第67話 ヒーローさま無双! (6)
だから地面を枕にのたうち回るヤンキーの兄ちゃんさま達──。変態男達は更に刹那に陥るから。
「痛い!」
「痛い!」
「助けて~!」
「助けてくれ~!」
「俺達が悪かった~!」
「悪かったよ~!」
「だから頼むよ~!」
「許してくれよ~!」
「お願いだ~!」
「許して~!」
と、彼等は悲痛な顔で涙を流しながら、悲惨な様子で私達のヒーローさまへと嘆願をする。
まあ、続けたのですが。
しかし、私達のヒーローさま! ヤンキーの姉ちゃんさまは! それでも彼等のことを……。
そう、いまだに制服……。身ぐるみを全部剥ぎ取られ、シクシクと泣いている乙女達もいる訳ですから、正義の味方は悪を許しはしないので。
《ドン!》
《ガン! ガン!》
《ドカン! ドカン! ドカン!》
と、ヤンキーの姉ちゃんさまは、二人のヤンキーの兄ちゃんさま達へと芯なし、ペッタンコ学生カバンの角攻撃と足蹴り、足踏み攻撃──。連打攻撃をリズムよく繰り返して、悪人達を凌駕し続ける。
だから最後の一人……。
そう三人目のヤンキーの兄ちゃんさま……。先ほど私の隣のクラスの乙女の頬を叩いたヤンキーの兄ちゃんさま……。
今までは自分の友人達が私達のヒーローさまに天誅! 天罰! を加えられる様子を唖然、呆然と見ていただけの、彼でしたが、慌てて立ち上がり──!




