第72話 あっ! そう言えば? (1)
「うわ~ん、うわ~ん」、「酷い~、酷い~」
そして最後に止めは~?
「お姉さま~! 《《麻宮ユイさま》》~! あんまりでございますわ~! 私は家を捨て~、ユイお姉さまと~、逃亡~。逃避行を~、する覚悟でこの大変に偏差値の低い、お馬鹿さんなぁ、学園へと転向をしてきたのに~。あんまりですわ~。あぁ~ん、あぁ~ん」
と、地面にへたり込み、泣いて、《《麻宮ユイさま》》と。その取り巻き……。まあ、お連れさま達を大変に困らしている冒頭シーン……。
そう私の過去の悲惨な思い出と……。キラキラ輝いた~! ときめいた~、日から~! 現実世界へと戻ってきたのですが~~~!
《《麻宮ユイさま》》は、以前のお嬢さま~! 質素~! でも煌びやかな、清楚のナチュラル化粧の私ではなく、積み木を崩した奇抜! 怖い! 恐ろしい!
『まあ、お嬢様がグレてしまいましたわ~』
『我が家のお嬢さまがヤンキーになられてしまいましたわ~!』
『ああ、どうしましょう?』
『どうしたものでしょうか~?』
我が白鳥家に勤めるメイド達が、自分の顔色を変え、慌てふためくような傾奇者──。厚化粧ですから、《《麻宮ユイさま》》は自分がフラワーフェスティバルの中日……。四日の日に、私を変態強姦魔からの凌辱行為から助けたことをすっかり忘れていると言うか?
ユイお姉さまは私のことを気がついてくれないから。
「酷い、酷い……。あんまりですわ……。ユイお姉さま……。私は泣くほど、貴女さまのことを慕っているのに、気がついてくれないのはあんまりですわ~」
私はエンエンと泣きながらまた麻宮ユイお姉さまへと不満を漏らせば。




