
「あっ.....」
受付嬢さんはまた、しまったという顔をしている
「・・・」
「す、すいませ~ん!」
どうやらこれも説明をうっかり忘れていたらしい
この【+】の依頼とは期限のない特別な依頼らしい
通常、依頼には期限が設けられているんだとか
今回受けた依頼も48時間という期限が設けられていた
期限を越えても達成できなかった場合、ペナルティが課せられる
具体的には、ランクアップに必要な依頼のクリア回数が-1になるんだとか
あまりにも依頼を失敗し続けると冒険者の地位を剥奪される恐れもあるらしい
(.....結構重要な事なんじゃないか?普通、説明忘れるか?)
二度あることは三度ある
すごく不安になったので確認してみることにした
「他になにか説明忘れとかありませんか?」
「う~ん・・・あっ!」
あっ!.....じゃねぇ!あるのかよ!
「冒険者カードはお財布代わりにもなりますね!」
「それすごく重要なことですよね!?」
話を聞くと、硬貨を持ち歩く必要はないらしい
冒険者カードで買い物をすることが可能みたいだ
つまり、冒険者カードがデビットのシステムを果たしている
それはいい。それはいいのだが.....
「てへっ♪」
「・・・」
俺は受付嬢さんを見て思う
(可愛い。じゃなくて!こいつも使えねぇ.....)
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アテナを背負いながら森を目指す
一向に起きる気配がない。そして.....
「でゅぇへへ.....歩~.....(^-ω-^)」
「笑い方、気持ちわるっ!」
おんぶされているのが余程気持ちいいのか、たまに変な寝言がでる
(ハァ.....笑い方が下品。品性の欠片もないな)
それでも俺の口元はついつい緩んでしまう
俺の背中にアテナの胸がぐい~と押し当てられているからだ
(き、気持ちいい。本当こいつは顔と胸だけはいいんだよなぁ)
その後も微妙に、アテナのおんぶの角度を変えたりしながら、胸の感触を楽しみつつ森を目指した
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やがて森に到着した
一面、草がたくさん生えている
鑑定を使えば、生えている草のどれが薬草かは分かる
但し、質までは分からないのでLvが足りないのだろう
「お、おぉぉぉ!?すぅ.....すぅ.....(^-ω-^)」
「・・・」
アテナを背負ったまま薬草を採取していると、また変な寝言がでた
てか、これ起きてるんじゃないか?
「シャーーーーー!」
たまにコボルトが茂みから出てくると、
「ひっ!す、すぅ.....すぅ.....(^-ω-^)」
「・・・」
アテナから明らかにコボルトに反応しているような寝言がでた
うん、これ起きてるよね?
「.....アテナ。起きてるんだろ?」
「す、すぅ.....すう.....(;^-ω-^)」
アテナはどうやら寝たふりを続けるらしい
なんで寝たふりを続けているのかは分からない
ただ腹が立つのは、寝たふりがバレていないと思っていることだ
そっちがその気なら、こっちにも考えがある
アテナは明らかにコボルトに反応していた。それを利用しよう
俺は魔物を探した。しばらく歩くと、
「シャーーーーー!」
魔物の威嚇の声がした
その声にアテナの体がビクッと反応する
「す、すぅ.....すう.....(;^-ω-^)」
今度は変な寝言が出なかった
どうやらバカでも学ぶらしい。きっと我慢したのだろう
そして、出てきたのはまたしてもコボルトだった
ちょうどいいのだが.....
(コボルト多過ぎ!たまに、つのうさぎが出るだけで、他の魔物をあまり見ないな。まぁいいか。今はとりあえず、鑑定!)
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『コボルト』 レベル:2 危険度:小
【一言】ひっ。起きてないー!起きてないよー!
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はい、バカ確定。だから俺は.....
「タヌキ寝入りしてんじゃねぇ!さっさと起きろ!」
「ひゃん!?」
アテナの尻を思いっきり鷲掴んだ
「ちょっとー?どこ触ってるのー?」
「お前のでかい尻だよ!てか、タヌキ寝入りしてんな!」
アテナの体を支えていた手を解くと、アテナがそのまま背中から真下に落下して.....
「ぎゃん!?」
女の子が出しちゃいけない声で哭いて尻餅をついた
「ふえ~~~ん!お尻痛いよー!痛いー!」
「タヌキ寝入りしてるからだろ。自業自得だ」
その後、グズつくアテナにも依頼を手伝わせて、町に戻った
成果は、
薬草(並)20個で、1000ルクア
薬草(良)12個で、1200ルクア
コボルトの耳10個で、2000ルクア
報酬合計:4200ルクア
身分証分天引きされて、手元には4000ルクアが残ることとなった
こうして俺は、はじめての依頼をこなし、無事身分証を手に入れることができた
「歩~!疲れたー!休みたーい!」
駄女神がまたわがままを言い出した
かく言う俺も、実は色々ありすぎて疲れた
金も身分証も手に入って一安心。さて、宿屋に行きますか!
アユムの所持金:4000ルクア
このお話の歩数:約2400歩
ここまでの歩数:約9060歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:134【↑29】
種族:人間
年齢:26
性別:♂
職業:凡人
称号:女神の付き人
体力:144(+134)【↑29】
魔力:134(+134)【↑29】
筋力:139(+134)【↑29】
耐久:139(+134)【↑29】
敏捷:194(+134)【↑29】
技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.1
固有:ウォーキングLv.134 15/135
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次回、宿屋にいきます




