第97話 ユリユリと言えばやはり、硬派の女性走り屋でしょう? (14)
と不満を漏らしますから。
「そ、そう……。それは良い事だな……。亭主元気で留守が良いしね……。あっ、ははは……」
優さまは憤怒しながら、自分へとジワジワと向かってくる彩さまに対して笑い誤魔化しながらジワジワと下がりつつ言葉を返せば。
「──彩、ごめん! うちが悪かったよ〜! ごめんよ〜! そんなに怒るなよ〜!」
我がチーム【堕天使】の親衛隊長さまは、副総長さまの家庭を持つ主婦の強さと威圧力に耐えきれなくなり、絶叫交じりで謝罪をおこないつつ、私達がいる陸橋の上から逃走を計る。
そんな優さまの背を彩さまは、
「優~! 待ちなさい〜! 逃げるなぁ~! こらぁ、ああああああっ!」
と、御自身の片手を上げ──! 声を大にして叫びながら優さまの背を追う。ト◯とジ〇リーのような追いかけっこを私達は、
「「「「「あっ、はははははは」」」」」
「「「「「わっ、はははははは」」」」」
「「「「「うっ、ふふふふふふ」」」」」
と、ほのぼのとした雰囲気の中で笑いながら見詰めるのです。
だから私が所属したユイお姉さまのレーシングチーム……。
まあ、世に謳われる恐ろしい、《《暴走族のチーム》》とは、少し違うようで大変にほのぼのとしたチームなので本当によかったと思う私でした。
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