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第33話 令嬢様、無双! (3)
「うっ!」、「おぇ~!」
私へと殴りかかってきたヤンキーの兄ちゃんさまは刹那状態へと陥り。
その場で悲痛な顔をしながら。
『ドン!』
と膝をつくから。
私は奴の顔へと。
『うりゃ~!』
と、心の中で叫びつつ横蹴りを加える。
《ドン!》
「うわぁ、ああああああっ!」
ヤンキーの兄ちゃんさまの顔の正面に私横蹴りが鋭く入り、刹那……。
彼は鼻血と絶叫をだしながら、後方へと跳ねるようにひっくり返り。
「いだ、痛い、痛い、痛い……」
彼は私の鍛えられた鋭い横蹴りを無防備に顔の正面へと食らったので、地面を枕に横たわりながら、己の顔の痛みに耐え切れず、芋虫のようにゴロゴロと転がりつつ喚き、叫ぶ、悲惨な様子へと陥る。
だから私、白鳥可憐の大勝利……と言いたいところですが。まだヤンキーの兄ちゃんさま達は残り二人もいますから。
私はファイティングポーズを解くことはしないで空手の模擬戦のように、自分の身体を前後に飛び跳ねながら、いつでも戦えるリズムをつくりつつ相手……。ヤンキーの兄ちゃんさま達二人の出方をピョンピョンと窺いました。




