第71話 ヒーローさま無双! (10)
だから私はまた自分の顔を桜色に染めつつ、身体を火照らしながらお姉さまの麗しい容姿に見惚れ、見惚れ……。最後には「でっ、へへへ」と気味悪く笑いながらお姉さま魅入っていると。
「ファン!」、「ファン!」、「ファン!」
とパトカーのサイレンが聞こえてきたらしいのですが。私はパトカーのサイレンに気がつかないほど、お姉さまに魅入っていれば。
「あばよ~!」、「達者でなぁ~!」
ヤンキーの姉ちゃんさまは、遠〇の金さんのような正義の味方の捨て台詞を告げ、私達の前から怪盗21面相のようにサッ! と消えていなくなりましたが。
私達はその後、警察の方達から色々な調書を執られ。お父さまとお母さまが中央署へとこられてからは本当に大変なこととなり。県議や国議の叔父さま達はくるは、弁護士の先生はくるはと……。
私に手を上げ、制服まで剥ぎ取ったヤンキーの兄ちゃんさま達だけではなく、彼等の両親にも、このままタダでは済まさないからと脅迫までする始末で……。本当にあの日は大変な日でしたが。
私自身が本当に大変なのは後日からで……。
私は冒頭で説明をした通りで、ヒーローさまを執事のセバスチャンに嘆願をして探索する日々が続きました。
そして私はヒーローさまを探索してこの通り……。
私はヒーローさまこと、《《麻宮ユイさま》》をやっと見つけ挨拶……。
私もお嬢さまの清らかな学園制服から、セーラー服のヤンキーファッションへと変身して、麻宮ユイお姉さまへと仁義をきった言う訳なのでした。
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