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共に  作者: 真弘
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共に在る者の意思

 音々は驚きはしたものの、それほど取り乱したりはしなかったおかげで何とか説明することができた。


「つまり……強いって何かを考えてたら、連鎖的に私になった、ってこと……?」


 秋春は「はい……」と呟きながら頷く。

 まるで何かの判決を待つかのように冬夏の横に正座している姿は、先の暴れていた張本人とはあまりに掛け離れている。


「どうだか」


 と呆れているのは、音々よりさらに一歩下がった位置で秋春を見下ろしているリヒター。


「大方、一目惚れして良からぬ妄想しながら生成でもしてたんだろ」

「えっ……ぇえ!?」


 音々はリヒターを見、直ぐに振り向いて秋春を見る。

 向き直った時、彼女の表情は羞恥で赤く染まっていた。


「ち、違います!! ただ……」


 他のクラスメイトが怖がり、避けようとしていた最中でも、声をかけてくれるその心が強さだと思えて、しかしそれは強さではなく優しさなのではないか、と考えていた。

 そう伝えられれば良かったのだが、生憎とこの少年、饒舌ではない上に女性に対する抵抗が無かった。

 あうあう、と吃る秋春だったが、その様子には疚しいところが一切感じられない。

 音々は冬夏に向き直り、


「い、色々言いたいし、聞きたいけど……先に、この子の治療だね」


 自らの守護者を招き寄せる。

 冬夏の目の前に座らせ、撫でてその意を伝えると聖彩は四本の尻尾を拡散させ、微かな振動を始めた。

 羽衣が浮いて円を描き、音色となって振動を周囲に響き渡わせる。それを見遣ってから、音々は冬夏に向き直る。


「この子、守護者なんだよね」

「あ、はい。それは間違いありません」


 問う調子に猜疑が含まれていないのを察し、正直に答えた秋春を見遣って音々は頷き、冬夏へと視線を戻す。


「ネオン」


 恐縮しきっている秋春の変わりに、後ろで自らの守護者の様子に違和感を覚えたリヒターが音々に尋ねた。


「この振動、治癒効果があるのか?」

「うん。私もついさっき知ったんだけどね」


 と、音々は邪魔にならないよう注意しながら聖彩の頭を撫でる。


「さっきの混乱で怪我しちゃった人と守護者がいてね? 私が他の人と怪我人の治療してたら、その間にこの子が守護者の方を治してくれたの」


 ――守護者を看ててあげて。

 治療の間そう言っていただけなのだが、まるで自発的に治療を施してくれたようで、音々は、聖彩をとても誇らしく思う。

 ほう、と感心したようにリヒターは奏で続けている聖彩を見、秋春は確かに生気を取り戻していく冬夏に安堵の溜め息を零した。

 冬夏の怪我を余程気に病んでいたのだろう。秋春の横顔は見る見るうちに活力に溢れていくのが二人の目にもわかった。

 そして、彼女を如何に大切に思っているかも察し、音々は苦笑の笑みを浮かべる一方で、リヒターは冷静に考察する。


(治癒か……。生成と似た波長で自己修復の機能を高めている、ということか……?)


 守護者の体細胞は、レギオン同様大別することは出来ても画一的ではない。

 治したという守護者の傾向も解らないのでは、推測も曖昧にしかできないが、しかしその役割と自己修復能力を持つが故に軽んじられる傾向にある治癒能力は、その実守護者にこそその能力を最大限に発揮させる因子足り得るのではないか。


