第135話 可憐様の御友人様は今日も御機嫌麗しいみたい? (3)
昨日は殺し損ねた……。次見かけた時は必ず殺してやるのだと、私が己の拳に力を入れ、握り、奥歯を噛み締め、残念無念の顔をすれば。
「そうそう、あっ、ははははは」
山田さまは私の様子を見て高笑い。自分のお腹を抱えながら笑うものですから。
「山~」
「ヤンマ~」
「どうした~?」
「何か面白いことでもあったのか?」
「……それとも可憐の阿保がまた可笑しな事を言ってききたのか?」
「やっぱり、可憐は阿保だったのか?」
私のクラスのヤンキー娘達がか弱い私のことを虐めにくるから。
「……あ・な・た・達~、もしかして私に喧嘩を売っているのでございましょうか~?」
私が可愛く、お淑やかに、自分の目の端を吊り上げつつ、ケラケラと笑いながら、指を『ポキポキ』と鳴らして、【堕天使】の特攻隊は《《喧嘩上等!》》を魅せれば。
「可憐やるのか?」
「可憐、やってやるぜ!」
「可憐しばいちゃるぅ~」
可憐な一族の可憐である私へと喧嘩を売ってくるから。
「あぁ、ちょぉ~! ちょぉ~! あぁ~! ちょぉ~!」
と、私もファイティングポーズをとり、身構え、唸ると!
「可憐、ヤンマー、おはよう……」




