第158話 可憐様は御友人の動向を窺うようです(1)
「セバスチャン?」
私は学園の前へと、我が家の執事のセバスチャンが運転する、お向かい用の日産のプレジデントに乗り込むと──。運転する白髪の紳士の彼へと声をかける。
すると執事のセバスチャンはバックミラーへと視線を変え。
「……ん? 何で御座いましょうか、可憐お嬢様?」
と尋ねてきた。
だから私は執事のセバスチャンへと、ドラマや特撮ヒーロー、アニメ等に出演している政治家さまや正義の味方の指令さま、隊長さま……。
そして少女のマンガの主人公達を虐めに、虐めて『エンエン』と泣かしている悪役令嬢さま達のように。
「──我が白鳥家お抱えの興信所に頼んで安子さまの行動を監視させるように……。そして安子さまの身に何か起こりそうな様子……。彼女が愛する新ちゃんさんに逢うのではないか? と言った様子にでもなれば私へと直ぐに御連絡をください、おねがいします……」
と重圧ある声音で下知をくだした。
「はい、わかりました。可憐お嬢様……」
執事のセバスチャンは私の下知に対して素直に了承したと告げると。プレジデントの車内設置している《《カーテレホン》》、《《車内電話》》をとり、ピ、ポ、パ、と電話番号を押していき、終われば。
今の令和のスマートフォンのような小型化していない大型のトランシーバーのような受話器を自分の耳へと当て──私が策を練った《《安子さま》》の貞操を悪人さま……。チンピラさま……。ヤンキーの兄ちゃんさま達から守護する作戦の実行を始める。
だから私はプレジデントの後部座席から執事のセバスチャンと相手の探偵さまとの会話に聞く耳を立てる。