 そう思索するリヒターを余所に、腕の骨折と頭部裂傷頭蓋骨陥没が改善し、身体を起こそうとした冬夏を秋春が制する。


「お前はもう少し安静にしろ」

「で、でも……」


 その様子に、秋春は違和感を覚えるのと同時に一つの可能性を危惧した。

 そしてそれは、依然消えない胸騒ぎに確証を得るのと等しい。


「もしかして……まだいるのか?」

「っ……」


 生成者の問いに逆らうわけにもいかず、冬夏は躊躇い、躊躇ってやがて小さく「はい」と呟いて頷いた。


「「……?」」


 互いに顔を見合わせ、首を傾げる音々とリヒターは、


「お、お待ち下さい……!」


 と懇願するように、弱々しくも叫んだ声にぎょっとした。


「お前はここにいろ」


 低く、明らかな怒気を孕んだ声に息を呑んだのは三者。

 立ち上がり、場を立ち去ろうとする秋春をリヒターの意を察した彼の守護者が立ち塞がり、その場を制する。


「待て。どういうことだ」


 交錯する視線。

 先に見た殺意にも似た圧迫感は、自らへ向けられているわけではないと理解して尚、尻込みしてしまいそうになる。

 そうならなかったのは、一度経験していたおかげだろうか。


「守護者はレギオンが感じられる」

「「!!」」


 警報が鳴る直前の挙動等、二人にも察するところはあったのだろう。信じたくないという楽観を押さえ込み、秋春の言葉を待っている。


「コロニーの内と外は遮断されてるから解らないんだって。だけど、同じ防衛機構の内側なら、感じられる。それで、レギオンがまだ感じられるって冬夏は言ってる」


 それは、未だ生きているレギオンがコロニー内にいることを意味している。


「だからどうした」


 吐き捨てるようなリヒターの言葉に、秋春だけでなく音々も彼を注視する。


「さっき殺されかけたばかりだろうが」


 腹に傷を負ったとは言え、五体満足で勝てたのは快勝だったから――ではない。

 五体満足で勝つか、五体を失い負けるか。

 レギオンとの戦いとはそういう物だと、現代に住む者なら誰もが知っている。

 思い知らされている。

 故に、守護者という武器を持って初めて人はレギオンという恐怖と対峙することができる。


 卑怯と神に罵られようと、それが唯一レギオンと一対一で相対することのない手段だからだ。


(なのにこいつは……!!)


 今にも殴り合いが始まりそうな二人の空気を察し、音々は間に割って入るように身を乗り出す。


「そ、そうだよ。それに秋春くんだって怪我して……」


 音々は、その言葉の続きに窮した。

 窺い見た秋春の腹部には、破れたシャツと血痕はある。

 しかし、


「嘘……どうして……?」



 傷そのものがどこにも見当たらなかった。



「怪我……してたよね。血の痕はあるし……」

「ちょ、式敷さん……!?」


 屈み、患部だった筈の露出した腹部を触ろうとする音々に、頬を赤らめて後退りする秋春。


(第一段階の初期とはいえ、守護者以上の馬鹿力に回復能力……)


 傷を見た記憶がリヒターにはない故に音々の見間違いかもしれない。

 しかし、攻撃力に関してはもう確信を持って言える。


「守護者以上の化け物だな。お前」

「なっ……」


 リヒターにしてみれば冗談じみた皮肉だったのだが、秋春のトラウマを思い起こして鬱屈とさせるのには十分過ぎた。


「っ……!!」

「……!!」


 冬夏がよろめきながら立ち上がり、ほぼ同時にリヒターの守護者が顔を擡げる。

 緊張感を顕わにする二体の守護者。

 生成者を侮辱されたと感じた冬夏が色めき立ち、それを察して警戒体勢に入った。

 そう推察したリヒターは、



「秋春様!!」



 冬夏の叫びと、自らの守護者が視界を覆ったのを認めた。


「な……どうした!?」


 守護者が生成者を守ろうとする何かがあったことは解る。

 しかしその理由が解らずリヒターは誰に問わず叫んでいた。


「ごめ、ごめんなさい……」


 返ってきたのは、音々の謝罪だった。

 恐怖か困惑か、或いはその両方か判別はつかないが、その声が僅かにでも震えているのが解る。


「私、私っ……」

「二人を遠くへ!!」


 今にも泣き出しそうな音々の声を掻き消す勢いの声は秋春のものだ。


 それに応えたのは、それぞれの守護者。

 聖彩は振動を中断して羽衣と尻尾を用い、リヒターの守護者は尻尾を巻いて生成者を遠ざける。


 その過程、宙に浮いた状態でリヒターは状況を視認した。


(レギオンが……!?)


