第170話 彼は可憐様の御友人を守るために頑張るみたいです? (4)
そう彼は御自身の額や背に冷や汗をかきながら、ヤンキーの先輩さまから安子さまを守ろうと必死に誤魔化した。
しかしヤンキーの先輩さまも容姿端麗な安子さまの御身体をご賞味したいと狙っていたようですから。
「……あの女には車でドライブに行こうやぁ~、とか言って誘え、分かったな、新?」と。
安子さまの大事な新ちゃんさまを鋭く睨み、脅すような重圧ある声音で、任意ではなく強制的に告げてきた。
それでも新ちゃんさんは安子さまのことが愛おしい、誰にも触れ、触られたくはない。
だから新ちゃんさまは勇気を振り絞り、地元の恐ろしいヤンキーの先輩さまへと。
「えっ! そ、それでも安子がドライブに来るか、どうだかはわからんけぇ……」とまで言いかけるのですが。
「──新、お前! あの女が今晩来ん、かったら、どうなるかわかちょぉるの? 二度と地元を歩けんよぅにしちゃるけぇ、覚悟せいやぁ、新……?」
ヤンキーの先輩さまは悪人らしい台詞で再度新ちゃんさまへと威圧……脅しをかけた。
「……ええ、分かりました、先輩……。今晩安子を誘い、必ず連れてきますね……。だからいつもの公園近くの自販機の所に車をつけて待ちょぉてください……」
新ちゃんさんは自分の肩を落とし、落胆しながら弱々しい声音で、恐ろしいヤンキーの先輩さまへと致し方がなく了承……。
自分の大事な彼女を差しだすと告げるのでした。
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