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第63話 ヒーローさま無双! (2)
だから彼の頭から。
《ガン!》
とよい音がしたのと。
「うぎゃ、ああああああっ!」
と絶叫が吐かれ。
「痛ぇ、痛ぇよ……」
と悲痛な声も漏らしました。ヤンキーの兄ちゃんさまはですね……。
それも彼の頭からも血がタラリ……。タラタラ……と生温かく垂れて来たみたいですから、彼……。
女の身である私のことを汚くも三段式警棒で殴り回したヤンキーの兄ちゃんさまの口から更に言葉が漏れてくるのですよ。
「お、俺の頭から血が……。血が垂れてきた……」とね。
だからその後彼は、自分の頭に大きな傷を負ったことがわかり。
「うぎゃ~、うぎゃ~! 痛ぇ~! 痛ぇ~! 痛ぇよ~! 誰か~! 誰か~! 救急車を呼んでくれ~! 頼むよ~、頼む~!」
と、自分の頭の傷口……。血が垂れる箇所を手で抑えつつ、その場で上半身を屈ませながら悲痛な様子で佇みつつ声を漏らし、助けを求めるのですが。




