第136話 可憐様の御友人様は今日も御機嫌麗しいみたい? (4)
そして「やぁ、みんな、おはよう」と。
安子さんがやはり山田さまの言われる通りで少し可笑しい……。
と言うか? か・な・り・可笑しい様子のようで……。
まあ、安子さまのことを知らない者達ならば。彼女の今の様子を見れば一見いつもと変わらない様子の安子さまにみえるのだが。
私や山田さまのように安子さまと同じ暴走族で特攻隊……。
そして生徒会でも同じく風紀委員をして校内の見回り、見張り……。悪を倒し、滅ぼし。白鳥学園周辺の秩序を守る……。
まあ、仲良く守っている者達から見れば、いつもぼんやり、無表情、無感情の安子さまの口の端が『えへっ』と微妙に垂れている。デレデレ仕様になっているところを見れば。
昨日駅のロータリーに停車して家の学園のか弱くない、ヤンキーの姉ちゃん達を多分ナンパにきたケンとメリーのスカイラインGTの4ドアセダンのシャコタン車の助手席に乗っていた優男が安子さまの初恋……。片思いの相手だったのかも知れないと思えば。
「安子~、お早う~」
「おはよう、安子~」
「安子~、可憐を何とかしてくれ~」
「あいつ! 可憐の奴は! 朝からテンション高いからうざいんだよ!」
「そうそう」
「うざい」
「生意気」
と、このか弱い私を愚弄してきたから。
「貴女達~。私に喧嘩をやはり売ってきているのですか~?」
私が超つくほど生意気なクラスメイト達へとファイティングポーズをとり、身構えると。




