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第55話 ヒーローさま! (13)
《ドン!》
「うげっ!」
「きゃ〜!」
私がこれで何度目になるかわからない。
『いや〜ん』、『だめ〜』、『そこはだめよ〜』と、ヤンキーの兄ちゃんさまに抗っていると。
私に馬乗りした状態で、御自分の着衣していたダボダボの学生ズボンのペルトを外して、ファスナーを下げ、脱ぎされていたヤンキーの兄ちゃんさまが、急な打撃音と共に私へと倒れ込んできました。
だから私はヤンキーのお兄さまの顔……。唇が私へと倒れ込んできたので、気持ち悪から絶叫を上げました。
でも私はみなさまの知っての通りで、武に嗜みもある者ですから。
《ヒョイ》
私は器用よく、ヤンキーの兄ちゃんさまの好みではない顔を避けると。
「えっ! 貴女は……」
と、私は気持ち悪いヤンキーの兄ちゃんさまの顔を避けると、セーラー服を着衣した他校の生徒と目が合い、驚嘆して尋ねました。
◇◇◇




