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第254話 可憐様の親友様は慌てて頭をさげる(8)
「……し、新ちゃん、じ、実はうちね……」
安子さまが私へと喧嘩を売ってきている癖に、急にしおらしくして、御自身の彼氏、新ちゃんさまへと甘え声音を急に使い分けて、モジモジ、ソワソワと、彼にしか見せないぶりっ子仕様へとモードして声をかければ。
新ちゃんさまは「……ん? 何だ?」と、私の愛馬ペガサスに見惚れる行為を辞めて安子さまへと視線を変えると。
「……可憐、彩や優、幸の言う通りよ……。流石にペガサスでここまでくるのはいきすぎ、ドラマの撮影ではないのだから、二度とペガサスで路上を騎乗して走るのは禁止。──わかったわね、可憐? ──あなたがこんな突拍子もないことをするものだから、爺やパパも本当にびっくりして心配をなさっているのよ。わかった、可憐? 二度とこのようなことはしない。でかけるときは、自分のパッソルかマッハできなさいね、わかりましたか?」




