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第31話 令嬢様、無双! (1)
「かかってきなさい……」
私が空手の中段構えの状態で左の指を使用して、ヤンキーの兄ちゃんさま達へと向け──。ブ〇ースリーのように指で『クイクイ』と挑発しながら、あの日は誘いました。
するとヤンキーの兄ちゃんさま達は、私の挑発を見て真っ赤な顔……。
そう、彼等は容姿に違わぬ、悪人さまですから、赤鬼の如く形相で私へと悪態……。
「おい! クソアマ! 俺達を舐めているのか!?」
「縦ロール! 只では済まさんぞ!」
「ぶっ殺してやる!」
ヤンキーの兄ちゃんさま達は、あの日私へと威嚇しながら唸り、恐ろしい怒声を吐いてきましたが。
私は彼等に対して今度は怯えず、落ち着いた様子で。
「私への不満や怒声の方はもういいですから。貴方達……。早く、私にかかってきなさい……」




