20/266
第20話 勇気の無い、私……(2)
そしてダボダボの学生ズボンはドカン、ハカマ、ヨコスカ、ボンタンと呼ばれるタイプの物を着衣した。如何にもワル! 極悪そうなヤンキーの兄ちゃんさま達ですから。我が校の乙女達に声をかけられた殿方達は、厄災に巻き込まれたくないので、自分の顔を青ざめ、冷や汗をかきつつ素知らぬ振りを決め込み、足早に過ぎ去っていく。
これ! この光景! を私は先ほどから遠目ではございますが。見て観察を続けていますが。
私も他人に対してどうした、こうしたと一丁前! 生意気! に物申すことなどできるような立場の者ではなく。
私自身のヤンキーの兄ちゃんさま達が恐ろしくて震え、他人事のように見ている。
それも私自身も厄災に巻き込まれたくはないから、もう既に泣き叫んで助けを呼ぶ! 求める! 彼女達のことを、他人顔をしつつ遠目から様子を窺っている、本当に情けない者でございますよ。私も……。




