第199話 可憐様は御友人様の為に舞うのです!(4)
超悪者変態なヤンキーの先輩さまは、安子さまの柔らかい頬や首筋へとタコのようにチュチュと接吻の雨嵐を降り注ぎ、彼女の柔らかい胸まで薄手の派手なサテン風開襟シャツの上からニギニギの鷲掴みまでしながら。
安子さまを公園の暗闇……。人気の無い場所へと誘うから、彼女もシクシクと涙を流しつつも覚悟を決めて。
「……ちゃんと避妊をしてくださいね。先輩……」と嘆願をする。
「おう、わかちょぉる。わかちょぉるけぇ、安子ちゃん……。その辺は儂の方もちゃんとするから心配せんでもえぇから」
超悪者変態なヤンキーの先輩さまは心を弾ませ、躍らせながら避妊等する気はない……。
そう今宵で安子ちゃんを妊娠させ、自分の妻にするつもりでいる癖に嘘偽りをシクシクと可哀想に泣く、彼女へと告げつつ、スカイラインの車内の方でも、新ちゃんさまの方も自分の彼女さまが寝取られるされることに関して悟り。
新ちゃんさまも『ワンワン』と泣きながら。
「安子~!」、「安子~!」、「行かないでくれ~!」、「俺の事はどうなってもいいから~!」、「頼むから~、そのクソ男とは行かないでくれよ~! 安子~!」と。
大好きな彼が泣き叫んでいようとも、安子さまは大事な彼氏さまの命を助けたいから、人身供養になるために、超悪者変態なヤンキーの先輩さまと共に公園の暗闇……。藪へと向かって歩き始める。
そんな彼女の弱々しい背も、新ちゃんさまの二つの瞳には段々と映らなくなるから、彼は肩を落とし、廃人のように落胆をしてしまうのでした。
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