 復活していた。


 しかし擡げようとする頭部は小刻みに震え、未だ全快には程遠いことは明らかだ。

 脳の伝達系がイカれているのか、殺傷を目指し突き出したのだろう前脚は、音々や冬夏を背後に控える秋春に掠る事もなく空を切り裂いている。

 だらし無く開かれた咥内からだらだらと垂れ流されている体液は、しかし嫌悪感を伴って見るものを恐怖させるには十分だった。


 どうして、とその原因を逡巡。


(そうか……)


 リヒターが気付いたように音々も察してしまったのだろう。

 守護者を治癒させる能力が、レギオンをも治癒させていたことを。


「く、っそ……!!」


 秋春の唸るような苦悶の声には、どこか焦りが感じられた。

 先には幼生体故の“外敵を排除する”という本能からの直接的な攻撃ばかりだった。

 しかしそれは同時に読みやすいとも言え、能力に因っては第一、そして第二、第三段階以上の守護者であれば難無く凌ぐことができる要因でもある。

 しかし、今のレギオンには敵を狙うということすらままならないらしく、支離滅裂に振り回される爪や鎌は一種の弾幕となって秋春は迂闊に近付くことさえできずにいた。


 如何に馬鹿げた腕力を有しようと、所詮は人間の耐久力。

 もし仮に傷の治りが異常に早くとも、心臓や脳を一突きにされてしまえば意味を成さない。

 レギオンと秋春から50メートル程離れた場所に降り立ち、リヒターは両者を見据える。

 先に比べて、にすぎないが、攻撃の速度はむしろ衰えている。


(またウルスが投げ飛ばして……いや、駄目だ)


 支離滅裂であるが故に、その次の手を読めない。

 彼の守護者、ウルスが如何に速く飛ばそうと一か八かの賭けに変わりはない。


(何か……)


 秋春という武器が今はある。

 しかし躱し続けるだけでは精神が摩耗し、いずれ集中力が尽きてしまう。


 幼生体の回復速度の講習などまだ受けていない。

 逃げるのが常套だが、しかし弱っている今こそ倒す機会であることは間違いない。

 逃げるとしても、万が一途中でレギオンが回復して襲ってきた時、第一段階の、それも生まれたてにすぎない守護者二体の攻撃力では打倒は難しい。


 ウルスは元より、音々の守護者も攻撃性に特化した体型ではない。

 各々が有する身体の特殊効果や能力が発露するのは第二段階以降で、それも一年は先の話だ。


 馬鹿げた話ではあるが、現状で唯一レギオンを打倒しうる秋春に迎撃させることを考慮するならば、消耗しきる前に離脱するべきである。

 しかし、逃げて後手に回らず回復する前に先手を打てば寧ろ生存率は高いのではないか。


(どうする……何か……手は……!!)


