お盆の守護神
お盆限定ボディガード
夏はイベントが多い。
イベントが多いと増殖するのは不埒な輩。
望遠カメラを装備して、薄着や水着姿の女性子供を狙う犯罪者。
お盆の期間、彼らが欲望のままカメラを向けると不可思議な事が起こる。
女性の前に、血塗れの武士が。
子供の前に、蒼白い顔をした着物姿の老婆が。
数多くの手が、足が、骨が、人間だったものが。
恐ろしくなった犯罪者たちは逃げて行く。
『我の子孫を穢す者は斬る』
『日本男児の風上にも置けないな』
『うちの孫に変な目を向けないで欲しいねぇ』
『此方に来たら覚悟しておけよ』
私たちの守護神が、今年も精霊馬にて帰還する。
〈終〉