第18話 行ってみると? (7)
『ペロリ!』と、各自各々が自分の唇を舌でいやらしく舐めて……。
「美味しそう」
「美味そう」
「これはもう堪らん」
と、ヤンキー兄ちゃんさま達は、御自身の目尻、口の端、鼻の下を伸ばしながら、いやらしく笑いつつ、乙女達を強引に引っ張り、連行しながらこの場を後にしようと行動……。試み始めだしたのだ。
だから我が校の乙女達……。私の隣のクラスの娘達は。
「誰か~、助けて~!」
「助けて~、お願いします~!」
「誰か~、警察を呼んできてください~、お願いします~!」
「誰でも良いから~、警察を~、お願いします~!」
「そこの貴方~!」
「そこの人~!」
「そこを歩く殿方~!」
「私達を助けてください! お願いします!」
私の学園の乙女達もヤンキー兄ちゃんさま達に腕を掴まれ、強引に引っ張られ、連行、攫われていく中でもこのように通りすがりのおじさま達や社会人のお兄さま達……。フラワーフェスティバルへと友人達とワイワイ、ザワザワと和気藹々……。楽しそうに会話をしながら歩く、他校の普通の生徒、真面目な男子生徒達に嘆願をして抗うのですが。
みなさんは私と同じで、厄災に巻きこまれたくはないので聞こえていない振り……。見えて無い振り……。
まあ、素知らぬ振りを続けながらすれ違うのだけれど。我が校の乙女達はそれでも諦めずに、御自身の目に涙を一杯貯めながら落としつつ絶叫交じりで、自分達の助けを求め、叫び続けたのでした。
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