第9話 絶叫!
「フン、フ、フン、フフフ~♪ フンフン~♬」
私は広島の春の大イベント! 《《フラワーフェスティバル》》! を大変に御機嫌良く楽しめたので、スキップ、ランラン~♪ としながら平和公園の端──。元安川の川沿いを電車通り──。執事のセバスチャンの指示通りのタクシーを拾うために春風吹く中──!
春風も温かくて気持ちがいいな~! と思いながら。
私は嬉しそうに歩き続けるのでした。
「きゃぁ、ああああああっ!」
「いや~ん」
「辞めてください~!」
私が御機嫌麗しく、スキップ、ランラン~♪ と歩いていると、こんな声……。若い娘! 少女達の絶叫がドラマや時代劇のように何処からともなく聞こえてきました。
だから私はスキップ、ランラン~♬ する行為を辞めて、立ち止まり。辺りをキョロキョロと見渡して見た──!
でも普通に沢山の人達がザワザワと普通に歩いている……。
そう誰も私のように少女達の絶叫を聞き、己の足を止め、困惑した表情や首を傾げつつ、辺りを見渡すような人達は一切見当たりませんから。
う~ん、私の気のせい! 空耳! 勘違い! と言う奴かしら? と、私は考える人になりながら呻り、思案をするけれど。
やはり、私の周りを何度も見て確認しても、自分のように足を止め、キョロキョロと困惑しながら探索する人は見当たらない。
だから私は辺りをキョロキョロ……。挙動不審な行為をするのと、考える人になる行為も辞めて、また電車通りへと向けて歩き始めるのでした。
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