第162話 可憐様は御友人の動向を窺うようです(5)
安子さまの監視をしている特攻隊のメンバーさま達の中からこんな言葉が漏れると。
「うん」
「……かな?」
「多分大丈夫かな?」
「いけていると思う?」
と、その他にも諸先輩さま達が安子さまと新ちゃんさまの恋愛は、彼が遊び人で彼女を騙し、酷いことをする。
そう麻宮ユイお姉さまや私へと新ちゃんさまの本性は酷い男だから、気をつけてくださいと忠告をくれた彼女のような酷い目に遭うと言ったことにはならないのでは? と。
特攻隊の諸先輩さまや同級生のみなさま達が微笑みつつ、安堵した表情で次から次へと申されますから。
「まあ、安子はぼんやりとした様子だけれど。沢〇靖子似の美人だから、流石にあのイケメンもあいつに惚れて。あいつを騙し、呼び出して、自分の先輩達へと差し出すのが欲しくなったじゃないかな? あっ、はははははは。先輩達や皆も、そう思わん? あっ、はははははは」
私と一緒で安子さまと口論……。偶には髪の引っ張り合いや張り手……。
まあ、殴り合い、蹴り合いまでするほど仲がいいクラスメイトの山田さまも、監視している特攻隊のみなさまへと安子さまと新ちゃんさまの仲は慎ましいものだから大丈夫のようですよ、と笑いながら告げた。




