第30話 己の身の危険を感じる! (3)
「白鳥さま……」
「可憐さま……」
「私達のことはもういいです……」
「貴女さま、だけでもお逃げください! 今直ぐ~!」
「私達!」
「私達は!」
「どうなってもかまいません……」
「だから白鳥可憐さま……。貴女さまの純血だけはお守りください……」
「おねがい!」
「おねがいします!」
「早く~、この場から逃げて~!」
「白鳥可憐さま~~~!」
隣のクラスの乙女達は、自分達の純血はどうなってもいい。かまわない。
だから貴女は~! 私は~!
やはり弱い者……。口ばかりの偽装正義の味方だから、この場から今直ぐに逃げろー! 退散をしろー! と急かし勤めるのだー!
だから盛りのついたオスと化しているヤンキーの兄ちゃんさま達に怯え、震えていた私の口から「えっ!」と声が漏れる……。
そ、そうだった! 私はこの娘達を救出にきた正義の味方……。主人公さまだったことをもう一度思い出すから……。
「はぁ、あああああああ!」
と大きな声で気合と気勢を上げスーパーサ〇ヤ人となるから。
「ヤンキーの兄ちゃんさま達……。かかってきなさい……。この私……。白鳥可憐が貴方達成敗……。〇に代わってお仕置きよ!」
と、主人公さまらしく、カッコ好い台詞を告げ。
空手五段のセバスチャンから『可憐お嬢様、護身術です!』と幼少期から教わり、叩き込まれた空手の技……。中段構えで私は、ヤンキーの兄ちゃんさま達をジロリ! と睨み、威嚇をしつつ、彼等の出方……。様子を窺うのだった。
◇◇◇




