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第36話 令嬢様、絶体絶命! (1)
《ドン!》
痛い……と、私が思いながら自分の華奢肩へと手を当て──。痛みに堪え兼ねながら、自分の腰を丸め、屈み込めば。
「このクソが! 調子に乗るなぁ!」
ヤンキーの兄ちゃんさま達の一人から荒々しい声が吐かれて。
《ドカン!》
あの時私は、ヤンキーの兄ちゃんさま達の一人から背後から丸めた腰を蹴られ。
「きゃ~!」
と絶叫を上げ──!
悲痛な顔で前に勢いよく倒れ込んで地面を枕にして呻る刹那な状態へと陥ってしまう。
まあ、本当に可哀想な乙女へと転落してしまう。
しかしだヤンキーの兄ちゃんさま達は、超悪人! 悪者! 悪の秘密結社だから! 地面を枕に。
「うぅ、うううううう」、「い、痛い……」
悲痛な顔で呻る、私に優しく、紳士らしく接してくれるような殿方ではございませんから。




