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アウトロー・ザ・ビースト  作者: 彼方夢
第二章 新興勢力

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19/21

あぶりだし

「先輩。本気であんな不良少年の言うこと、信じるんですか?」

 津村に詰め寄っている後輩の新村。

 刑事課に新村の叫びが響く。

 津村は煙草に火を点けてゆっくりと煙を吐き出す。

「実際、天照廻という半グレグループは存在しているからな。そいつらがやったという証拠は無いが、その逆の可能性も否めないんだよ。警察という仕事は疑うべきものはとことん疑うものだ。覚えておけ」

「さすがの慧眼ですね」

 そんな皮肉を言う新村を一睨みしてやる。

「すみません……でも俺、本気で信じられなくて……」

「お前の意見なんて聞いてないし、仕事で意見なんて主張するものじゃない。分かったら早く見回り行ってこい」

「……分かりました」

 新村は椅子に掛けてあったジャケットをつかんで刑事課を後にした。

「若気の至りか……青いな」

 津村もそんな時代があったとついにやけてしまう。

 

 天照廻は今日も葉っぱを売る。

 そのしのぎをケツ持ちの組事務所に支払う、

 金額おおよそ一千万円ほど。

 最近はみかじめ料を滞納していて組事務所から圧力がかかっている。

 どうにかしなければならない。

 頭を抱える轟。

「轟さん。刑事が来てます」

 下っ端の構成員がオフィスの椅子に座っている轟にそう報告する。

「追い返せ」

「いえ。そんなことしてしまうと後が厄介です」

「なんだと?」

「例の事務所の若頭からもあんまり問題を起こすな、と。ここは穏便に済ませましょう」

「てめえ。俺に盾突く気か?」

 構成員は頭を下げた。

 ……こいつ、どんな気か知らねえけど調子に乗りやがって。

「まあいい。分かった。通せや」

「かしこまりました」

 その数分後、くたびれたスーツ姿の刑事が現れた。三白眼が特徴的な男だった。

「お忙しいのに悪いね」

「あ?」

「……いや。どうも、刑事の津村です。そんなカッカするな。今日は話を伺いたくてね」

「デコに話すものはねえよ」

「……口だけは一丁前だな」

「なに?」

 怒りから机を蹴り飛ばしてしまった。

 どいつもこいつもふざけやがって。

 気分を落ち着かせるために葉巻に火を点ける。

 紫煙が天井に溜まる。

 カチン。ジッポの音が響く。刑事も煙草に火を点けやがったのだ。

「なにしてんだ? てめえ」

「……実は、秋葉原放火事件について調べていてね。君たちの関与を疑っているんだよ」

「ちっ、人の話ぐらい聞けよ。――秋葉原放火事件? 知らねえな」

「本当なのか?」

「ああ。本当だよ」

 すると刑事は大笑いした。

 なんだこいつ……

「そうかそうか。信じるよ。……それと、川田悟殺害の件、お前が犯人だろ」

「……は」

「分かった。図星だな」

「いや、待てよ。おい!」

 刑事は立ち上がりスーツのボタンを閉めて去っていこうとする。

 まさかこいつが言ったくだんの秋葉原放火事件というのはあくまでフェイク。川田悟の名前を出して動揺を誘うための。

 くそ。やられた。

 轟は小さく舌打ちをした。


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