 堂々巡りの思考は終着を見せず、ただ焦燥が増して余計に空回りを始めてしまう。


「ま、まだ駄目……!」


 すぐ後ろで声がして咄嗟に振り向くと、ふらつきながら進もうとする冬夏を音々が抑えていた。


 頭部に受けた傷。

 その外傷は疾うに塞がり血は止まっているが、レギオン同様脳自体に損傷があるのかもしれない。

 傍目には姉妹のやりとりにしか見えなくとも、片一方は守護者。

 音々に止められてしまうのだから、その消耗が看過できるものでは無いことは明らかだった。


「秋春様……」


 それでも自らの生成者の身を案じる姿に、リヒター、音々は息を呑んで今の状況、その危機感すら忘れてしまった。

 ヒト以外のものは表情に乏しい。

 故に、それを発声や体の一部を用いて表現することが発達している。

 そして、それは守護者も同様だった。


 守護者たる所以か、警戒や戦闘で険しい表情をつくることはあっても、喜哀楽を見せることはない。

 ヒトでいうならば要人警護のような在り方。

 心などなく、その身は生成者の為に。


 そう思っていた。


 そう教えられ、いつしか疑うことすらなくなった。

 しかし、秋春の守護者は完全な人型だからこそ、彼女がとる一挙一動が胸に響く。

 その心情を理解してしまう。


 故に思う。


 この心情が彼女特有のものではなく、すべての守護者が共通して持つものであるとするならば。

 豊かな心があるならば。

 自身の守護者が自分の生成者の危機に際して、表情には出さなくとも本心ではこのように思っているのだとしたら。


 守護者を道具として捉えることの、なんと傲慢なことか。


 知らず二人は、それぞれの守護者を見ていた。

 その表情に、これといった変化は見られない。

 見て取ることはできない。

 自身を完全に矛、或いは盾と見なしているような達観した表情――なのだろうか。


 二人には、断定することは最早敵わなかった。


「秋春様!!」

「いってぇ!!」

「「!!」」


 冬夏が叫んだとほぼ同時に聞こえた秋春の声は苦痛を訴えていた。

 カラカラ、と足元に転がってくるのは石畳の破片。

 レギオンの爪が石畳を砕き、散弾のように秋春を襲って彼を後退させていた。


 そう理解した直後。


「「「!!」」」


 ゴバッ、という音と共にレギオンの背甲殻が持ち上がり、四枚の羽が姿を見せる。

 しかしその姿は直ぐに消え、耳鳴りのような高周波が耳に響く。

 力を溜めるためだろう。僅かに身を屈ませたレギオンは、地面を蹴る反発で宙を舞った。


 飛翔。

 相変わらずふらついてはいるが、その方向性は明らかだった。


「あいつ……逃げてる!?」


 そう叫んだ秋春はレギオンを追おうと体勢を立て直し、


「待て馬鹿」

「ぐえっ」


 ウルスの尻尾で首を絞めらて機先を制された。

 ついでにひょいと手繰り寄せられ、再び一堂に会する。


「ごほっ、ごほっ!! 何すんだ馬鹿!!」

「黙れ馬鹿。あっちから離れてくれたんだ。奴の気が変わらないうちに逃げるぞ」


 そうリヒターは秋春の目を見据えて言った。

 その目には、一切の淀みがない。

 以前見られた秋春への嫌悪感や劣等感、そういった私情など無い真摯な物言いだった。

 それを無意識のうちに秋春も察し、返す言葉を躊躇してしまう。


 そして、音々もまた困惑や恐怖の入り混じった視線で秋春を見ている。

 それは秋春自身に向けた感情ではなく、状況に対して。

 加えて暗にリヒターの意見に賛同している証とも言えた。

 だが。


「……じゃあ、他の人がどうなったっていいって言うのか」


 音々が肩を支えてくれている冬夏の姿に歯噛みする。


「お前と一緒にするな。全員とっくに避難して」


「人だけじゃない!!」


 音々や冬夏だけではない。論破したと思った矢先の思わぬ反撃に、リヒターも声を詰まらせた。


「あいつが居住区にでも行ったら、誰かの住んでる家がなくなっちゃうんだぞ!?」


 それほど限定的な話ではない。

 秋春の視野の狭さを反論する間もなく、彼らは気付いてしまった。

 人的被害が無いこと。

 それは絶対条件だ。しかし、最低条件でもある。

 それ以上を望むのは欲張り。命あっての物種とは言うが、人には生活というものがある。

 家を失えば、職場を失えば、食料を失えば、生活は成り立たない。


 自分が助かればそれでいいのか。

 助けられる力が、可能性があるのに、それを自分のためだけに使うのか。


(……くそっ……!!)


