21/268
第21話 勇気の無い、私……(3)
学園では常日頃は友人や知人達に対して私は、
『ほぉ~、ほっ、ほほほほほほ~』
とお嬢さま高笑いをしながら威勢のよい、強気発言……。
『私は世の悪を許しませんわ~!』、『悪者は遠〇の金さんみたいに切り刻んで天誅を加えてやりますわ~!』、『ほぉ~、ほっ、ほほほほほほ~!』
と友人、知人へと日常茶飯事に告げているから。
『可憐さま凄いですわ~!』
『花蓮さまはカッコ好いですわ~!』
『可憐さまは素晴らしいですわ~!』
私はいつも友人、知人から絶賛! 歓声! を受けては自己満足していたのに。いざ私が本当に、このような恐ろしい場面に出くわせば下を向き、素知らぬ振りを決め込むような情けない少女ですから。私は自分自身が情けなくて仕方がない……。
そう私は自分が本当に嫌いになるくらい、言葉と行動が供わない者……。情けない者……。愚かな者だったと自戒しつつ、私は自分の両耳を手で押さえ──。
「いや~ん」と叫びながら。
あの日の私は情けない者ですから慌てて、あの場を駆け足で後にしたのでした。
◇◇◇




