【プロットタイプ】パーソナルスペース
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
諭羅って、バスとか電車とかで隣に座られるの、内心心苦しく思ってそうだなと。
瑠衣や鏡花に言わせると、私は潔癖症であるらしい。これは『素手で物に触れない』、『この世のあらゆる物を汚い』と判断する訳ではなく、パーソナルスペースの広さに由来するものだ。
自分の世界に見知らぬ誰かを入れたくない。遠くへ行って欲しい。そういった思いはやはり常々どこかしらにある。
あまりにも身勝手な言い分である事は理解しているけれどもね。
妹と共に外へ出掛ける事になった。何処へ行く訳でもない。ただ街並みを眺めたかった。そこで電車が来るまでの間、駅のホームのベンチに二人で腰掛けた。
「兄さん、あのね。昨日のテレビで……」
妹が嬉しそうにテレビの話をしている。見知らぬ人に話し掛けられた事が切っ掛けで、そのまま十年来の付き合いになった。中々出来ることじゃない。という物だった。
私はその話を笑顔で聞きながら、心では全く別の事を考えていた。
絶対に私には『真似出来ない』と。そもそも見知らぬ人に話し掛けられる事は疎か、挨拶されるのも得意じゃない。一度知り合いだったか脳裏で確認する。
見切らぬ人間を見知った人の様に扱う事が出来ない。そんな事をしたら、自分の中の大切な何かが染まってしまう様に思えた。
「それでね……」
「うん」
私の隣の席に見知らぬ人が座る。すると頭の奥の方が覚醒して、意識の半分が隣に向く。
隣に腰掛けた人、私の左隣二つ目の席が空いてなかったのか。もしも空いていたら、座ってくれると有難い。私の腕が、貴方の腕が私に当たるのは、双方に害しかないだろう?
そしてそんな予測は最悪の形で実現する事になる。隣人が立ち上がった拍子に持っていた物が指から零れ落ち、私の足元で散らばった。
内心のやるせなさ。干渉を拒み続ける私への挑戦。其れをどうにか押し殺し、拾った物を笑顔で手渡す。
「どうか、お気をつけて」
「あ、どうも」
バレてはいないはずだ。私の心に浮かんだ嫌悪感も、距離を置いて欲しいという願いも。今までそうやって誤魔化して来たのだから。
「兄さん……」
「ほら、私達も乗るよ」
君にはバレているけれども
並んだ座席があるとするじゃないですか。
〇人〇〇〇人〇ならば、〇人〇私〇人〇で座ります。
絶対に隣合って座らない。触りたくない。絶対に。
そんな事言うと『俺/私のことが汚いって言うのかよ!!』と言われそうですが、そうではなく。
気を使うから。触りたくない。絶対に。
ちょっと肘が当たっただけでも
『ごめんなさいね。今凄く不愉快でしょう? 私に触られて喜ぶ人がいるとは思えないし、貴方も私に触りたくない。
貴方が美人だとか、私の知り合いとか関係なく、触る触られるの関係が苦手。
だから問題起こさない為に、互いに触らない関係でいましょうね?』
という意見から。
申し訳なさと、触れた時の脳内電気信号で神経すり減らんすんです。
だから座る時は、可能な限り肌が触れ合わない様に、小さくなります。
責められる前にお伝えしておくと、私が異常なんですよ。パーソナルスペースが激広。
だから諭羅と動揺に『此奴変わってんなぁ』ぐらいに思っていただけると。