 それは、憎悪していた人間そのものだと気付き、リヒターは爪が肉を裂くのも気に留めず拳を握り締める。


「……それは、お前の守護者がやられたっていう私怨は無いんだな」


 低く、感情を押し殺したような調子の声に、たじろぐ音々とは裏腹に秋春はきょとんと目を瞬き、やがて頭を掻いて苦笑を零した。


「一回……殺したから。それはもういいんだ」


 誇るどころか、むしろ後悔しているような秋春の物言いに、リヒターは仰々しく溜め息を吐いて顔を上げる。

 視線の先は、最早点にしか見えない宙を舞う異形。


「あいつを見失う前に追うぞ」

「え……!?」

「バルトくん!?」


 応えを待たずに走りだしたリヒターと彼の守護者ウルス。

 秋春と音々は目を疑い、状況を理解するのに一拍かかってしまった。


「あいつ……!」


 慌てて追い掛けようとする秋春は、シャツが引き寄せられる思わぬ抵抗と「待って……!」とかけられた音々の声に思わず振り返る。


「式敷さん……」


 その眼差しは、恐怖を抱えながら共に追うことを望んでいるものなのか、或いは追おうとする秋春の身を案じて抑止しようとしているものなのか、秋春自身にはわからない。

 それでも、かけるべき言葉はわかっている。


「式敷さんは冬夏をお願いします」


 かけようとした言葉を忘れる程に、音々は狼狽した様子で俯いてしまう。


「で、でも……また……」


 レギオンを治してしまうかもしれない。

 そのレギオンが、何かを傷つけるかもしれない。


 その恐怖故に、振動が影響する射程範囲を彼女は理解しておらず、目にも見えぬ範囲には流石に届かないだろう、という予想さえ払拭して彼女の行動を妨げる。


 しかし、秋春は「治療はいいんです」と笑う。

 笑う理由がわからず、目を瞬かせている音々に、


「あいつ、見ててくれませんか。何か、ほっとくと無茶しそうで」


 と秋春は言った。


 音々は正直、脱力してしまった。

 応えを待たずに走り去っていく背中を見つめながら漸く我に返った音々は、自分が先の恐怖すら忘れていることに気づく。


 その身を案じるように優しく触れてきたのは、聖彩の羽衣。

 その力を借りれば、二人に追いつくことができるだろう。

 追い掛けて、止めるか。或いは協力するか。

 だが、確かに今は秋春の頼みを聞き入れるべきなのかもしれない。


「守護者も、生成者に似るのかな……」


 ひとり呟いて、尚も追い縋るような眼差しを彼の向かった方向に向ける守護者を見つめる。

 秋春の言う通り、放っておけば彼の下へ向かおうとすることは明白だ。


 置いては行けない。

 連れては行けない。


 三人の生成者と三体の守護者のうち、最も危険なのは冬夏で、彼女を止めなければ彼らの足手まといになってしまうかもしれないからだ。

 それは解っている。

 しかし。


「そもそも前提がおかしいし……自分のこと、棚に上げすぎだよね」


 自分によく似た容姿の、しかし音々自身からすれば自分よりよっぽど純粋な分幼く見える守護者の肩を抱いて、音々は語りかけるようにそう呟いた。

 “守護者に”ではなく“同じ人間に”話し掛けるような調子の言葉に戸惑ったのかもしれない。

 もしかしたら、冬夏も先の台詞と同じことを考えていたのかもしれない。


 冬夏は音々を見上げ、見つめること暫し。

 一度俯いて、やがて再び顔を上げて音々――生成者以外のヒト――に希う。


「音々様……お願いがあります」


以降不定期になります。

読まれているのかすら分かりませんが、すいません。

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