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庭師の俺がなぜかお嬢様に誘われて領地に現れたダンジョンを探索しに行くことになった  作者: けろよん


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第7話 ゴーレムとの戦い

 巨大なゴーレムは、今度は両手をゆっくりと振り上げ、地面が揺れるほどの勢いで振り下ろしてきた。その大きな岩の腕は、俺たちにとってはまさに壁や天井のような存在だ。


「カナデさん! 気をつけて!」


 マリアが叫ぶが、俺はその言葉を無視するわけにはいかない。彼女を守らなければならないのだ。


「お嬢様、下がってください!」


 俺は一歩前に出て、すぐに周囲の状況を見回した。ゴーレムの攻撃を避けるだけではなく、反撃する方法を考えなければならない。


 ――庭師として、俺が育てた植物のスキルを使うしかない。


「この木の枝、使えるか……?」


 俺は足元に落ちている木の枝を手に取ると、そこから周囲にある植物の力を感じ取った。しっかりと根を張っている植物が周囲にあり、そのエネルギーを引き出すことで、何かしらの反撃ができるはずだ。


「よし! これならやれる! この場にある植物たちよ! 俺の願いに応えてくれ!」


 俺は木の枝を大きく振り上げ、周囲の植物に力を送った。すると、地面から蔓がうねり、ゴーレムの足元に巻きついていく。植物が素早く成長し、ゴーレムの足を絡め取る。


「これで少しは動きが止まる!」


 ゴーレムはもがきながらその足を引き抜こうとするが、蔓はどんどん絡みつき、動きを封じ始めた。


「すごい……! カナデさん、すごい! あなたも魔法が使えるんですのね!」


 お嬢様が驚きの声を上げるが、俺のこれは正直言って魔法ではない。植物と力の受け渡しをしているだけだし、植物の協力がなくては使えない。可能とするのが俺が庭師として育んできた自然と調和する力だ。

 俺はその隙にさらに周囲のエネルギーを使ってゴーレムに向けて力を放つ。今度は、空中に浮かぶ枝を一気に弾けさせ、突如として木の針がゴーレムの肩に突き刺さる。


「これで弱点を狙えるはず!」


 ゴーレムはうめき声を上げ、暴れながらも膝をついてその動きが鈍くなった。俺はその隙をついて、木の枝をさらに操り、ゴーレムの隙間に針を打ち込んでいった。


「カナデさん、すごい! 私も手伝うわ!」


 マリアが杖を振り上げ、魔法のエネルギーを放つ。彼女の魔法がゴーレムの頭部に命中し、火花が散った。しかし、その魔法もゴーレムの硬い体には効き目が薄いようだ。


「お嬢様、あまり無理はしないでください! あなたの魔力も大事ですから!」

「大丈夫ですわ! カナデさんが頑張っているんですから、私も頑張れます!」


 マリアは力強い言葉を返し、今度はゴーレムの体に向けて魔法を放つ。目に見えてゴーレムの動きが遅くなる。だが、依然としてその巨体は脅威だ。


 そのとき、俺はふと思い出した。庭師として、俺はただ植物を育てるだけではない。土や根っこ、自然の力全てと共に生きてきた。その力を最大限に引き出す方法を、今こそ試すべきだ。


「お嬢様、少しだけ引いていてください。これで決めます!」


 マリアは戸惑いながらも頷き、俺に従う。俺は再び地面に目を落とし、周囲の植物に力を込める。そして、根を深く張った植物のエネルギーを全て集め、一気にゴーレムに向けて放った。


「行けっ!」


 その瞬間、ゴーレムの足元から大きな木の根が一気に飛び出し、ゴーレムの脚部に絡みつく。さらに、全身を包み込むようにして木の蔓がゴーレムの体を拘束し、その動きを完全に止めた。


「これで……!」


 ゴーレムは激しく身をよじりながらも、完全に動きを止める。俺の力とお嬢様の魔法が相まって、ついにその巨大なモンスターは倒れることとなった。


 ゴーレムが倒れた音がダンジョンの中に響き渡り、静寂が戻った。


「やりましたわね、カナデさん!」


 マリアが駆け寄ってきて、目を輝かせながら言った。彼女の顔には、戦いの疲れと興奮が混じったような表情が浮かんでいる。


「お嬢様が無事で良かった。危険でしたから、無理はしないでくださいね」

「ええ、でも……カナデさんのおかげよ。あなたがいなければ、私はここまで進むこともできなかった。これを受け取っていただけませんか?」

「この指輪は……?」

「ただのお守りですわ。変な勘違いはなさらないでください!」


 マリアは笑顔を浮かべ、俺の肩を軽く叩いた。その笑顔は、俺の胸に温かいものを感じさせた。


「ありがとう、カナデさん。これからも頼りにしてますね!」


 その言葉が、今までの疲れを一気に癒してくれた。俺はその言葉に応えるように、軽く頷きながら、また前を見据えた。


「まだ、この先に何かあるかもしれません。油断はできません。気を付けて進みましょう」


 マリアは頷きながらも、その目は前に進む決意に満ちていた。彼女の姿勢には、どんな困難にも立ち向かう強さが感じられる。

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