第61話 ヒーローさま! (19)
だってヒーローさまは、私の身を庇う、お優しい言葉を変態ヤンキーの兄ちゃんさまへと告げると彼をまた前蹴り! と足踏み! を数発入れ──!
「すいませ! すいません!」
変態ヤンキーの兄ちゃんさまが謝罪を言葉にだすと。
「貴女、大丈夫?」
ヒーローさまは優しく私へと手を差し述べてもくれたのです!
それも私へと大変にお優しい微笑み……。
そう、まさに~! 《《女神さま》》の微笑みを私へとお優しいからくれました。
だから私の胸は更に『ドン!』、『ドキュン!』と愛と言う名の拳銃で射貫かれてしまい。私の鼻血はブ~~~! と吹き出そうになり。
その後はクラクラ……と目眩が……。
それでも私は何とか自尊心を保ちつつ、自分の淫ら、魅惑的な姿……。下着姿……を自分の両腕で隠しつつ、羞恥心に耐え忍びながら。
「は、はい。何とか大丈夫です……。本当にありがとうございました……」
私はシクシクとちゃんとまだ泣きながら、慎ましく……。
私のヒーローさま……。ヤンキーの姉ちゃんさまに惚れたことを悟られぬようにお礼を告げれば。
「お姉さま~、危ない~!」
私の隣のクラスの乙女の一人からヒーローさまへと危険を知らせる言葉が放たれ──!
《バチン!》
「きゃ~!」、「痛い!」
と、叩く音と絶叫、悲痛な叫びも聞こえたから。
私とヒーローさまの二人は、あの日仲良く、声の出た方角へと視線を変えるのでした。
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